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2022.04.15

豆腐と納豆、動脈硬化予防に役立つビタミンが多いのはどっち?【管理栄養士がジャッジ Vol.56】

kencom公式:管理栄養士・長有里子

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豆腐や納豆は日々の食卓に欠かせない、お馴染みの食材ですよね。どちらにも共通しているのが「大豆」から作られているという点。ただ、発酵しているかしていないかで、違いが出てくる栄養素があるのです。では、詳しくみていきましょう。

豆腐と納豆、動脈硬化予防に役立つビタミンが多いのはどっち?

正解は、納豆

納豆は日本の朝食の定番ともいえる食材。「発酵食品は体に良い」というイメージがあるかと思いますが、発酵食品である納豆は、血管の健康に良い働きをする「ビタミンB2」が多く含まれています。

血液中の悪玉コレステロールが増えすぎて酸化されると、過酸化脂質という有害な物質になり血管に溜まっていきます。これが動脈硬化の原因のひとつになるのですが、ビタミンB2はこの過酸化脂質の生成を抑える働きがあるため、動脈硬化予防に役立つのです。

このビタミンB2は、豆腐には100g中0.04mgとほとんど含まれていませんが、納豆になると含有量が大幅にアップ!これは納豆菌の働きによるものです。糸引き納豆では100g中0.56mg、ひきわり納豆には100g中0.36mgとどちらも多く含まれるため、ビタミンB2の供給源としておすすめです。

麻婆豆腐は意外にもカルシウムメニューとして優秀!

一方の豆腐には水分が多いので、納豆と比べると栄養面ではかなわない点がありますが、それでもカルシウムの量は優秀です。木綿豆腐のカルシウム量は93mg、絹豆腐は75mgに対して、糸引き納豆は90mg、ひきわり納豆は59mgと匹敵しています。(全て100g中)

例えば、豆腐がメインである麻婆豆腐には、1人前で約160mgのカルシウムが含まれており、男なら1日の推奨量の約1/5、女性なら1/4を1食で摂ることができます。

大豆製品で血管ケアを

納豆はビタミンB2を多く含んでいるため、動脈硬化予防に役立つとお伝えしましたが、やはり苦手な方もいるでしょう。

ご安心ください。大豆に含まれる大豆たんぱくには、コレステロールの吸収を抑える働きもあるため、納豆が苦手でも豆腐を含め大豆製品全般を食べることで、同じく動脈硬化予防が期待できます。

納豆がお好きな方もそうでない方も、日々の食事で色々な種類の大豆製品を摂り入れることができるといいですね。

▼参考文献

過去の『管理栄養士がジャッジ』はこちらから

著者プロフィール

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■長 有里子(おさ・ゆりこ)
管理栄養士/sazukaru代表。
人気サイト「服部幸應先生の1週間ダイエットレシピ」の監修経歴、食と健康の総合ポータルサイト「イートスマート」立ち上げメンバー。サイトや書籍の栄養監修多数。現在はプレコンセプションケアにも力を入れている。

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