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2022.09.15

運動習慣はコロナ予防に役立つか【kencom監修医・最新研究レビュー】

kencom監修医:石原藤樹先生

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運動が健康にいいというのは周知の事実ですが、運動習慣がコロナ対策にもなるという調査があるのだそう。

今回ご紹介するのは、British Journal of Sports Medicine誌に、2022年8月22日ウェブ掲載された、新型コロナウイルス感染症に対する運動習慣の有効性についての論文です。

▼石原先生のブログはこちら

運動習慣があるとコロナに罹りにくい?

適度な運動習慣は免疫力を高め、トータルな体力も増強しますから、それが感染症に対しても予防的に働くことは、その理屈から言えば充分考えられることです。

それでは、運動習慣のある人の方が、新型コロナウイルス感染症にも罹り難く、重症化もしにくい、ということはあるのでしょうか?

運動習慣の有無とコロナ感染重症化リスクの関係を検証

今回の研究はこれまでの主だった臨床データを、まとめて解析するメタ解析ですが、これまでの16の臨床研究に含まれる、トータルで1853610名のデータをまとめて解析しました。

すると、定期的な運動習慣を持っている人はいない人と比較して、新型コロナウイルス感染症の感染リスクが11%(95%CI:0.84から0.95)、入院のリスクが36%(95%CI:0.54から0.76)、重症化のリスクが34%(95%CI:0.58から0.77)、施行のリスクが43%(95%CI:0.46から0.71)、それぞれ有意に低下していました。

運動はコロナ予防にも有効

運動習慣を持つことは、新型コロナウイルス感染症の感染予防や重症化予防に対しても、かなりの有効性があると考えて良いようです。

▼参考文献

<著者/監修医プロフィール>

■石原藤樹(いしはら・ふじき)先生
1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。2015年8月六号通り診療所を退職し、北品川藤クリニックを開設、院長に就任。2021年には北品川藤サテライトクリニックを開院。著書多数。
・略歴
東京医科大学地域医療指導教授/日本プライマリ・ケア連合学会会員/医師会認定産業医/医師会認定スポーツ医/日本糖尿病協会療養指導医/認知症サポート医
・発表論文
-Differential metabolic requirement for initiation and augmentation of insulin release by glucose: a study with rat pancreatic islets. Journal of Endocrinology(1994)143, 497-503
-Role of Adrenal Androgens in the Development of Arteriosclerosis as Judged by Pulse Wave Velocity and Calcification of the Aorta. Cardiology(1992)80,332-338
-Role of Dehydroepiandrosterone and Dehydroepiandrosterone Sulfate for the Maintenance of Axillary Hair in Women. Horm. Metab.Res.(1993)25,34-36