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2024.01.04

【お正月うつ対処法】新年なのにやる気が出ない…気分がシャキッとし心が安定する「8カウント呼吸法」

ヨガジャーナルオンライン

ビジネスマンとして多忙を極めていた頃、無理が重なりうつ病と診断された経験を持つ、40代ヨガ講師・吉本憲太郎さんによる連載。ヨガに出合い、本来の自分を取り戻した経験から、心の痛みに寄り添える吉本さんの視点で、働く世代の心が軽くなる物の見方、考え方をアドバイス。実体験をもとに効果を感じた、体から心にアプローチする「お悩み解消ワーク」も紹介します。

無理に新年の気運に乗っからず、自分の欲求に従順に

――年が明けると「心機一転がんばろう!」と周りはやる気モード一色。だけど、新年の目標を聞かれても特に思いつかず、浮足立つ雰囲気に気後れする人もいます。いつも通りではダメですか?

「新年は気持ちを新たにする良いタイミングではあるけど、やる気の持ちようは人それぞれなので良い悪いでジャッジする必要はありません。やる気が出ない人は新年というワードや目標を立てることが自身にプレッシャーを与えている場合があるので、無理に自分を奮い立たせるのをやめてみましょう。そして年明けに気持ちのピークを作らず、毎日が新しい一日のスタートと思い新年を淡々と過ごしてみてはどうでしょうか。

周りと自分の間に生じるこうした違和感に気づけたのはむしろ幸運で、違和感を無視して周りに合わせて走り続けると何も感じなくなるか、感じてはいけないと思うようになります。結果、やる気が出ない状態がデフォルトになり、いずれポキッと心が折れて大きなダメージを負う可能性があります」

――違和感に気づいたら、その先はどうすればいいですか?

「自分が今、何を感じているのか欲望に従順になってみましょう。欲に優劣をつけず我慢しない、無理にテンションを上げない、周りに合わせない、代わりに心底欲しているものに目を向けてその欲に素直に従ってみる。実際に行動して『やれた』という達成感を積み重ねると自信が生まれ、次の行動意欲につながります。新年だから高い目標を立てる必要はなく、小さくても自分の内側からわき上がる純粋な欲求の実現に意識を向けてみて」

現状維持は努力の賜物。続けた先に変化は訪れる

――世の中には「現状維持は衰退の始まり」という価値観もあり、より高い目標を見据えて去年の自分を超えていかないといけない雰囲気を感じます。

「ヨガでは苦行を意味する”タパス”という言葉がありますが、僕はタパスを自己規律と捉えていて、自分が決めた物事をやり続けることだと思っています。たとえば、『朝起きたら鏡を見て自分に笑顔でおはようと言う』と決めたらそれをやり続ける。同じことを続けるのは現状維持とも言い換えられますが、実は意外と難しく飽きてやめてしまうこともあります。でも、続けていくと自分の機嫌に関わらず周りの人にも笑顔でおはようが言えるようになるなど、何かしらの変化が見えてくるものです。そう考えると、現状維持は衰退とは言い切れないはず。やる気が出ないときは、無理なくやり続けられるタパスを決めて実行してみるのもいいかもしれません」

気持ちにスイッチを入れる「8カウント呼吸法」

8カウントで息を吸って・吐くことで体幹筋の一つである横隔膜を刺激し、体幹を強化して姿勢をシャキッとさせるとスイッチがオンに。また呼吸を続けると自律神経のバランスが整い、気持ちの安定につながります。

8カウント呼吸法

目的と効果:体幹筋を強化して姿勢を正し、体からアプローチして気持ちを上向きに整える。 

1.仰向けになり両膝を立てる。腰が反り過ぎないように、おへその裏に片手の指5本を入れてスペースを確保。肋骨、ウエスト、腰の前側の骨をおへそ側に引き寄せる感覚を持ちつつ、8カウント数えながら息を吸う。

2.下腹部が引き締まる感覚を維持したまま、8カウント数えながら息を吐く。3回繰り返す。

〈プロフィール〉吉本憲太郎さん 

ヨガ指導者、「..with THE CLEAR YOGA」主宰。会社員を経て、自分が苦しんだ経験を含めヨガの魅力を伝えるべく、ヨガ指導者の道へ。熊本にオープンした自身のヨガスタジオでは、ビギナークラスからOMYOGA認定校として指導者養成講座(全米ヨガアライアンスRYT200)も開催。月に一度の屋外クラスでは、ドネーションを募り熊本の自然環境保護団体に寄付している。https://with-the-clear-yoga.jp/、Instagram:@kentarouyoshimoto

取材・文/北林あい
撮影/長谷川梓

AUTHOR

ヨガジャーナルオンライン編集部

ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。

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