最近よく聞くGLP-1ダイエットってなに？【医師が解説！健康Q&A】

世の中に星の数ほどある健康に関する情報。何が本当で、何が嘘？よくある健康に関する疑問について、kencom監修医の石原先生に聞きました。あなたの健康知識をアップデートして、生活習慣に取り入れましょう！

GLP-1ダイエットとは、血糖を下げる作用を持つ糖尿病の治療薬GLP-1受容体作動薬を使ったダイエットのことをいいます。

この薬はもともと糖尿病の治療薬ですが、使用すると体重が減るという臨床試験結果が出たことから、肥満症の治療薬としても活用されるようになりました。現在肥満の治療には、ウゴービという商品名のGLP-1受容体作動薬の注射が使用されています。

ただ、使用することが出来るのは、BMIの指標が35以上という高度の肥満の人や、27以上の中等度の肥満で、かつ糖尿病等の病気がある人のみです。しかも、この薬には低血糖や急性膵炎などの副作用もあり、医師の管理のもとで慎重に使用する必要があります。

簡単に痩せられそうだからと、ネット等で取り寄せて使うのはとても危険です。決して安易な個人判断では使用しないようにしてください。

石原藤樹（いしはら・ふじき）先生
1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科（内分泌内科）助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。2015年8月六号通り診療所を退職し、北品川藤クリニックを開設、院長に就任。著書に「誰も教えてくれなかったくすりの始め方・やめ方-ガイドラインと文献と臨床知に学ぶ-」（総合医学社）などがある。

文：kencom編集部