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2019.02.08

知って防ごう!猛威を振るい続ける『インフルエンザ』

KenCoM編集部

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今年も大流行中のインフルエンザ。昔は風邪と同じような扱いでしたが、原因が分かった今は、その感染力の強さから強い注意喚起をされています。
一体どんな病気なのか、知って防ぐための知識をKenCoMの記事を監修いただいている石原藤樹先生にお伺いしました。

インフルエンザに関する4つの基礎知識

インフルエンザとは

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インフルエンザは、インフルエンザウィルスがのどや気管支、肺といった場所に感染して増殖することで罹る病気です。元は風邪の一種でしたが、今はウィルスがはっきりしているので分けられています。
その特徴は全身に症状が現れる点と強い感染力です。

風邪は、一般的には急性上気道炎と呼ばれるように、上半身に諸症状が出やすい傾向があります。一方で、インフルエンザは予兆なく38℃以上の高熱が出たり、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感、食欲不振など、全身に症状がでるのが特徴です。

ウィルス自体も感染力が高いだけでなくどんどん変異していくのも特徴です。鳥インフルエンザのように今まで動物しか罹らなかったのに、人にも感染するようになるといったことが見られます。

インフルエンザの症状

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インフルエンザウィルスに感染した場合、人によって様々ですが、数日の潜伏期間の後で全身に症状が出始めます。予兆なく38℃以上の高熱が出るほか、全身の倦怠感、食欲不振や関節痛などが強く現れるため、抵抗力のない老人や子どもは重症化しやすいというのも特徴です。
それらの症状からやや遅れて、せきやのどの痛み、鼻水など、風邪と同じ症状や、下痢、吐き気などの消化器系の症状、筋肉痛や頭痛などが出てくる場合もあります。

また、肺炎や脳炎、心筋炎といった重篤な病気を合併して起こす可能性もあるため、注意が必要です。

予防注射はみんなで受けた方がいい

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インフルエンザの話題とともによく出るのが予防接種ですが、受けておくと100%罹らないという性質のものではありません。
昔使われていたワクチンは強力でしたが副反応も強く、現在は使われていません。現在主に使われているものは、副反応は弱いですが、効果もほどほどといったものです。

流行しているインフルエンザウィルスとのマッチングもあります。その時に流行っているウイルスと近いものだとよく効き、かなり罹りにくくなります。
逆に変異などで性質が変化していると、同じ型でも効果が薄れてしまう可能性があります。

ちなみに、予防接種を受けておくと、かかった際の症状を緩和したり、肺炎などの発症リスクを下げることができます。また、他の風邪にも感染しにくくなるという報告もあります。風邪やインフルエンザが流行る時期になる前に、心配な人は受けておくといいでしょう。

インフルエンザの予防接種については、周りの人の多くが受けていることも重要になります。
WHOや厚労省の研究で、同じ空間にいる人たちの9割近くにワクチンを摂取しておくと、集団感染を防げるというデータがあります。
特に老人ホームなど限られた空間では、ほぼ全員が予防接種を受けていると、集団感染をおおかた防げることがわかっています。

病院に行く際の注意点

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インフルエンザに罹った疑いがある場合、重篤な症状が出やすいので病院にかかることを考える方が多いと思います。
その際に絶対に行って欲しいのが病院への一報です。

インフルエンザが流行している時期ですと、患者さんの多くがインフルエンザに感染しているケースがあります。そこにそのまま行ってしまうと2次感染の恐れもあります。
状況によっては指示された時間に通院したり、自宅で様子を見つつ対処した方がいい場合もあります。

インフルエンザには、抗インフルエンザウィルス薬が有効とされています。服用すると発熱期間が1~2日短縮され、ウィルスの排泄量も減り、症状が改善されていくとされています。
ただ、熱が下がってもすぐに体力が戻るわけでもありませんし、体内にインフルエンザウイルスが残っている場合もあります。平熱になっても2日程度は安静にしつつ、人と会うのは避けるようにしましょう。学校には出席停止の決まりがあり、職場にも規定があることが多いので、それを確認して従うようにしましょう。

インフルエンザを知って予防に努めよう

インフルエンザは感染者が多いところに行くほど罹りやすいようです。不必要な接触は避けるようにしましょう。風邪の対策と同様に、手洗いうがいなどでウィルスを洗い流すのは効果的。流行時期にはしっかりと行うようにしましょう。

また、最近話題の腸内環境を整えることによってインフルエンザを予防する点については「まだまだ未知の領域」とのことです。
ただ、腸内環境と免疫機能との関係は強いようなので、出来るだけお腹に良い食事をとったりして、腸の調子を整えておくのも一つの手かもしれませんよ。

監修医プロフィール

■石原藤樹(いしはら・ふじき)先生
1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。2015年8月六号通り診療所を退職し、北品川藤クリニックを開設、院長に就任。著書に「誰も教えてくれなかったくすりの始め方・やめ方-ガイドラインと文献と臨床知に学ぶ-」(総合医学社)などがある。

(取材・文/KenCoM編集部)