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2020.09.13

ストレスから解放される「名もなき家事」との付き合い方

kencom公式:ライフオーガナイザー® ・門傳奈々

家事といえば、「掃除」「洗濯」「料理」が代表的ですが、その家事の裏に隠された名前のつかない家事、いわゆる『名もなき家事』というのがどのご家庭にも存在しています。この名もなき家事が原因で、ストレスやケンカに繋がることも多いのではないでしょうか。

そこで今回は、名もなき家事との付き合い方について紹介します。

「名もなき家事」とは

以前テレビなどでも紹介されたのが、お笑い芸人の奥様が公表した「見えない家事リスト」。その家事リストの数は、なんと全部で162項目もあります。

このように「名もなき家事」とは、名前をつけるほどの大きな家事ではないものの、その家事をやらないでいると生活が停滞してしまうこともあるものです。

例えば次のようなものが挙げられます。

・トイレットペーパーを新しいものに交換する
・シーツの交換
・シャンプーなどの詰め替え
・玄関の靴を並べる など

「掃除」「洗濯」「料理」に付随するものもありますが、雑務的なものも含まれています。

また、新しい生活様式の定着とともに「除菌」「免疫力アップ」「検温」関連の新たな「名もなき家事」も増えています。それらを上手にコントロールして、日々の生活にゆとりを生み出してみませんか。

名もなき家事の負担を減らす3ステップ!

名もなき家事を実際に数えてみると、上記のリストのように100個近くになります。これらを全て母親や父親、またはパートナー1人が担っていると、家事に追われて生活にゆとりが持てなくなってしまいます。

全てを1人が担っている状況を見直し、次の3ステップで名もなき家事の負担を減らす工夫をしてみましょう!

1.「名もなき家事」の棚卸しをしてみましょう

まずは、自分がどのような「名もなき家事」をしているのか書き出してみてください。1週間分、毎日の家事を書き出してみるとその数の多さに驚くことでしょう。1週間分を書くのが面倒な方は、週末2~3日分を書き出すだけでもタスクの多さや細かさがひと目でわかります。

筆者の例ですが、8月のとある日曜日、1日でこなした「名もなき家事」は以下のようなものでした。

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1日分を書き出すだけでも、これだけの名もなき家事をこなしていることがわかります。

2.減らせるもの、分担できるものを探してみましょう

続いては、そのリストの中から「やらなくてもいいもの」と「家族にやってもらえるもの」を探してみましょう。日頃から「これ面倒!」と感じているものや、面倒くさくても「やらねば」とか「やるべき」と思ってやっているものは「やらなくていいもの」、「家族にやってもらえるもの」に振り分けてみると良いでしょう。

3.「やらないこと」を試してみましょう

「やらなくていいもの」が見つかったら、試用期間を設けてやめてみましょう。それらをやめても日々の生活や家族に支障がない…と思ったらそのままやめても良いでしょう。一つ家事が減ると、その分生活にゆとりが生まれます。

実例紹介!「名もなき家事」を家族に振り分ける工夫&便利グッズ

トイレットペーパー交換のプチストレス解消法

その1:「倍巻き」のロールを使う

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名もなき家事の代表のひとつが「トイレットペーパーの交換」ではないでしょうか。

我が家は5人家族。ステイホーム期間や夏休み期間中は、2、3日に一度はトイレットペーパーを交換している感覚に…。その負担を少しでも軽くしたいと思って使い始めたのが、倍の長さのトイレットペーパーです。

通常のロールの3~4倍の長さのものを使用してみたところ、交換回数が減りました。

その2:ペーパーがなくなったタイミングを「あたり!」に

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我が家では、トイレットペーパーがなくなり「あたり!」が出た人が交換するルールを導入しました。

長さが倍のロールにしてから交換頻度は減ったものの、毎回のように筆者が交換していました。これを家族に振り分けられないか…と考えて思いついたのがこの方法です。

これに当たると家族も嬉しそう…とはいきませんが、「仕方がない、やるか」という感じで交換してくれるようになりました。もちろん、交換のための新しいロールは家族にも分かりやすい場所、取りやすい場所に置いておくことが必要です。

「ラベル」は家事負担減に大活躍!

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100円ショップで手軽に買うことができる、はがしやすいラベルを活用しましょう。

ラベルは名前を書くだけのものではありません。イニシャルを書き込んで貼っておくと家族が管理しやすくなり、母親(父親)の負担も減るのでおすすめです。

ポイントは、家族がひと目見て「どうすれば良いのか」がわかるように書き込むことです。貼る場所を工夫したり、「クスッ」と笑ってもらえるような言い回しにすると協力が得られやすいでしょう。

ラベル活用1:洗濯機に貼る

ラベルに番号を書いて貼ることでわかりやすく

ラベルに番号を書いて貼ることでわかりやすく

この番号順にボタンを押していけば、洗濯機を動かすことができます。家族に洗濯機を動かしてもらうだけでも助かりますね。洗濯機をまわしたことがない家族や子どもでも順番通りにボタンを押せば良いので、わかりやすくなります。

ラベル活用2:洗剤に貼る

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洗剤の計量も家族にやってもらえばプチストレスの軽減になります。「何ml入れれば良いのかわからない」といった状態を解消するために、ひと目でどのくらい計量すれば良いのかわかるように工夫します。

ラベル活用3:コロナ対策もラベルで意識して

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出かける際に忘れがちなハンカチとマスク。子どもは特に忘れがちです。そんな子どもたちに注意喚起する意味で玄関ドアノブ付近に貼ったのが写真のラベルです。

ラベルをあえて斜めに貼ることで注意をひくようにしています。これを見れば子ども自身で確認することができます。

家族でも使いやすいアイテムの導入

その1:スプレー洗剤を活用!

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スプレー洗剤は子どもにも扱いやすいアイテムです。

我が家は夏場、小学生の子どもが毎日水筒を持っていくのですが、毎晩水筒を洗うのを少し面倒に感じていました。そこで、水筒を洗うのは子どもに任せることにしました。スプレー洗剤があれば、子どもでも楽しみながら洗ってくれます。

その2:ワンタッチで交換できるシーツを使う

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以前は袋状のシーツを使用していましたが、袋状だとシーツの袋の中に敷き布団を入れるのに一苦労でした。そこで、ワンタッチで付け替えられるようゴムで付け外しができるタイプのシーツに変えました。

簡単に敷布団から外れるので、子どもの力でもラクに取り外しできます。今ではシーツ交換は、小学生の長男が担当しています。

「やるべきもの」「やらねばならないもの」という意識を変えて

以前の筆者は、家事に追われて気持ちの余裕がなくなり、イライラしがちでした。イライラしながらも、素直に家族にSOSを出せない自分もいました。その言葉の裏には、「家事は母親がやるべきこと」「母である私が家事をやらなくてはいけない」と思い込んでいた背景があります。

家事の負担は母親(父親)、パートナーのどちらかだけが背負うものではありません。思い切ってやらなくて良い家事は手放したり、家族に委ねてみることで、自分の時間が増えるだけでなく気持ちにゆとりができ、穏やかに過ごすことができますよ。

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著者プロフィール

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■門傳奈々(もんでん・なな)
ライフオーガナイザー®、メンタルオーガナイザー®︎、整理収納アドバイザー1級。夫と3人の子どもがいる5人家族。夫の転勤に伴い、中東、インドなどで海外生活を送った後、日本に帰国。「片づけが苦手」だった自分の経験を生かし、だれでも簡単に整理できる収納方法を提案するため、個人宅を訪問しお片づけのお手伝いをしたり、お片づけ講座、お片づけお悩みシェア会などを開催。

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