今、旬だから素材の旨みがたっぷり！6分でできる丸ごと新玉ねぎのレンジ蒸し【旬野菜レシピ】

野菜を多く食べる人は脳卒中や心臓病、ある種のがんにかかる確率が低いという結果が多くの研究から導き出されています。しかし、日本人の野菜類平均摂取量は、目標の350gに届かず「健康にいいことはわかっているが、十分な量の野菜を摂取できていない」のが現状です。

『旬野菜図鑑』で紹介した玉ねぎを美味しくいただく料理を管理栄養士の前田量子さんに教えていただきました。

玉ねぎは料理の名脇役として活躍することの多い野菜ですが、今回は料理の主役になり、たっぷり食べられるレシピをご紹介します。丸ごとの玉ねぎを使って調味料はコンソメのもと1つだけ。たった2つで安心する美味しさの玉ねぎのレンジ蒸し。旬の新玉ねぎなら甘さも加わってより一層美味しさが引き立ちます。

新玉ねぎ　1個（200g）
コンソメキューブ　1/2個
水　大さじ2

エネルギー　72kcal
たんぱく質　1.6g
カリウム　300mg
カルシウム　35mg
食物繊維　3.0g

1. 玉ねぎの皮をむき天地を落とし、放射状に切れ目を入れる。

2. 電子レンジ調理対応の容器にのせて、切れ目の真ん中にコンソメキューブをぐっと差し込み、上から水を注ぐ。

3. ふんわりラップをして電子レンジ600wに5分45秒かける。

4. 取り出して周りのスープを玉ねぎに数回まわしかけ味をなじませる。

5. 器に盛り、お好みでパセリのみじん切りをふって出来上がり。

玉ねぎをまるごと加熱して作る今回のレンジ蒸しは、手軽に旬の旨みが堪能できるのが魅力。

調理を簡単にするために電子レンジを使うので、火の通りが早い、汚れにくいなどさまざまなメリットがあります。

注意して欲しいのは、加熱ムラを起こしやすいこと。電子レンジのマイクロ波が浸透するのは表面から2.5cm程といわれていますが、玉ねぎには直径が5cmを超えるくらいの大きさのものが多くあります。ですから、切れ目を入れずに電子レンジに入れると熱が通らず、中のほうが表面よりも固いまま、ということが起こりかねません。

そこで事前に準備しておきたいのが、玉ねぎに放射状に切れ目を入れておくこと。こうすれば加熱ムラを解消できますし、切れ目が入っているので、食べやすいというメリットがあります。

電子レンジのマイクロ波は、塩分や糖分に集まってしまい、加熱ムラにつながるという特徴があります。

そのため、加熱前にコンソメを中心に差し込みました。こうすれば塩分が中心に入り、マイクロ派が自然と中心に集まるため、加熱ムラの解消に役立ちます。また、加熱が進むにつれてコンソメが溶けるため、味がじわじわと玉ねぎに染み込み、短時間でおいしくなります。

顆粒のコンソメを使ってもかまいませんが、玉ねぎに差し込みやすいので、キューブ状のコンソメがおすすめです。

電子レンジ調理は時短になり、調理器具も汚れにくいなど、メリットがたくさん！しかし、電子レンジの欠点は一度入れてしまうと、どのくらい加熱されているかわからず、加熱時間で悩んでしまうことです。

時間を割り出すには重さを量ることがとても重要になります。電子レンジは水分などに直接作用して発熱するメカニズムで、重量に正比例する特徴を持っています。例えば100gの食材が1分で火が入るというものだったら200gなら2分、300gなら3分といった具合です。

今回のレシピは、とろとろに柔らかく仕上げたかったので、100gあたり電子レンジ600wで2分30秒としました。一般的に玉ねぎは1個200g前後、そこに水が加わるので、2分30秒×2.3＝5分45秒となります。この公式さえわかっていれば、レシピがなくても調理可能です。

※加熱時間は、電子レンジの機種や使用状況により変わることがありますのでお気を付けください。

今回のレシピには、玉ねぎを水にさらす工程がありません。電子レンジで加熱してそのままいただきます。水にさらさないので、カリウムなど水溶性の栄養素を損うことなく摂取することができるメリットがあります。

食物繊維は血糖値上昇の抑制、血液中のコレステロール濃度の低下や整腸作用など、現代人の多くの悩みを解決してくれる頼もしい存在です。加えて食物繊維豊富な食材は、腹持ちが良く、食べすぎ防止、空腹を感じにくくなるという効果も期待できます。

食物繊維の1日あたりの目標量は、成人男性で1日に21g以上、成人女性で18g以上です。今回のレシピでは100kcalあたり4gの食物繊維が含まれているため豊富といって差し支えないでしょう。

今回は旬を迎えた辛味の少ない新玉ねぎで丸ごとレンジ蒸しを作りました。玉ねぎの栄養は新玉ねぎもそのほかの玉ねぎも変わりませんので、一品足りないなという時や、血液をサラサラにしたいという時に、ぜひ作ってみてください。

前田 量子（まえだ・りょうこ）
管理栄養士　野菜ソムリエ　ロジカル調理研究家。
著書『ロジカル調理』『ロジカル和食』『考えないお弁当』をはじめ、電子レンジの加熱時間や法則を書いた『ロジカル電子レンジ調理』が2022年2月に発売。調理科学で普段のもやもや悩みをすっきり解決 。スーパーの食材で本当に美味しく＆家族が楽しみにしてくれる定番家庭料理を作れるようになる料理教室主宰。

文・レシピ：前田量子