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2024.02.09

どうして食べ過ぎてしまうの?ストレスと暴飲暴食の関係と今日からできること|臨床心理士が解説

ヨガジャーナルオンライン

ストレスが溜まると食べてしまう人は多いと思います。例えば、甘いものやジャンクフードなど、食べ過ぎると健康に良くないものばかり食べてしまいませんか?それが一時的なものなら良いですが、毎日のこととなると健康への影響が大きくなります。今回はストレスと暴飲暴食の関係を解説します。

ネガティブな気持ちを感じないために「食べる」

不安やイライラ、孤独感や落ち込み等、ネガティブな感情を感じないために食べてしまう場合があります。食べている間は意識が食べ物や胃腸の感覚に向くので、ネガティブな感情を感じなくて済みます。しかし、私たちは永遠に食べことはできません。そのため、食べ終わったらネガティブな感情が再び襲ってきます。そして、食べる対処は一時凌ぎに過ぎません。食べることで抱えている不安やイライラ、孤独感の原因は解決しない場合がほとんどです。また、食べてしまった後悔から、余計に落ち込んでしまう場合があります。食べることは私たちにとって欠かせない毎日の活動の一つです。このような毎日のルーティンと関連したストレス解消は手軽な分、意識的に変えない限り継続しやすくなります。

ストレス解消法は長期的な視点を持つ

食べることがストレス解消法として上手に機能している場合もあります。例えば、食べることで気持ちが満たされて、ストレスが軽減し、食べた後に後悔をしていないのなら立派なストレス解消法です。しかし、食べたことを後悔してしまうなら、他のストレス解消法を見つけた方がいいでしょう。ストレス解消法は長期的な視点を持つことが大切です。ストレス解消法をやっている間の効果だけではなく、その前後を含めて効果的か振り返りましょう。例えば、ストレス解消法をやる前にワクワクはありますか?例えば、「明日はヨガのクラスがある!」と、ストレス解消法の予定が入っているだけで、楽しい気持ちになる、やる気が出ればより良いストレス解消法だと言えます。また、やる前に多少の億劫感があっても、やった後にすっきりしたり、達成感があれば、効果的なストレス解消法です。そして、要注意なものは、やる前はワクワクして、やっている間は気持ちが改善したとしても、後から後悔をしたり罪悪感を感じたりするものです。その後悔が強いことで、「やらなきゃよかった」とぐるぐる考えてしまうのなら、その方法は見直しましょう。

食生活を大切にしよう

ニューヨーク州立大学の健康・ウェルネス研究学部の研究では、「30歳以上の男女で、食事内容と気分障害は関連があること」「質の良い食事がメンタルヘルスを改善する可能性があること」そして、「女性は男性よりも、メンタルヘルスが食事の影響を受けやすいこと」が分かりました。ストレス解消のために、暴飲暴食や不健康な食生活を続けていると、特に女性は精神的苦痛のレベルが上がりやすくなります。そして、ストレス解消のためにやっていることが新たなストレスになってしまうかもしれません。女性の方ほど、「バランスの良い食事を取る」「身体に良いものを食べる」「自分のために丁寧に料理をする」など、食生活を大切にして、取り入れやすいところから始めてみましょう。

参考:

AUTHOR

石上友梨

大学・大学院と心理学を学び、心理職公務員として経験を積む中で、身体にもアプローチする方法を取り入れたいと思い、ヨガや瞑想を学ぶため留学。帰国後は、医療機関、教育機関等で発達障害や愛着障害の方を中心に認知行動療法やスキーマ療法等のカウンセリングを行いながら、マインドフルネスやヨガクラスの主催、ライターとして活動している。著書に『仕事・人間関係がラクになる「生きづらさの根っこ」の癒し方: セルフ・コンパッション42のワーク』(大和出版)がある。

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