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2022.08.24

南米の人々の活力の源!マテ茶はまさに「飲むサラダ」【ちょっと茶話#23】

kencom公式:料理研究家・りんひろこ

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一時期は大手飲料メーカーでも大々的に販売されていた「マテ茶」。
南米諸国で古くから親しまれてきた飲料で、実際、空気の薄い山岳地帯に住むインディオの人々の強権な体力や、アルゼンチンやブラジルなどのサッカー強豪国の人々の肉体を支えているのが、このマテ茶といえます。

マテ茶とは

マテ茶はアルゼンチンやブラジル、パラグアイなどのイグアスの滝周辺を原産とする、モチノキ科の食物「イェルバ・マテ」の葉や枝を茶葉に加工したお茶です。

現地では「活力を与える不思議なお茶」として飲まれているそうです。

実際南米人は牛肉の消費量が多く、その量は日本人の3~4倍とも言われるほど。これほど高タンパクな食事を取り続けているにもかかわらず生活習慣病はそれほど多くないと言われており、その理由がマテ茶の栄養による抗酸化作用が影響しているのではないかと考えられています。

参考文献:
マテ茶に含まれるポリフェノール、カテキン、およびカフェインの含量分析に関する研究 西口慶一 、百瀬弥寿徳、陳 福士(https://medbiol.sabsnpo.org/EJ3/index.php/MedBiol/article/view/258)
マテ茶の抗酸化活性について 平成27年度大会(一社)日本調理科学会(https://www.jstage.jst.go.jp/article/ajscs/27/0/27_147/_article/-char/ja/)

マテ茶の栄養

マテ茶にはカルシウム、亜鉛、鉄、食物繊維、葉緑素(クロロフィル)、ポリフェノールが豊富に含まれます。
そのため、ミネラルや野菜不足を補える「飲むサラダ」とも呼ばれています。

ポリフェノールには抗酸化作用、抗肥満作用があると言われており、またタンニンやカフェインの含有量も少ないので、鉄分の吸収も妨げません。

マテ茶には茶葉を焙煎しない「グリーンマテ茶」と、焙煎する「ローストマテ茶」の2種がありますが、「グリーンマテ茶」の方が鉄分量、ポリフェノール量、抗酸化活性などの栄養価が高いです。

マテ茶の淹れ方

南米には「苦マテ」と呼ばれる伝統的な飲み方があります。

「グアンパ」というマテ茶専用の壺に茶葉とお湯を入れて、先端にフィルターのついた「ボンビージャ」という金属のストローを差し込んでちびちび飲みます。
現地では何度も湯を継ぎ足して飲んだり、また友情の証として何人かで回し飲みしたりすることもあります。

日本でいう「濃茶(たっぷりの抹茶に少量のお湯を入れて飲むお抹茶)」みたいなものでしょうか。

現在では紅茶と同じように、ティーポットに茶葉とお湯を入れて蒸らして飲む、「マテ・ティー」という飲み方も親しまれています。

水出しマテ茶のいれ方

人数分の茶葉(ティースプーン山盛り1杯/1人分)を人数分の水(200cc/1人分)に入れて、8~10分おいて水出しする。その後は茶葉を取り除き、冷蔵庫で保管する。レモンやはちみつを加えても美味しい。

ホットマテ茶のいれ方

人数分の茶葉(ティースプーン山盛り1杯/1人分)をティーポットに入れ、お湯を人数分(180cc/1人分)注ぎ、3分蒸らしてカップに注ぐ。

りんひろこ

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料理研究家、フードコーディネーター
京都で学んだ懐石料理や、アーユルヴェーダや薬膳などの東洋の食養生の考えをもとにした美味しく簡単にできる料理を、TVや雑誌などで提案。著書に『作りおきで毎日おいしい! NYスタイルのジャーサラダレシピ』『ジャースチームレシピ』(世界文化社)がある。

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