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2024.01.16

「イライラしない人」の特徴とは?臨床心理士が教える、イライラの原因と対処法をご紹介

ヨガジャーナルオンライン

「イライラして家族に八つ当たりしてしまった」「イライラしてお菓子を食べ過ぎちゃった」というように、イライラによる行動で後悔する人は少なくありません。どうすればイライラしなくて済むのでしょうか。今回はイライラの原因と、イライラしない人の特徴を解説します。

イライラの原因は「思い通りにならない状況」

イライラの原因は思い通りにならない状況です。特にイライラする状況を3つ見ていきましょう。

1)心や身体が思い通りに動かない

ケガや病気で自分の心身が思い通りに動かないと、私たちはイライラし始めます。

特にストレスによる心身の不調は、目に見えるダメージがない分、いつものように動けないことが納得できず、イライラが募りやすくなります。

2)理想の人生が得られていない

「理想の人生」を歩めていないという感覚も、イライラの原因となります。

理想の人生が得られない背景には、

・他者の理想に何となく合わせている

・漠然と「幸せになりたい」と思うが、具体的なイメージはない

・理想が高すぎて何から始めればいいかわからない

といった状態だからかもしれません。

さらにSNSを見ると、周囲の人たちは思い通りのキラキラした人生を送っているように見えます。それが一層イライラや焦りを募らせます。

3)「今の自分」以外をコントロールしようとする

私たちがコントロールできるのは「今」や「自分」だけです。

それなのに、

・「過去」の出来事を変えようとする

・誰にもわからない「未来」にこだわる

・「他人」を思い通りにしようとする

など、どうにもできないことをコントロールしようとしてうまくいかず、イライラしてしまいます。

イライラしない人の4つの特徴

ここからは、イライラしない人の特徴を4つ見ていきましょう。

1)「今の自分」をしっかりメンテナンスする

私たちが最も自由にコントロールできるはずの「今の自分」も、日頃から雑に扱っていると不調が起こり、いざというときに思い通りに動かせなくなります。

イライラしない人は、「今の自分」をつくる「心身」「生活環境」「人間関係」のメンテナンスを怠りません。

■心身の調子を整える

・ヨガやストレッチでリラックスする

・整体で身体の歪みを緩和する

・病院で必要な治療を受ける

■生活環境を整える

・気候や好みに合った衣類を着る

・栄養バランスの良い食事を摂る

・適度に清潔な住居で過ごす

■人間関係を整える

・「今の自分」の負担になる人と距離を取る

・大切な人に思える人を尊重する

これらが整っていると、「今の自分」をコントロールしやすくなり、イライラが軽減します。

2)「理想の人生」に必要なものがわかっている

イライラしない人は、自分の「理想の人生」に必要な3つの要素を理解しています。

1)「理想の人生」の具体的イメージ

理想の人生を具体的にするために、次のような質問を自分に投げ掛けてみましょう。

・自分のお葬式で、参列者からどんな風に話されていたいですか

・宝くじで1億円当たったら何に、誰と、どんな風に使いたいですか

・自分が尊敬する人のどんなところに憧れていますか

2)「理想の人生」に必要なもの

理想の人生が具体的になったら、実現に向けて必要なものをピックアップします。

例えば、

・健康

・時間

・お金

・スキル

・人脈

…などが挙げられるかもしれません。

3)必要なものを得るために「今」できる行動

「理想の人生」に必要なものを得るために、今できる行動を検討します。

例えば、「健康」を得るために「毎日15キロのランニング」は、今すぐやるのは難しそうです。しかし、「その場でスクワット10回」や「ジムへの申し込み」なら、今できるかもしれません。

少しでも、理想の人生に向かって自分をコントロールできる実感が得られれば、他者と自分を比較してイライラすることも減ります。

3)自分と他者を意識的に分ける

イライラしない人は、意識的に「自分」と「他者」を分けています。

例えば、他者の行動や感情を「自分が何とかすべき」とは捉えません。ずっと不機嫌で舌打ちしている人がいても、機嫌をとることはありません。赤ちゃんや小さな子どもならまだしも、大人である以上、その人の行動や感情はその人自身が何とかすべきだと考えるからです。

他者の行動や感情の責任を背負い込まないことで負担が減りますし、機嫌を取ってほしい人は近づいてこなくなります。その結果、イライラすることが減ります。

4)自分にできないことは助けを求める

イライラしない人は、「自分にできないことはできる人に任せよう」と考えます。

「今の自分」のスキルやキャパシティを理解し、超えた部分を背負い込まないため、思い通りにいかずにイライラする機会が減らせます。

もちろん、今の自分にできることに関しては、他者からの助けを求める声にも積極的に応じます。お互いに助けを求めやすい環境を整えておくのです。

AUTHOR

佐藤セイ

公認心理師・臨床心理士。小学生の頃は「学校の先生」と「小説家」になりたかったが、中学校でスクールカウンセラーと出会い、心の世界にも興味を持つ。大学・大学院では心理学を学びながら教員免許も取得。現在はスクールカウンセラーと大学非常勤講師として働きつつ、ライター業にも勤しむ。気がつけば心理の仕事も、教える仕事も、文章を書く仕事もでき、かつての夢がおおよそ叶ったため、新たな挑戦として歯列矯正を始めた。

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