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2024.06.25

「LDL(悪玉)コレステロール」が高めと言われた時に振り返りたいポイントは|管理栄養士の視点から

ヨガジャーナルオンライン

健康診断の結果が返ってきた!よくよく見ると、LDLコレステロールが高めかも…?と思った方はいらっしゃいますか?LDLコレステロールは、別名「悪玉コレステロール」と呼ばれており、高い状態を放置すると動脈硬化のリスクにつながります。 今回はLDLコレステロールの基礎知識から、気になったときに振り返りたいポイントについて管理栄養士の視点から解説します。

LDLコレステロールとは

コレステロールは血液中を流れている脂質の一つです。

LDLコレステロールはその中の一種で、肝臓で作られたコレステロールを全身に運ぶ働きを持っています。
LDLコレステロールは基準値内であれば問題ありませんが、血液中で増えすぎてしまうと血管の壁に層を作ってしまい、動脈硬化につながるため、注意したい項目の一つです。

基準値は140mg/dL未満で、これを超えると高LDLコレステロール血症と診断されます。

HDLコレステロールとの違い

LDLコレステロールは肝臓で作られたコレステロールを全身に運ぶ働きをしているのに対し、HDLコレステロールは増えすぎたコレステロールを回収し肝臓へ戻す働きをしています。
その働きによって動脈硬化を抑える働きがあるため、「善玉コレステロール」とも呼ばれています。

低HDLコレステロール血症の診断基準は、40mg/dL未満です。HDLコレステロールを増やすには、食事や運動、喫煙習慣などの見直しが必要だと考えられています。

LDLコレステロールが気になったときの振り返りポイント

健康診断の結果からLDLコレステロールが気になったとき、以下のポイントに該当するものがないか確認してみましょう。

肉の頻度が多くないか

肉に含まれる脂には、LDLコレステロールを増加させる飽和脂肪酸が多く含まれています。
脂質の多い部位やベーコン、ソーセージなどの加工肉の食べる頻度や量を確認してみましょう。

菓子パンや洋菓子などの頻度が多くないか

菓子パンやケーキなどに含まれていることが多いマーガリンやショートニング、加工油脂などには、トランス脂肪酸が含まれています。
トランス脂肪酸も飽和脂肪酸と同様、LDLコレステロールの増殖に影響しています。

牛乳・乳製品をとりすぎていないか

牛乳やバター、クリーム、チーズなどの乳製品には、LDLコレステロールを増加させる動物性脂肪が多く含まれています。
食事バランスガイドでは、牛乳・乳製品の適量が示されていますので、自分の摂取量が多すぎていないか確認してみましょう。

その他

エネルギーをとりすぎで肥満となっている場合は、エネルギー量を適量にすることも大切です。

揚げ物などの脂質の多いメニューを頻繁に召し上がる方は、脂質の摂取量が多いです。
お酒をよく飲んでいる方は、アルコールやおつまみによるエネルギー過多の可能性もあります。

また、コレステロールを多く含む食品のとりすぎにも注意が必要です。魚卵やレバーが好きな方は気をつけましょう。

できることからはじめよう

LDLコレステロールを下げるには、前述したポイントを確認し、とりすぎているものは控えめにするよう心がけましょう。

野菜、海藻、きのこ類に多く含まれる食物繊維はLDLコレステロールを下げる働きがあります。
大豆・大豆製品に含まれるレシチンにも同様の働きがあるため、これらの食品は意識してとりたいですね。
また、青魚やオリーブオイルに含まれる不飽和脂肪酸もLDLコレステロールを下げる働きがあります。

肉を魚に変えたり、バターをオリーブオイルで代用したりと、できることから始めてみましょう。

【参考文献】

正しい知識で健康をつくるあたらしい栄養学|吉田企世子、松田早苗監修、髙橋書店

栄養素の通になる第5版|上西和弘、女子栄養大学出版部

改訂6版臨床栄養ディクショナリー|伊藤孝仁、メディカ出版

厚生労働省|「LDLコレステロール」、e-ヘルスネット(閲覧日:2024年5月31日)

厚生労働省|「HDLコレステロール」、e-ヘルスネット(閲覧日:2024年5月31日)

農林水産省|「『食事バランスガイド』の適量と料理区分」、農林水産省(閲覧日:2024年5月31日)

AUTHOR

宮﨑奈津季

管理栄養士、離乳食アドバイザー、薬膳コーディネーター。 介護食品メーカーで営業を2年間従事した後、独立。料理動画撮影やレシピ開発、商品開発、ダイエットアプリの監修、栄養価計算などの経験あり。 現在は、特定保健指導、記事執筆・監修をメインに活動中。一児の母。

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