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2024.03.23

飲みすぎた翌日を乗りきる秘策。二日酔いをやわらげるツボ・内関[ないかん]【からだ緩める経穴百科】

kencom公式:鍼灸師・shirayuki

東洋医学では、皮膚表面と内臓を結ぶ情報伝達系のルートを経絡(けいらく)と呼び、その上の特定の場所を経穴(けいけつ)=ツボと呼びます。ツボは、全身に存在していて、身体の表面で変化が現れやすいポイント。WHO(世界保健機関)に認められているツボだけでも361穴。そのツボを刺激する事で症状を改善、または予防にも効果が期待できます。

本連載『からだ緩める経穴百科』では、鍼灸師のshirayukiさんに心と身体の悩みを解消するツボを伝授してもらいます。

内関[ないかん]二日酔いをやわらげるツボ

お酒を飲みすぎた翌日、気持ちが悪くなって吐き気がしたり、頭痛がしたりするのが二日酔いです。

お酒を飲むと、体内に入ったアルコールが肝臓でアセトアルデヒドという成分に分解されます。しかし、お酒に強くない体質の人や、大量に飲酒をした人は、アセトアルデヒドの分解に時間がかかって体内に蓄積してしまうことに。二日酔いはこれが原因だといわれています。

©️shirayuki

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位置:手首の付け根のしわから指3本分、腕の中央
効果:二日酔いによる吐き気を緩和

せっかく楽しくお酒を飲んでも、二日酔いで翌日がつらいのは好ましくありません。飲みすぎないことや、休日の前日に飲むことがよりよいといえますが、二日酔いで仕事をしなくてはならない日などに試してみてください。リラックスしている時に行うと、より効果的です。

手をグーにして力を入れると、手首に筋が浮き上がりますので、筋に当たらないように親指側に気持ちいい箇所を探してください。反対側の手の親指で息を吐きながら押し、吸う時にゆっくり親指を離してください。

自分でツボ押しする前に知ってほしい3つのこと

Adobe Stock

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痛いところをさすったり押したりすることで、身体が楽になった経験がある方もいるかもしれません。そんな経験の積み重ねから生まれたのが現代のツボ療法です。

今から2000年以上前の中国では、身体の調子が悪い時に患部をさすったり、魚の骨で押したり、太陽の光で温められた石を乗せたりしていました。そのうち、どの部位を押せばどの症状が緩和するのか分かってくるように。昔の人たちは少しずつ、体のどこに何のツボがあるかを発見していったのです。まだメカニズムがわかっていないことも多いのが現状ですが、現在はWHOに361のツボが認められており、世界で研究されています。

1. 基本の押し方は、気持ちいい

1箇所につき3〜5秒を押すのを5回繰り返すのが基本です。息を吐きながら押し、吸う時にゆっくりと指を離してください。

2. 自分がリラックスできる環境で

ツボを押す時には、自分がリラックスできる環境を整えましょう。例えば、お風呂上がりに身体が温まり、好きな音楽を流しながら。身体の力が抜ければ、より深くアプローチできます。

3. 押しすぎ注意!

グリグリと強くツボを押すのはNGです。気持ちいいと感じる程度の強さで押してください。左右にある場合は押し比べて痛みが強い方をメインにしましょう。感覚が分かりづらい時は両方押しても構いません。

※本連載では、身体の悩みに関わるツボをご紹介します。身体の不調には重篤な病気が潜んでいる場合もあります。不調が長引くときには自己判断せず、早めに医療機関を受診しましょう。

記事情報

引用・参考文献

『WHO/WPRO標準経穴部位 日本語公式版』WHO西太平洋地域事務局・著 第二次日本経穴委員会・翻訳 ‎ 医道の日本社

形井 秀一, 篠原 昭二, 坂口 俊二, 浦山 久嗣, 河原 保裕, 香取 俊光, 小林 健二 . WHO経穴部位国際標準化の経緯と今後 . 全日本鍼灸学会雑誌 . 2007年 , 57巻 , 5号 , p.576-586.

著者プロフィール

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shirayuki(しらゆき)
鍼灸師
名古屋で美容・抗加齢に特化した鍼灸院を経営。美容と健康は比例関係にある!という考えから鍼の可能性を日々追求し、全国から20代から70代までの幅広い層から支持されている。SNSでは鍼灸・東洋医学の魅力を日々発信中。

制作

文・イラスト:shirayuki

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