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2023.11.10

その不安の理由は【呼吸の質が悪い】せいかも!ストレスに左右されないための「呼吸筋ストレッチ」

ヨガジャーナルオンライン

私たちが生きていくために欠かせない呼吸。「呼吸法」というと言葉を聞いたことがある人も多いと思いますが、「どんな呼吸法がいいのだろう?」と考える前に、まずは「呼吸できる体」を作ることが大切です。感情とも密接に関係している呼吸。肺の機能を助け、気分の安定にもつながる「呼吸筋ストレッチ」の提案です!

呼吸できる体をつくろう!

呼吸のメカニズム

呼吸は、生命維持のためのエネルギー代謝として、必要な空気中の酸素を取り入れ、代謝産物として二酸化炭素を排出する活動です。

空気の出し入れを担っている肺は、自力で膨らんだりしぼんだりすることはできません。横隔膜や肋間筋、腹部、背部、首の筋肉など20種類以上の呼吸を補助する筋肉が連動することで、肺は膨らんだりしぼんだりしています。

息を吸うときに胸郭を広げる筋肉を吸息筋、息を吐くときに胸郭を縮める筋肉を呼息筋と呼び、これらの呼吸筋の状態が肺の活動に大きく影響します。呼吸筋を整えて深い呼吸ができる体を作ることが重要なのです。

呼吸と不安の関係性

昭和大学名誉教授・医学博士で呼吸神経生理学が専門の本間生夫(ほんま・いくお)氏の研究によると、「心理的な変化、特にネガティブな情動である不安によって呼吸は影響を受ける」ということが実証されています。感情の変化に伴って呼吸は変化するし、呼吸の変化に伴って感情も変化すると考えられているのです。

私たちの感情とも密接な関わりがある呼吸。呼吸できる体作りで呼吸の質を改善すれば、気分の安定も図っていくことができそうです。

呼吸の質を上げる「呼吸筋ストレッチ」

①椅子に腰掛け、脚を大きく開き、右ひじは曲げて後頭部にあてて天井方向に引き上げます。

②体を左に倒し、右脇腹を伸ばしましょう。左手で右ももを軽く下に押し下半身を安定させると、体側の伸びをさらに深めることができます。

ポイント:ゆっくり息を吐きながら、右の肋間が広がる感覚や、肺が膨らむ感覚を意識しましょう。

③右脇を伸ばしたまま左手で右の脇付近に触れ、肋骨(あばら骨)の間に指をあてながらゆっくりさすります。

ポイント:実際に自分の体に触れることで、神経がリラックスしやすくなると言われています。息を吐きながら、優しくマッサージしましょう。

④息を吐きながら、右ひじを左方向に移動させて背中全体を丸めます。

⑤息を吸いながら、右ひじを元に戻し、さらに後ろに引くようにして胸を開きます。

⑥手を入れ替えて同様に動かしましょう。

ポイント:肋骨は左右だけでなく、上下・前後と立体的に動きます。ねじりの動きを加えることで背骨がしなやかに動き、さらに呼吸の補助筋のひとつである僧帽筋(背部)なども同時に動かすことで、より一層呼吸の深まりが期待できます。

動画はこちらからご覧ください

AUTHOR

2002年、留学先NYのバレエスクールの授業でヨガに出会う。厳しいプロ生活で心身を壊したことをきっかけにヨガは欠かせないライフワークに。自身の経験から、「自分に安心できる感覚と自分への愛おしさを取り戻す」をモットーにレッスンを展開。 解剖学に基づく効果的なシークエンス構成と 誰にでもわかりやすいインストラクションに定評がある。日米指導歴14年・バイリンガル講師・RYT500。オンライン&対面レッスン、指導者養成のほか、ヨガ関係の通訳・翻訳も行う。

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