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2020.08.25

夏休みは片付けチャンス!親子で実践、いるもの/いらないものの仕分け術

kencom公式:ライフオーガナイザー® ・門傳奈々

例年より短い今年の夏休み。遠出は控え、家で過ごす方が多いようです。

家にいる時間が長いこのタイミングを活かして、親子で一緒に家の片づけをしてみませんか。

集中力に合わせて「小さい場所」から手順よく

片づけは結構労力のいる作業です。大人でも片づけをした後は疲れますが、それは子どもも一緒です。

また、子どもは集中力が長く続かないため、長時間作業をすることはおすすめできません。作業時間は短く、できるだけ小さなスペース、小さい場所から片づけることを心がけましょう。

小さい場所とは?

大人の片づけで「小さい場所」というと、引き出し一つやポーチ一つ程度の大きさを言います。取り掛かりやすい場所から片づけを始めて、段階的にスペースを拡大していきます。

子どもと作業する場合は、例えば以下のような場所から始めることをおすすめします。

・カラーボックスの棚1個分
・絵本棚1列分
・おもちゃ箱1個分
・棚の1区切り分
・(学校から持ち帰った)道具箱1つ分
など…

作業時間は10~15分を目安に

大人の場合、小さいスペースを20分〜30分程度で作業するのが良いでしょう。

子どもの場合は、集中できる時間が短いので長時間の作業はできません。1度の作業を10分〜15分で区切り、終わらなかったら2回に分けて作業すると良いでしょう。

また、短時間でタイマーをつけて時間内に終わらせるなど、ゲーム感覚で片づけるのも楽しんで取り組めるのでおすすめです。

片づける日時を事前に知らせる

子どもが他のことに夢中になっている時に、親のタイミングで「片づけるよ〜」と言っても協力的な態度は取ってくれないでしょう。

そこでおすすめなのが、「○時になったら、△△の場所を片づけよう」と事前に知らせることです。そうすることで子どもも心の準備ができます。

子どもの片づけの手順

片づける場所・ものが決まったら作業に入りましょう。

作業手順は以下のような順番で行いましょう。
1.(ものを)全て出す
2.3~4カテゴリーに分ける
3.(必要なものだけを)しまう
4.(1、3、6ヵ月、1年ごとに)見直す

子どもに言ってはいけない「NGワード」「魔法の言葉」

やる気をそぐNGワード

子どもとの片づけで気をつけたい言葉が、「捨てるよ」や「もう要らないよね?」といった子どもの意思を無視するような言葉です。
また、片づけ作業が進んできて、子どもが「これはもう要らない」と手放そうとしているものに対して、「これは高かったから残しておこう」などと子どもの決定を覆すような発言はしないように気をつけましょう。

「高かったから捨てるのは忍びない」と大人が思うものに対しては、取り出しにくい場所にしまうなど、子どもの「手放す」という選択を尊重するようにしましょう。

魔法の言葉

NGワードに対し、魔法の言葉もあります。
それは
・「大切なものはどれか教えて」
・「宝物はどれ?」
・「好きなものだけ選んでみようか?」
といった子どもに寄り添った声がけです。

我が家の片づけ実例

記事画像

筆者宅で子どもと一緒に片づけた際の手順、カテゴリー分け、しまい方の実例を紹介します。
我が家の次女が年中児(4歳)の時に親子で一緒に片づけた事例です。

片づけたのは、写真にある棚の1区画です。ファイルボックス3つ分の雑貨を片づけました。

<手順①②>(ものを)全て出す、3~4カテゴリーに分ける

棚の中のものを全て仕分けした状態。見た目以上にたくさんのものが詰め込まれているのがわかります

棚の中のものを全て仕分けした状態。見た目以上にたくさんのものが詰め込まれているのがわかります

棚ひとつ分の中身を全て出し、写真のように「①よく使う」「②使う」「③他の場所にしまう」「④使っていない(処分)」の4つのカテゴリーに分けていきます。

棚から出したものを一つずつ手に持ち、親が「これはよく使う、使う、取っておく、使わない、どれかな?」と子どもに声をかけ確認していきます。
この仕分けの作業が、片づけの中で一番時間のかかる部分です。

