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2021.02.11

おなかが冷たい?内臓型冷え性の対策と改善には体を内外から温めよう

ILACY

ふとおなかをさわったとき、冷たく感じることはありませんか?手足は温かいのに、おなかだけ冷たい状態が続く場合、内臓の体温が下がっている「内臓型冷え性」かもしれません。

自覚症状が少ないことから「隠れ冷え性」とも呼ばれる内臓型冷え性は、どうしても気付くのが遅れがち。内臓の冷えが進むと、新陳代謝が低下してやせにくくなったり、風邪を引きやすくなったり、さまざまな体の不調を引き起こしたりするので注意が必要です。

そこで、内臓型冷え性の症状や対策のほか、改善方法について解説します。

ほかの冷え性とは違う!?内臓型冷え性とは?

冷え性と聞くと、「指先が冷たくてなかなか寝付けない」「湯船に浸かっても体がすぐに冷えてしまう」といった状態を思い浮かべますが、実はそれだけではありません。

冷え性は、冷えが生じる場所や冷え方によって「末端型」「下半身型」「内臓型」「全身型」の大きく4つのタイプに分かれ、中には内臓型冷え性のように自覚症状がないケースも存在します。

冷え性タイプ別の特徴

内臓型冷え性は、手足や体の表面は温かいまま内臓だけが冷えるため、ほかのタイプと違って冷えに気付きにくい傾向があります。

少し運動しただけで顔や体がほてってよく汗をかく人や、手足がいつも温かい人など、一見すると冷え性とは無縁のように見える人でも、内臓には冷えが潜んでいる可能性があるといえるでしょう。

内臓型冷え性の症状とその原因

内臓型冷え性は、内臓に十分な血液が届いていないため、その機能が低下している状態です。初期は自覚症状に乏しいものの、おなかをさわるとほかの部分より冷たく、冷えを感じます。

この段階で対策をせずに放置していると、内臓の冷えが進んで次のような症状が現れます。

・便秘や下痢を繰り返す
・病院に行くほどではないけれど、いつも体がだるい
・季節の変わり目によく体調を崩す
・風邪を引きやすい
・疲れやすい
・厚着をしていても寒く感じる
・月経周期が乱れる
・太りやすくなる
・肌トラブルが増える

内臓型冷え性の原因は、おもに次の3つです。

1 冷たい食べ物や飲み物のとりすぎ

冷たい物を食べたり飲んだりすると、「冷たい」という刺激が神経を伝って、胃腸など消化管の血管に届きます。すると、血管が収縮して血流量が減少し、消化管が冷えて、免疫力や代謝の低下につながります。

2 運動不足

内臓型冷え性に限らず、冷え性全般の原因のひとつが運動不足。特に、デスクワークが多い人は要注意です。座りっぱなしで下半身の筋肉を動かさないと、腰やおなか周りの血流が悪くなってしまいます。

体温を保つには、筋肉を動かして熱を発生させなければなりません。筋肉量が少ないと熱が生じにくく、発生したエネルギーを全身に届ける力も弱くなってしまいます。女性は男性に比べて筋肉量が少ないため、より運動が必要です。

3 ストレス

内臓型冷え性は、ストレスの影響も大きいといわれています。ストレスが元になって分泌されたアドレナリンが全身の血管を収縮させ、体全体の血流を悪くして、内臓の冷えを加速させてしまうからです。

体の内と外から冷え対策を!

おなかの冷えを改善するには、なんといっても温めることが大切。内臓が温まれば、消化や血流、基礎代謝、免疫など、さまざまな体の機能が活性化して、不調から抜け出すことができます。

体を温めるには、「内から」と「外から」の両方から行うことがポイントです。

体を内から温める

体を内から温めるには、飲み物や食べ物はなるべく温かい物を選ぶのがポイントです。

■体を温めるため食材・冷やす食材

出典:薬膳・漢方 食材&食べ合わせ手帳

参照元:https://www.ilacy.jp/column/post_0005.html

出典:薬膳・漢方 食材&食べ合わせ手帳

「体を冷やす食材」とはいえ、必要以上に食べるのを避けることはありません。冷えを感じているなら、「体を温める食材」を積極的にとるよう意識すればいいでしょう。

また、筋肉量がアップすると、体を中から温めやすくなります。ストレッチやウォーキング、スクワットなど、簡単で無理のない運動を日常生活に取り入れてみましょう。通勤のときは最寄りの1つ手前の駅で降りて1駅分歩いたり、なるべく階段を利用したりするのも有効です。

体を外から温める

体を温める食材や運動を取り入れるのと並行して、内臓を外側から物理的に温めるのも効果的です。

・カイロを貼る
・腹巻きを巻く
・ぬるめのお湯にゆっくり浸かる

あせもやかぶれを防ぐため、腹巻きは通気性や吸汗性に優れた物を選びましょう。入浴の際、岩塩や炭酸系の入浴剤で温浴効果を高めるのもおすすめです。

ただし、汗をかきすぎると反対に体が冷えてしまうので、長湯には注意しましょう。

監修者:古川先生より

冷えは万病の元。特に自覚しにくいおなかの冷えは、気付かないうちに体の不調へ発展してしまいます。病院に行くほどではないけどいつも体がだるい、季節の変わり目によく体調を崩す、便秘や下痢を繰り返す...。そんな慢性的な不調を感じたら、内臓型冷え性を疑ってみましょう。普段から体を冷やさないよう、体の内外から温活を心掛けることも忘れずに!

この記事を監修した人

古川真依子(ふるかわ まいこ)医師

医学博士/日本内科学会 総合内科専門医、日本消化器病学会 消化器病専門医、日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医・指導医、日本消化管学会 胃腸科専門医、日本ヘリコバクター学会 ピロリ菌感染症認定医 、日本カプセル内視鏡学会 カプセル内視鏡認定医、日本人間ドック学会 人間ドック認定医
専門分野:消化器内科・内科

2003年東京女子医科大学卒業
東京女子医科大学附属青山病院消化器内科で医療錬士として関連病院等にて診療にあたり、2008年帰局後は助手として指導にも尽力。2013年より東京ミッドタウンクリニック勤務。胃がん・大腸がん・腫瘍など消化器系の疾患だけでなく、便秘や産後の痔など女性ならではの悩みにも詳しい。

※掲載している情報は、記事公開時点のものです。

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