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2022.09.23

電子レンジで簡単&時短 秋鮭ときのこの電子レンジ蒸し【電子レンジ活用レシピ】

kencom公式:管理栄養士・前田 量子

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調理科学に基づいたロジカルレシピが人気の料理家・前田量子さんによる、電子レンジ大活用レシピ。

秋は美味しくてお手頃な魚がたくさん出回る季節。魚料理は面倒くさいな……と思っている方にぜひ作っていただきたい一品をご紹介します。
旬の秋鮭を電子レンジでカンタン&ヘルシーに仕上げていて、洗い物もほとんど出ないので忙しい夕飯にも便利ですよ。

電子レンジでカンタン&時短!秋鮭ときのこの電子レンジ蒸し

【材料(2人分)】

秋鮭 1切(80g)
きのこ類 120g
※今回はぶなしめじ、舞茸、えのきたけを各40g使用

塩胡椒 少々
ポン酢醤油 適量

主な栄養素

エネルギー 128kcal
タンパク質 20.8g
ビタミンB1 0.31mg
ビタミンB6 0.38mg
食物繊維 4.2g

作り方

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1.きのこは全て石づきを取り、食べやすい大きさにほぐしておく。鮭は塩胡椒を少々して水気をふき取っておく。

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2.クッキングシートを大きめに切り、ぎゅっと握りくしゃっとさせてから広げ、きのこをのせて塩胡椒を少々をふる。

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3.鮭を上にのせる。

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4.ふわっと包む

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5.重さをはかり、電子レンジ600Wで100gあたり2分加熱する。
※今回は約200gなので4分

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6.一度あけて火が通っているか確認する。加熱が足りなければ600Wで15秒ずつ再加熱する。
ポン酢醤油など、お好みのものをかける。

このレシピの2ポイント

ポイント1:魚から水分をしっかりとふき取る

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魚は生臭さをおさえるのが美味しく仕上げるコツ。特にこういった包んで調理するものは香りがこもるため、生臭さが残りやすいという特徴があります。
魚の臭みの原因は水溶性のトリメチルアミンという物質。これを取り除くことで臭みを軽減できます。

1で塩をふって、出てきた臭みを含んだ水分をしっかり拭きとるのがコツです。
臭み対策には、加熱時に柚子やレモンの輪切りを一番上におくのもオススメ。さわやかな香りがプラスされるとともに少しの塩分で満足できるので減塩効果にもなります。

ポイント2:電子レンジの調理時間は100gあたり2分を目安に

電子レンジ調理は時短になり、周りも汚れにくい等メリットがたくさんあります。
しかし一度入れてしまうとどのくらい加熱されているか分からず、加熱時間で悩みやすいのが欠点。

そこで重さを計ることがとても重要になります。
電子レンジは水分などに直接作用して発熱するメカニズムで、重量に正比例する特徴を持っています。例えば100gの食材が1分で火が入るというものだったら200gなら2分、300gなら3分といった具合です。

今回の鮭やきのこは100gあたり電子レンジ600Wで2分くらいが目安です。今回は総重量が200gなので、2×2=4分となります。この公式さえわかっていればレシピ要らず!
今回のように、火が入っているか分かりにくい包み蒸しには特に向いている調理法です。
※電子レンジの機種や使用状況により変わることがありますのでお気を付けください。

このレシピの栄養ポイント

ポイント1:鮭には嬉しい栄養素がいっぱい!

まさに旬を迎える秋の代表的な食材、鮭。おなじみの鮭は栄養素たっぷりの優秀食材なんです!

