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2023.10.22

カサカサや粉吹きを防いで肌を守る。ドラッグストアで買える保湿剤の成分は?【おくすりコラム】

kencom公式:薬剤師ライター・高垣 育

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秋冬は、湿度が低くなり空気が乾くため皮膚の乾燥が気になります。これからの季節、ドラッグストアにはさまざまな乾燥対策のアイテムが並んでいますが、自分に合うものがわからないというケースもあるでしょう。そこで、保湿剤の種類と選び方について説明します。

ドラッグストアで買える医薬品と医薬部外品の違いとは?

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ドラッグストアで乾燥対策コーナーに置かれているアイテムをながめていると、パッケージに、医薬品・医薬部外品などの文字が書かれていることに気がつきます。似たような言葉のため、迷ってしまう人も多いようです。単純に考えると、体への効果がよりあるのは医薬品>医薬部外品ですが、使用者の相性や目的によって使い分ける必要があります。まずは、医薬品と医薬部外品の違いについてご説明します。

医薬品は疾病の治療・予防などが目的

医薬品は、治療・予防を目的として用いられます。特徴は配合されている有効成分の効果・効能が認められている点です。

医薬品の保湿剤は、医師が処方するものもありますが、ドラックストアで購入できる市販薬(OTC医薬品)もあります。病院でもらう薬と同じ成分のものがドラッグストアでも買えるのを意外に思う方もいるかもしれません。

医薬品の市販薬は、いつもは病院で薬を出してもらっているけれど忙しくて病院に行けない時などには、よい選択肢だといえます。ただし医薬品にはきまりがあり、種類によっては薬剤師がいる時にしか買えないものもありますので、注意が必要です。

医薬部外品は美化や美容などが目的

医薬部外品は人に対する作用が緩和なものをいいます。国によって効能・効果を認められた成分を含みますが、医薬品とは異なり、その目的は主に予防したり、清潔を保ったりすることです。多くの種類が多くの種類が販売されており、手軽に買うことができます。

病院でもらうのと同じ成分に特にこだわらない場合、あるいは幅広い選択肢の中から製品を選びたい場合などは、医薬部外品のほうがよいでしょう。

保湿効果がある薬の成分3つ。自分に合うものは?

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病院でも処方されて、ドラッグストアでも購入できる保湿効果がある薬の成分には、①ヘパリン類似物質、②ワセリン、③尿素などがあります。それぞれの特徴を理解して、自分にあった保湿成分を選びましょう。

①ヘパリン類似物質

ヘパリン類似物質は、皮膚に浸透して水分を引き寄せ、保持する成分です。全身に使うことができ、もちろん顔にも使えます。ただし、目には入らないように気をつけて使いましょう。また、傷やただれたところには塗らないようにします。

②ワセリン

ワセリンは、肌の表面を覆って水分が蒸発するのを防ぐ成分です。顔を含め、全身に使用することができます。傷や湿疹などがあるところには使用しないようにしましょう。

③尿素

尿素は、皮膚に浸透して水分を引き寄せ、硬くなった皮膚をやわらかくする成分です。また、古い角質を取り除き、肌をなめらかにします。かきすぎたところや傷口には塗らないようにしましょう。

塗り方やタイミングも大切。保湿効果を高める正しい使い方をしよう

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肌を乾燥から守る保湿剤は、正しい使い方をすることが大切です。

保湿剤を塗るタイミングはお風呂あがりなど、肌がしっとりとしているときがベスト。乾燥が始まらないうちに塗布しましょう。

使用量の目安は、チューブタイプの場合は人差し指の第一関節までを出した量、ローションなどは1円玉大の量が手のひら2枚分くらいが目安です。保湿剤を塗った肌の上にティッシュを置き、逆さまにして、しばらくティッシュが落ちてこないくらいが適量です。

自分に合った保湿剤を上手に使い、しっかり保湿してかゆみやかさつきを防ぐことで、乾燥する季節の日常生活を少しでも過ごしやすくするよう心がけましょう。

記事情報

引用・参考文献

著者プロフィール

高垣 育(たかがき・いく)
2001年薬剤師免許を取得。調剤薬局、医療専門広告代理店などの勤務を経て、12年にフリーランスライターとして独立。薬剤師とライターのパラレルキャリアを続けている。15年に愛犬のゴールデンレトリバーの介護体験をもとに書いた実用書『犬の介護に役立つ本(山と渓谷社)』を出版。人だけではなく動物の医療、介護、健康に関わる取材・ライティングも行い、さまざまな媒体に寄稿している。17年には国際中医専門員(国際中医師)の認定を受け、漢方への造詣も深い。

制作

文:高垣育

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