2019.07.18
たるんだ身体が楽しく引き締まる!格闘技ダイエット・初級技術編
せっかくダイエットするならば、単に体重を落とすよりも理想のプロポーションを作りたいもの。
身体が引き締まっていれば、日々のパフォーマンスも知らず知らずのうちに上がってくるものです。
全身の引き締めに役立つ格闘技トレーニングをスクランブル渋谷ジムの増田博正会長に教わりました。
繰り返しているうちに、スッキリした身体に変わっていくのを感じられますよ。
テクニックの練習過程で身体はどんどん引き締まる
正確なフォームを学ぶと全身が鍛えられる
どんなトレーニングでも同じですが、ただ漫然と重りを持ち上げたりサンドバッグを叩いたりしていても、成果はなかなか現れません。むしろケガなどで逆効果になることもあります。
もちろんストレス解消を目的としているならいいのですが、せっかくですから正確なフォームを身につけましょう。
正しいフォームには、ケガの予防に加えて、全身の筋肉の連動をスムーズに行えるようになるという利点もあります。全身を動かせるようになればそれだけ代謝も上がりますし、筋肉に沿って身体もシェイプアップされてきます。
特にキックボクシングは蹴りのおかげでお尻からふくらはぎまで脚の裏側の筋肉を満遍なく使うので、脚やせにもピッタリ。
パンチも、正確にナックルを返すことで肩こり解消につながります。肘打ちもやれば肩甲骨周辺の筋肉まで使えるので、より肩こり解消につながりますよ。
時間を区切って追い込むことで心肺機能も強化
格闘技トレーニングのもう一つ良いところは、最大3分程度で時間を区切りながら練習することで、心肺機能を高められる点。
途中で疲れても時間内に動き続けることで、心拍数を適度に上げることができます。これは例えると50mダッシュ走に近い感じ。
心拍数を上げることによって脂肪燃焼率を上げられるので、短時間しか取れない忙しい人にこそ行ってもらいたいダイエット法です。
これから紹介するトレーニングも、全て時間内で精一杯頑張るものばかり。最初は書いてある時間通りにできなくても構いません。
だんだん伸ばしていって、3分間、全力で動けるようになる頃には身体はスッキリしているはずですよ。
格闘技の基本動作で燃費の悪い身体を作り出せ!
では、実際にジムで教える、心肺機能を高めつつ、テクニックを身につける練習方法をご紹介します。
ポイントは、焦らずしっかりと動きを身体に身につけさせること。
今回は、室内でも十分できる練習のみをピックアップしました。
心肺機能を高める踏み台昇降運動
小学校の体力テストなどでよく行われる踏み台昇降運動ですが、その効果は侮れません。短時間で心拍数を高められるので即運動できる状態を作れますし、何より第二の心臓と呼ばれるふくらはぎをしっかりと鍛えることができるからです。
しっかりと姿勢を保って行うことで、猫背予防にもなりますよ。
①40cmくらいの台(家庭用の低めのイスでOK)の前に背筋を伸ばして立つ。
※イスは転倒しないよう安定したものを使うこと。ない場合は階段を2段飛ばしで行うと良い。
②背筋を伸ばしたまま右足を台にかける。
③右足で踏ん張って、左足を台の上まであげて足を揃える。
※台の上に乗った際、お腹を突き出すようなイメージを持つと、背中が丸まらない。背中が丸まりやすい方は実際にお腹の位置に手を持っていって確認しながら行ってみること。
④右足から台の下に足をつき、身体を台から下ろす。
⑤1分程度行ったら、今度は左足で行う。左右合計で2分行うこと。
足先から拳までを連動させる連続パンチ
次はあらゆる格闘技で使われるパンチの練習です。多くの場合、手だけで叩いているように見えますが、実はパンチは全身運動。足先から作った力を拳にまで伝わらせることで強いパンチが打てるようになります。
この練習ではその基礎である、足とパンチの連動を練習してみましょう。特に注意すべきは肩に力が入らないようにすること。肩に力が入るほど力は伝わりにくくなります。
①両足を肩幅に開き、母指球側に体重を乗せる。両腕は軽く畳んで肩の高さに拳が来るようにする。
②左かかとを少しあげたら母指球を中心に外へ回す。
③かかとを回したことで右に回った身体の力を使って、左拳を手首から放り投げるように出す。その際、最後に手首を返すようにすること。
④左かかとと左拳を元の位置に戻したら、今度は右かかとを母指球を中心に外側へ回す。
⑤左に回った身体の力を使って、右拳を手首から放り投げるように出す。そのまま左右交互に繰り返す。20秒ワンセットで、3セット。
脚の可動域も広がる連続膝蹴り
最後は脚の柔軟性を高めつつ、蹴りの威力もあげる練習です。年を取ってくると硬くなりがちな股関節周りをほぐすのにぴったりなのがこの運動です。
膝を高くあげることで、高い位置への蹴りも出しやすくなります。また、リズミカルに動くことでテンポよく身体を動かすコツも掴めますよ。
①壁に両手を伸ばしてついたら、一歩両足を後ろに下げる。
②右足を大きく後ろに引く。
③右膝を胸につけるつもりで引き上げる。
④右足を元の位置に下ろすと同時に左足を引き上げる。
⑤左膝を胸につけるつもりで引き上げる。リズミカルに②〜⑤を1分繰り返す。脚の入れ替えはスキップするように行うとやりやすい。
繰り返し行うことで、メリハリボディに!
今回紹介した3つのトレーニングは、まさに全身運動と言えるもの。最初のうちはかなりきついと思いますが、ゆっくりでも良いので繰り返すことで、うまく身体を動かすコツが見えてくるはずです。
時間もとりませんから、仕事の合間や、帰宅後にサクッと行うといいですよ。
さらにハマってきたら、ジムなどで本格的に鍛えてみましょう!
■ぷにょ腹を撃退する体幹引き締めトレーニングはこちら!
著者プロフィール
■増田博正(ますだ・ひろまさ)
スクランブル渋谷ジム会長・トレーナー。元全日本キックフェザー級王者、元J-NETWORKフェザー級王者、元全日本キックライト級王者、元WPMF世界ライト級チャンピオン、元ラジャダムナンスタジアム・ライト級8位と日本のキックボクシング界を引っ張ってきた立役者の一人。個々人に合わせた指導は初心者からプロにまで定評がある。また、読書家としてブログで書評も書くなどマルチに活躍中。
(写真/村上タケシ)