子どもが迷っている様子であれば、親御さんから見た印象(「これは使っているのを見たことがないのだけど、使わない、捨てるにしてもいいかな?」など)をコメントします。
子どもの了承が得られたら、そのカテゴリーに分類します。

子どもにもわかりやすい言葉で表してあげましょう

子どもにもわかりやすい言葉で表してあげましょう

最初は時間がかかるかもしれませんが、子どもも慣れてくるとスピードアップするので根気強く見守りましょう。

無理強いしてしまうと、子どもに「片づけは嫌なもの」という印象を与えかねません。子どもの集中力を見ながら、飽きたら作業を次の日に持ち越すなどすると良いでしょう。

<手順③>(必要なものだけを)しまう

使うものだけを厳選したら、より探しやすく使いやすい棚になりました

使うものだけを厳選したら、より探しやすく使いやすい棚になりました

仕分けが終わったら、処分するものはできるだけすぐに処分しましょう。後は棚に戻すものを収めていくだけです。

また、<手順④>として定期的に見直しする機会を設ける習慣を付けましょう。

カテゴリーは好みで分けても良い

上記の例では使用頻度でカテゴリーを分けましたが、子どもの好みや使うシーンに合わせてカテゴリーを分けても良いでしょう。

「好き」を軸に仕分ける場合

①宝物
②好きなもの
③普通のもの
④いらないもの

「シーン」を軸に仕分ける場合

①おもちゃ
②勉強
③道具
④不用品

いずれにしても、子どもが分けやすいと感じるキーワードで仕分けると良いでしょう。

片づける時間がない時は

親子で一緒に片づける時間が足りない!
そんな時は、「子どもがよく使うもの」だけを「取り出しやすい場所」に移動するだけでも、部屋が散らかるのが防げます。

子どもの性格で変える「収納方法」

親が準備した収納方法でうまく片づけられる子どもと、うまく片づけられない子どもがいます。
それは性格の違いや得意、不得意が人によって違う、ということに起因しています。

戻すのが苦手な子におすすめ!「ざっくり収納」

記事画像

本を本棚にしまうのが苦手、そんなお子さんはいらっしゃいませんか?我が家の長男がこのタイプです。

うるさく言っても本棚に戻せないので、思い切って大きめのボックスに「ざっくり放り込むだけ」の収納に切り替えてみました。
この方法は、「放り込むだけなら、できる!」と長男にも好評で、きちんと元の場所に戻すのが苦手なお子さんにおすすめです。

きちんとしまいたい子におすすめ!「ラベリング」

記事画像

ものをきちんと元に戻さないと気が済まないタイプのお子さんや、ものの住所が決まっていれば戻せる、というお子さんに向いているのが「ラベリング」です。
「何をどこにしまう」という、ものの住所をラベリングで示してあげると、その通りにしまうことができます。

子どもの目線に合わせて片づけよう

夏休みになると子どもの様子が目に入る時間も長くなるので、つい口出ししたくなりますよね。ですが、子どもには子どものペースがあります。

口出しをぐっとこらえて、
・片づける日時を事前に知らせる
・小さい場所から片づける
・一気に終わらせようとしない
これらのポイントを意識して、親子で仲良く片づけてみてください。

門傳奈々(もんでん・なな)

記事画像

ライフオーガナイザー®、整理収納アドバイザー1級。夫と3人の子どもがいる5人家族。夫の転勤に伴い、中東、インドなどで海外生活を送った後、日本に帰国。「片づけが苦手」だった自分の経験を生かし、だれでも簡単に整理できる収納方法を提案するため、個人宅を訪問しお片づけのお手伝いをしたり、お片づけ講座、お片づけお悩みシェア会などを開催。

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