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2024.06.02

「仕事を断れない」「NOと言えない」あなたが断れないのはなぜ?心理師が教える原因と対処法

ヨガジャーナルオンライン

「仕事を頼まれるとどんなに忙しくても引き受けてしまう」「どんな場面でもNOと言うのが苦手」等と断れないことに悩んでいませんか?断れない心理にはいくつかの要因が絡んでいます。今回は断れない心理と対処法について解説していきます。

なぜ断れないのか…断れない要因とは?

1. 自己肯定感の低さ

自己肯定感が低い人は、自分の価値を他者の評価に頼りがちです。そのため、他人の要求を断ることが苦手になりやすいです。

2. 人からどう見られるかを気にしやすい

人からどう見られているかを気にしやすく、他人に良く思われたい、好かれたいという想いが強いと、断ることができず、結果的に他人の期待に応え続けてしまうことがあります。

3. 対立を避けたい想いが強い

対立や衝突を恐れるため、要求を受け入れてしまうことがあります。これは、過去に対立して大変だったり、辛かったりした経験に起因する場合があります。

4. 自他の境界線の問題

境界線は、自分と他者との間における物理的、精神的、感情的な境界線のことで、自分のニーズや感情を守るための重要な概念です。境界線が曖昧な人は、自分のニーズや感情を他人の要求や期待に合わせてしまうことがあります。他人の感情や要求に対して過度に反応してしまい、その結果、他人の要求を断ることができず、自分自身を犠牲にしてしまうことがあります。

断れるようになるための対処法

断ることは自分の時間とエネルギーを守るために重要です。今回紹介する方法を参考に、断ることに対する不安を軽減し、健康的な人間関係を築いていきましょう。

1. 自己理解を深める

自己肯定感を高めるために、自分の強みや取り組んだこと、頑張ったこと、継続していること等を再確認することが重要です。そして、自分自身の価値観や信念を明確にし、それに基づいて行動することで、他人の評価に依存しないようにします。

2. 自責傾向を減らす

自己批判的な思考を減らし、ポジティブな自己対話を増やすことで、自分に対する信頼感や自信を高めます。

3. 境界設定

自分の限界を認識し、他者との間に健康的な境界を設定することが重要です。物理的にも精神的にも苦痛だったり辛かったりするラインはどのあたりなのか探っていきましょう。

4. 対立を過度に恐れない

対立が必ずしも悪いことでないことを理解し、建設的な対立が問題解決につながることもあると柔軟に捉えていきましょう。

5. コミュニケーションスキルの向上

アサーティブなコミュニケーションスキルを身につけることで、断ることに対する罪悪感や不安を減らせます。アサーティブなコミュニケーションとは、自分の意見や気持ちを尊重しながら、相手の意見や気持ちも尊重する方法です。よかったらこちらの記事も参考にしてください。

断り方の練習をする

実際の場面でいざ断ろうとすると勇気が出ない場合があります。あらかじめ練習をすることもおすすめです。

1. 断る理由を明確にしておく

自分の中で断る理由を明確にする。例えば、「これ以上の時間がない」や「私の価値観に反する」といった具体的な理由を持つ。

2. シンプルに伝える

「NO」を言う時は、できるだけシンプルにします。長い説明や言い訳は避けましょう。

3. 代替案の提示

必要に応じて、代替案を提示します。相手への配慮を示しましょう。

4. 感謝を伝える

場面にも寄りますが、相手の期待や申し出に感謝を示しつつ断りましょう。例えば、「私のことを考えてくれてありがとうございます。でも、今回は難しいです。」

5. 練習する

鏡の前や信頼できる友人と一緒に「NO」を言う練習をすることも有効です。実際の場面を想定して練習しましょう。

6. フィードバック

実際に断ることができたら、その結果どうなったか振り返りましょう。例えば、「断っても何事も起こらなかった」「肩の力が抜けて楽になった」などです。

AUTHOR

石上友梨

大学・大学院と心理学を学び、心理職公務員として経験を積む中で、身体にもアプローチする方法を取り入れたいと思い、ヨガや瞑想を学ぶため留学。帰国後は、医療機関、教育機関等で発達障害や愛着障害の方を中心に認知行動療法やスキーマ療法等のカウンセリングを行いながら、マインドフルネスやヨガクラスの主催、ライターとして活動している。著書に『仕事・人間関係がラクになる「生きづらさの根っこ」の癒し方: セルフ・コンパッション42のワーク』(大和出版)がある。

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