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2022.08.19

電子レンジだからできる!ヘルシー&具材ごろごろカレー【電子レンジ活用レシピ】

kencom公式:管理栄養士・前田 量子

調理科学に基づいたロジカルレシピが人気の料理家・前田量子さんによる、電子レンジ大活用レシピ。

カレーはお鍋でコトコト煮込むのが当たり前!? 実は電子レンジでつくると油を使わないからヘルシーに、しかもCMみたいな野菜がごろごろ入ったカレーが作れるんです。

知ったら一度作ってみたくなる、電子レンジだけで作るカレーのレシピです。

電子レンジだからできる!ヘルシー&具材ごろごろカレー

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【材料(2人分)】

豚薄切り肉 150g
じゃがいも(メークイン) 200g(約2個)
人参 100g(約1/2本)
玉ねぎ 50g(約1/4個)

顆粒コンソメ 小さじ1(コンソメがない場合は塩1.2g+胡椒少々)

水 300ml

市販ルー 2.5~3皿分
※メーカーによって量が変わります。
箱裏レシピで水350~380ml相当のルーを目安にし、最後に水で調整してください。

ご飯 お好みの量

主な栄養素

エネルギー 673kcal
タンパク質 19.6g
脂質 15.3g
炭水化物 110.7g
ビタミンB1 0.65mg
ビタミンB6 0.5mg

※ごはんは200gで計算しています。
※使用する市販のルーによって多少変動があります。
※豚薄切り肉はもも肉で計算しています。

作り方

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1.豚肉はドリップがあればふき取り、3~4cm幅に切る。玉ねぎは薄切り、じゃがいもは大きめの角切り、人参は乱切りにする。

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2.耐熱ボウルに1を加える。この時、豚肉がくっつかないようにほぐしながら入れる。
上からコンソメ顆粒を振り入れ、水50mlを加え、ラップをして600Wの電子レンジで12分30秒加熱する。

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3.2を取り出して刻んだ市販ルーを端っこに加え、2~3分ほど放置する。ルーがやわらかくなったら混ぜ込んで溶かし、残りの水250ml(300ml - 50ml)を加えて全体を混ぜる。

4.残りの水分に対して100mlあたり1分半加熱する。この場合250mlなので、600Wで3分45秒加熱する。

5.取り出して全体をよく混ぜ、さらに2〜5分加熱しとろみを安定させる。

このレシピの4ポイント

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ポイント1.火が入りにくい食材の調理時間は100gあたり2分30秒

電子レンジ調理は時短になり、火を使わないため特に暑い夏には心強い味方です。
しかし電子レンジの欠点は、一度入れてしまうとどのくらい加熱されているか分からず、加熱時間で悩んでしまうことです。

時間を割り出すには重さを計ることがとても重要になります。
電子レンジは水分などに直接作用して発熱するメカニズムで、重量に正比例する特徴を持っています。例えば100gが1分で火が入る食材Aの場合、200gなら2分、300gなら3分といった具合です。

カレーは2段階だから短めでもOK

今回の具材ゴロゴロカレーは火を入れるのが2段階。

まず火が入りにくいものの火入れです。じゃがいもや人参など、火が入りにくいものは100gあたり電子レンジ600Wで2分30秒くらいが目安です。
ただしカレーの場合はこの後ルーを入れてから再度火を入れるため、少し短めで大丈夫。大体2分15秒くらいが目安になります。

ここで気を付けて欲しいのが“総重量に対して”ということ。
今回は食材+調味料+水=約550gなので、2分15秒×5.5≒12分30秒となります。
あまり難しく考えなくて大丈夫!失敗しないように計算して出していますが、面倒に感じるようでしたら100gあたり2分で覚えましょう。

11分で一度取り出し、もう少しかな?と微調整でも大丈夫ですよ。加熱しすぎよりは短めで様子を見る方が上手くいきます。

この公式さえあればレシピから解放されますのでぜひ覚えてください。
※電子レンジの機種や使用状況により変わることがあります。

ポイント2.カレールーを刻む&放置時間も長めがコツ

具材に火が通ったら次はルーを溶かします。

カレールーは溶けにくいので入れる前に刻んでおきましょう。具材をレンジにかけている間、時間がたっぷりとあるのでその時に行うと効率的です。

溶かすときはグルグル混ぜたりしがちですが、放置していればOK。ドロッとしたら混ぜましょう。

ポイント3.水の沸騰は100gに対し1分30秒

次は水を入れた分の再沸騰を考えます。

純粋な水は100gあたり1分30秒で沸騰します。これは冬場の東京を基準にしているので、夏場の暑い地域だともう少し時間が短い場合もありますが、あまり厳密に考えると難しくなるので「水は1分30秒」と覚えましょう。

