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2022.10.21

きのこで食物繊維たっぷり!レンジで焼きうどん風【電子レンジ活用レシピ】

kencom公式:管理栄養士・前田 量子

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調理科学に基づいたロジカルレシピが人気の料理家・前田量子さんによる、電子レンジ大活用レシピ。

寒くなるとそろそろあったかい麺料理が食べたくなります。そんな時に、茹でうどんときのこと鶏肉だけあれば作れる、簡単うどんレシピをご紹介します。
材料も少なく洗い物も最小限なので、秋冬のテレワークランチや、一人暮らしの晩ご飯にもぴったりです。

きのこで食物繊維たっぷり!レンジで焼きうどん風

【材料(1人分)】

ゆでうどん 180g
鶏むね肉(皮なし) 100g
きのこ類  150g ※今回はぶなしめじ、えのきたけ、しいたけを各50gずつ使用しています。
めんつゆ(3倍濃縮) 大さじ2(36g)
かつおぶし 少々
小ねぎ 適宜

主な栄養素

エネルギー 379 kcal
タンパク質  35.8g
脂質 3.2g
炭水化物 55.6g
食物繊維 8.2g

作り方

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1.鶏肉は食べやすい大きさのそぎ切りにする。きのこ類は石づきを取る。えのきたけは3等分の長さに切り、下の方は食べやすい大きさにほぐす。しいたけは1〜2cmの厚さでそぎ切りにする。ぶなしめじは食べやすくほぐしておく。

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2.鶏肉にめんつゆを揉み込んでおく。耐熱ボウルにきのこ類を加え、鶏肉を上にのせる。

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3.ラップをふんわりとかけて、600Wの電子レンジで3分40秒加熱する。

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4.うどんを流水で軽く洗ってほぐす。

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5.4のうどんを3に加えて全体を混ぜる。

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6.ラップをして3分加熱し、取り出して全体を混ぜる。

7.ふたたびラップをして1分加熱し、取り出してよく混ぜ、味を馴染ませる。

このレシピのポイント

電子レンジの調理時間は100gあたり2分を目安に

電子レンジ調理は時短になり、周りも汚れにくい等メリットがたくさんあります。
一方で、一度入れてしまうとどのくらい加熱されているか分からず、加熱時間で悩んでしまうことも。

適切な時間を割り出すには重さを計ることがとても重要になります。
電子レンジは水分などに直接作用して発熱するメカニズムで、重量に正比例する特徴を持っています。例えば100gの食材が1分で火が入るというものだったら200gなら2分、300gなら3分といった具合です。

今回のきのこは100gあたり電子レンジ600Wで2分くらいが目安です。今回はきのこと鶏肉で全部で286gなので、2.9×2≒6分となります。この公式さえわかっていればレシピ要らず!

しかし、ここで気を付けなくてはいけないのはこの後うどんを加えて再加熱するという点です。
そのため、うどんを加える前の加熱時間は60%程度で大丈夫です。麺を加えてさらに全体の重量に対して1.5分を目安に加熱しましょう。
少し短めに加熱し、取り出して様子を見て残り時間を加熱すると、うどんがかたくなるのを防いでくれ、味なじみも良くなります。

このレシピの栄養ポイント

ポイント1.節約だけじゃない!鶏むね肉はタンパク質の宝庫

安価で節約のイメージが強い鶏むね肉ですが、栄養面でも優れています!

飽食の時代とよばれて久しいですが、正確にはエネルギーと糖質、脂質を摂り過ぎており、反対にタンパク質やビタミン、ミネラルが不足傾向にあります。この状態は「現代型栄養失調」と言われます。

タンパク質が不足すると免疫力の低下、冷え症、基礎代謝低下、薄毛、などの不調を引き起こす可能性も。
では1日にどのくらいのタンパク質が必要かというと、体重1kgあたり1gが目安となっており、女性では50gほど(これは単純な食材量ではなく、食材に含まれるタンパク質の量)です。

鶏むね肉(皮なし)には100gあたり23.3gものタンパク質が含まれている、まさに優秀食材!今回のレシピは全体でタンパク質が35g以上も摂れるすぐれものなのです。

ポイント2.きのこの食物繊維で美味しく健康に!

