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2021.02.08

レンジで簡単!シニア世代の元気ごはんレシピ~たんぱく質を摂って丈夫な体に~

kencom公式:管理栄養士・前田 量子

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日本人の平均寿命と健康寿命をご存じですか?前回の記事でもご紹介した通り、日本は世界の中でもトップクラスの長寿国です。

いくつになっても元気に過ごしたい、それは全ての人の願いではないでしょうか。しかし日常生活に制限のある「健康ではない期間」を指す平均寿命と健康寿命との差は、厚生労働省のデータによると、男女平均して約10年あることがわかっています。

そこで、今回はシニア世代に意識して摂ってほしい栄養素とそのレシピをご紹介します。

▼前回の記事はこちら

「たんぱく質」をしっかり摂ることが大切

シニア世代はどうしても食が細くなり、特にたんぱく質が不足する傾向にあります。

たんぱく質は身体を支える筋肉の主成分なので、元気に過ごすためには必須なことは言うまでもありませんが、それだけでなく内臓、皮膚、髪、骨、歯、腱や髄など、身体全体の大切な主成分でもあります。

血液やリンパ液などの体液、体の機能を調節するホルモン、食べ物の消化・吸収をはじめ体内の化学反応に不可欠な酵素、光や味、匂いなどの刺激を受け取るレセプターなどにもたんぱく質は大切な働きをしています。

このことからたんぱく質をしっかり摂ることが大切になるのです。では早速、手軽にたんぱく質がたっぷり摂れるおすすめレシピをご紹介します。

レンジで4分!あっという間にできちゃう「肉豆腐」

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材料(1人分)

豚ロース肉 50g
木綿豆腐 100g(1/3丁)
小松菜 30g(小1株)

しょうゆ 小さじ2
みりん 小さじ2
酒 小さじ2
生姜(チューブOK) 少々
片栗粉 小さじ1
出汁 大さじ3

※調味料はめんつゆで代用可能です。その場合は、しょうゆ、みりん、酒は不要となります。以下の分量を参考にしてください。
・2倍濃縮タイプの場合は大さじ1と1/3に水小さじ2
・3倍濃縮タイプの場合は大さじ1と水大さじ1

主な栄養素(1人分)

・221kcal
・たんぱく質 19.9g(1日に必要な量:男性33%、女性40%)
・カルシウム 150mg(1日に必要な量:男性25%、女性27%)
・鉄 2.9mg(1日に必要な量:男性の39%、女性の45%)

作り方

1.豚ロース肉は脂身が多い場合は取り除き、3cm幅に切る。

2.豆腐は3等分に切る。小松菜は5cm幅に切る。

3.耐熱容器に豚肉を入れ、しょうゆ、みりん、酒、生姜、片栗粉を加え軽く揉みこむ。

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4.3の耐熱容器に豆腐を加える。豆腐を一度裏返し、調味料を絡ませる。

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5.出汁を加えて軽く混ぜ、小松菜を端に加える。

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6.ラップをふんわりかけて、600Wの電子レンジで4分加熱する。※取り出すときは熱いので十分注意してください。皿に盛り付け出来上がり。

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たんぱく質を無理なく自然に摂るポイント&合わせてほしい副菜

その1:献立は、たんぱく質を多く含む「主菜」から考える

たんぱく質を多く含む食品は、肉類、魚介類、卵、牛乳・乳製品、大豆製品です。

先述の通り、シニア世代になるとどうしても食が細くなりお茶漬けやお蕎麦、うどんなど、口当たりの良い簡単な食事に偏りがちです。このような食事ばかりでは、どうしてもたんぱく質が不足していきます。

そのため、まずはたんぱく質をたっぷり含む主菜から献立を立てましょう。

その2:お肉を選ぶときは脂質の少ない部位を選ぶ

お肉は主に、たんぱく質と脂質、水分でできています。脂質が多い部位はたんぱく質が少なくなるため、調理の際に脂質が少ない部位や切り身を選ぶことが大切です。

またお肉の脂質を避けることは、動脈硬化の原因ともなる動物性脂質をカットすることにつながります。

お魚に含まれる脂質は、DHAやEPAといった積極的に摂りたい脂質となりますので、お魚の時はあまり気にしなくて大丈夫です。

その3:大豆製品を積極的に

大豆製品にはたんぱく質が豊富なだけでなく、カルシウムも多く含まれています。

シニア世代は男女とも骨量減少が著しく進む時期で、特に女性はホルモンの関係で急激な骨量減少が進むためカルシウムは積極的に摂りたい栄養素です。

カルシウムと言えばシラスや牛乳のイメージがありますが、豆腐にも豊富に含まれており、100g(1/3丁)当たり93mgは牛乳の約90mlに相当します。しかも豆腐は重量が重いため、意外と沢山食べられてしまうという点でも優れています。

また「絹ごし豆腐」より、栄養価の高い「木綿豆腐」を選ぶようにしましょう。たんぱく質は1.3倍、カルシウムは1.2倍も多く含まれています。主菜は勿論のこと、副菜に冷奴をプラスするだけで栄養バランスが整います。

その4:野菜は1食120gを目安に。プラスお浸しが◎

たんぱく質をしっかり摂ることを心がけたら、同じくらい重要なのが「野菜」です。

その中でもビタミンCは、たんぱく質からコラーゲンを生成する上で欠かせない栄養素。高齢者に多い骨粗しょう症は、カルシウムだけでなく体内のコラーゲンの減少も原因の一つと言われています。

おすすめの一品はお浸しで、ほうれん草や小松菜はゆでると縮んでかさが減り、無理なく沢山食べることができます。大体小鉢1つで60gなので、他にトマトを半分切ればそれだけで「野菜120g」をクリアします。

毎食のことですから、切っただけ、ゆでただけ、と簡単なもので良いのです。時にはスーパーのお惣菜を買うのも良いと思います。その時はなるべく茶色いものよりも緑や赤、黄色のものを選ぶと、ビタミンACが多く含まれる傾向にありますので参考にしてください。

たんぱく質たっぷりのおかず作りは難しくない!

いかがでしたか?今回は電子レンジで簡単にできる、たんぱく質たっぷりの肉豆腐レシピをご紹介しました。

レシピの小松菜を水菜やセリにしたり、きのこ類を変えたりするのも良いでしょう。お肉は鶏の胸肉やささみでも美味しくできます。是非試してみてください。

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著者プロフィール

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■前田 量子(まえだ・りょうこ)

管理栄養士 野菜ソムリエ ロジカル調理研究家。
著書『ロジカル調理』『ロジカル和食』『考えないお弁当』をはじめ、最新著書『おうちで一流レストランの味になるロジカル洋食』(全て主婦の友社)が好評発売中。調理科学で普段のもやもや悩みをすっきり解決 。スーパーの食材で本当に美味しく&家族が楽しみにしてくれる定番家庭料理を作れるようになる料理教室主宰。

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