ポイント4.鍋も電子レンジも、とろみ付けに再加熱

鍋で作るカレーも、ルーが溶けてから最後に煮込みますよね。味を馴染ませると共にとろみを安定させる作業でもあります。

電子レンジでも最後に2分以上加熱することでとろみが安定して美味しくなりますので、是非省かず行ってください。

このレシピの栄養ポイント

ポイント1.最大のメリットは油不使用で調理&野菜ゴロゴロ

一般的なカレーは油で炒めてから煮ますが、電子レンジ調理は油を使わない料理が得意。

市販のカレールーには沢山の油脂が含まれており、さらに炒め油でカロリーが多くなりがちです。しかし電子レンジなら油を使わず調理できるのでカロリーカットできるメリットがあります。

また、鍋では水の力を使って食材を煮ていくため、CMにでてくるような具の存在感があるカレーを作るのは難しいもの。
しかし電子レンジなら食材そのものを直接加熱してくれるので、具材が崩れることなくゴロゴロ感を再現できますし、じゃがいものねっとり感も増します。

加熱している間は手が空くので、洗い物をしたり副菜を作ったりできますし、キッチンが汚れにくいのも嬉しいポイントです。

ポイント2.アレンジに夏野菜のパプリカやズッキーニもオススメ

今回は定番の食材にしましたが、アレンジとして夏はパプリカやズッキーニもオススメ。パプリカは特に抗酸化作用のある栄養素を豊富に含むので入れてみてはいかがでしょうか。

ポイント3.ごはんを多く使う料理はビタミンB群を意識して

カレーや丼などはごはん(炭水化物)が多くなりがちです。カレーは具材にじゃがいもが入り、さらに糖質がプラスされます。
そのため、糖質をエネルギーに変えてくれるビタミンB群を積極的に摂取してほしいです。

ビタミンB1を多く含む食品、というと圧倒的に多いのが豚肉です。
今回栄養計算で使用している豚もも肉は、ビタミンB1含有率が食品の中でも上位で効率よく摂れる食品。ちなみに同じもも肉で比較すると、豚肉は鶏や牛に比べてビタミンB1が約10倍も多く含まれています。

ポイント4.食後やおやつにヨーグルトやフルーツをプラス

今回のレシピは野菜は1日の1/2、タンパク質は1/3以上と優秀ですが、いくら良いレシピでもこれだけで1日の栄養素を摂れる訳ではありません。

このレシピに足りないのはカルシウムやビタミンCです。夏は汗をかいたり紫外線が強くなったりと、これらの栄養素が失われがち。
ぜひ、ヨーグルトやフルーツを食後やおやつに取り入れてください。

乳製品のカルシウム吸収率は高く効率よく摂るのに適しています。そしてフルーツはビタミンCやポリフェノールが豊富な傾向にあるのと、クエン酸が含まれていることが多くカルシウムの吸収率UPにもなります。

ビタミンCを豊富に含むアセロラは最近冷凍で売っているので、ヨーグルトのトッピングに常備するのもおすすめです。
生のフルーツではキウイはビタミンCがたっぷりで手軽に手に入りやすいので、ぜひ日ごろからとりいれてください。水分がたっぷり含まれているので熱中症予防にもおすすめです。

【電子レンジ調理の注意点】

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電子レンジは正しく使えば、毎日の料理を時短で簡単に。キッチンも汚しにくいため家事の心強いパートナーとなってくれます。

ただし使い方を誤ると事故につながることもあるため、以下の注意点に気をつけて活用してみてくださいね。

1.電子レンジ対応のお皿を使う

電子レンジに使用できる器は、耐熱ガラス・耐熱陶器・ぺーパータオル・クッキングシート・ポリプロピレンなど、食品用の容器となります。
ただし、この素材でも電子レンジ未対応のものがあるので、必ず電子レンジ対応と書かれているものを使うようにしてください。

2.レシピの量と時間を守る

電子レンジを使う際は、まずレシピ通りの量や時間を守りましょう。食材によって加熱時間も多少変わるので、まずはレシピ通りに。その後、足りなければ再加熱するのがおすすめです。

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前田 量子(まえだ・りょうこ)

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管理栄養士 野菜ソムリエ ロジカル調理研究家。
著書『ロジカル調理』『ロジカル和食』『考えないお弁当』をはじめ、電子レンジの加熱時間や法則を書いた『ロジカル電子レンジ調理』が2022年2月に発売。調理科学で普段のもやもや悩みをすっきり解決 。スーパーの食材で本当に美味しく&家族が楽しみにしてくれる定番家庭料理を作れるようになる料理教室主宰。

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