秋の味覚の代表食材、きのこ。通年を通して価格が安定しており、お財布に優しい食材ですが、栄養面でも優れています。

きのこ類は一般に、糖質を代謝して神経系統の調整を行ってくれるビタミンB1、タンパク質・脂質・炭水化物の代謝に働いてくれるビタミンB2、皮膚や粘膜の正常化にもかかわるナイアシン、骨・歯の原材料となり筋肉の収縮作用にも重要な役割をもつカルシウムなどを含んでいます。

様々な栄養素がありますが、その中で特筆すべきはやはり食物繊維で、きのこには平均で重量の約3%ほど含まれています。
食物繊維は血糖値上昇の抑制、血液中のコレステロール濃度の低下や整腸作用など、現代人の多くの悩みを解決してくれる頼もしい存在。腹持ちが良くなり、食べすぎ防止、空腹を感じにくくなるという効果も期待できます。

現代人は4~7gの食物繊維が不足していると言われていますが、このレシピにはなんと8.2gの食物繊維が含まれています。
秋は美味しいものがたくさん出回り、ついつい食べすぎてしまう季節でもあります。積極的にとりいれてカロリーコントロールに役立ててください。

ポイント3.プラスするならビタミンA・C・Eを意識して

これから寒くなり、風邪が気になる季節になります。そこで特に気にしてほしい栄養素がビタミンA・C・Eです。

ビタミンA(人参、南瓜、ほうれん草など緑黄色野菜)、ビタミンC(野菜、果物全般)・ビタミンE(緑黄色野菜、ナッツ類、魚介類、油脂類)はビタミンエースとも呼ばれ、免疫力アップによいとされているため積極的にとって欲しい栄養素です。

今回のレシピにはこの栄養素が不足しているので、副菜で摂れるとよいでしょう。
野菜は旬の時期に栄養価が高まる傾向にあります。秋冬であればほうれん草の胡麻和え、ナッツ入りかぼちゃのマッシュサラダ、春菊とりんごのサラダ等がおすすめです。

副菜を作るのが面倒、という場合は小松菜をこのレシピに加えるのもよいですよ。無理なく栄養素を摂る工夫をしてみましょう。

【電子レンジ調理の注意点】

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電子レンジは正しく使えば、毎日の料理を時短で簡単に。キッチンも汚しにくいため家事の心強いパートナーとなってくれます。

ただし使い方を誤ると事故につながることもあるため、以下の注意点に気をつけて活用してみてくださいね。

1.電子レンジ対応のお皿を使う

電子レンジに使用できる器は、耐熱ガラス・耐熱陶器・ぺーパータオル・クッキングシート・ポリプロピレンなど、食品用の容器となります。
ただし、この素材でも電子レンジ未対応のものがあるので、必ず電子レンジ対応と書かれているものを使うようにしてください。

2.レシピの量と時間を守る

電子レンジを使う際は、まずレシピ通りの量や時間を守りましょう。食材によって加熱時間も多少変わるので、まずはレシピ通りに。その後、足りなければ再加熱するのがおすすめです。

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前田 量子(まえだ・りょうこ)

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管理栄養士 野菜ソムリエ ロジカル調理研究家。
著書『ロジカル調理』『ロジカル和食』『考えないお弁当』をはじめ、電子レンジの加熱時間や法則を書いた『ロジカル電子レンジ調理』が2022年2月に発売。調理科学で普段のもやもや悩みをすっきり解決 。スーパーの食材で本当に美味しく&家族が楽しみにしてくれる定番家庭料理を作れるようになる料理教室主宰。