まず良質なタンパク質が豊富。タンパク質が豊富なことで知られる鶏むね肉が100gあたり21.3gなのに対し、鮭は22.3gと多く含まれています。
タンパク質は三大栄養素の中でも現代人が不足しがちですので、鮭はしっかり効率よく摂るのに向いてます。今回は80gの切り身を使いましたがそれでも20g強のタンパク質が摂れます。

また鮭には、必須アミノ酸の一種であるトリプトファンが豊富。これは質の良い睡眠に必要と言われるメラトニンというホルモンの原材料となり、100gで成人男性(※)の約1日分を摂取することができます。
またこのホルモンをつくるために欠かせない、タンパク質の代謝に必要なビタミンB6も豊富で、1日の推奨量の約2/3を摂取できます。

ところで鮭は赤身魚と間違われやすいのですが、実は白身魚。この赤い色素はアスタキサンチンという物質で、強い抗酸化作用をもちます。
免疫機能の向上やカルシウムの吸収率向上が期待されるビタミンD、中性脂肪低下や血栓予防効果が期待されるDHAなど、鮭には身体に良い栄養素がたくさん含まれているので普段から積極的に摂りたい食材です。

※日本人の30~74歳の平均体重が67kgのため70kgで算出しています。

ポイント2:きのこで現代人の悩みを美味しく解決

きのこも秋の味覚の代表食材ですね。

きのこ類の栄養は一般に、糖質を代謝して神経系統の調整を行ってくれるビタミンB1、タンパク質・脂質・炭水化物の代謝に働いてくれるビタミンB2、体内の全酵素の約20%のサポート役を担っており皮膚や粘膜の正常化にもかかわるナイアシン、骨・歯の原材料となり筋肉の収縮作用にも重要な役割をもつカルシウムなどがあります。

様々な栄養素がありますが、その中で特筆すべきは食物繊維でしょう。
きのこは平均して約3%の食物繊維を含んでいます。血糖値上昇の抑制、血液中のコレステロール濃度の低下や整腸作用など、現代人の多くの悩みを解決してくれる頼もしい存在です。
食物繊維豊富なものをたっぷり食べると腹持ちが良くなり、食べすぎ防止や空腹を感じにくくなる、という効果も期待できます。
現代人は4~7gが不足していると言われていますが、このレシピでは4.2gの食物繊維を摂取できます。

これから美味しいものがたくさん出回りついつい食べすぎてしまう季節。積極的に取り入れてカロリーコントロールに役立ててください。

ポイント3:プラスするならビタミンA・C・E

これから寒くなり風邪をひきやすくなる季節になります。そんな時に特に気にしてほしい栄養素がビタミンA・C・Eです。

抗酸化作用のあるビタミンA(人参、南瓜、ほうれん草など緑黄色野菜)、C(野菜、果物全般)、E(緑黄色野菜、ナッツ類、魚介類、油脂類)はビタミンエースとも呼ばれ、免疫力アップによいとされています。
今回のレシピにはこれらの栄養素が不足しているので、是非副菜で摂れるようにしてください。

これからの季節だと春菊の胡麻和え、ほうれん草のナムル、水菜とりんごのナッツ和え等がオススメです。

【電子レンジ調理の注意点】

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電子レンジは正しく使えば、毎日の料理を時短で簡単に。キッチンも汚しにくいため家事の心強いパートナーとなってくれます。

ただし使い方を誤ると事故につながることもあるため、以下の注意点に気をつけて活用してみてくださいね。

1.電子レンジ対応のお皿を使う

電子レンジに使用できる器は、耐熱ガラス・耐熱陶器・ぺーパータオル・クッキングシート・ポリプロピレンなど、食品用の容器となります。
ただし、この素材でも電子レンジ未対応のものがあるので、必ず電子レンジ対応と書かれているものを使うようにしてください。

2.レシピの量と時間を守る

電子レンジを使う際は、まずレシピ通りの量や時間を守りましょう。食材によって加熱時間も多少変わるので、まずはレシピ通りに。その後、足りなければ再加熱するのがおすすめです。

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前田 量子(まえだ・りょうこ)

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管理栄養士 野菜ソムリエ ロジカル調理研究家。
著書『ロジカル調理』『ロジカル和食』『考えないお弁当』をはじめ、電子レンジの加熱時間や法則を書いた『ロジカル電子レンジ調理』が2022年2月に発売。調理科学で普段のもやもや悩みをすっきり解決 。スーパーの食材で本当に美味しく&家族が楽しみにしてくれる定番家庭料理を作れるようになる料理教室主宰。