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2022.01.07

ウニとイクラ、免疫力につながる成分を大さじ1で1日分摂れるのは?【管理栄養士がジャッジ Vol.49】

kencom公式:管理栄養士・長有里子

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新年はおせち料理をはじめ、普段はあまり食べないようなお料理をいただけるのがうれしいですよね。たとえばカニやアワビ、イクラやウニといった贅沢な海の幸を召し上がった方も多いのでは?

今回は、新年に華やぎを添えてくれるイクラとウニの栄養を比べてみましょう。

ウニとイクラ、免疫力につながる成分を大さじ1で1日分摂れるのはどっち?

正解は、イクラ

今週から仕事始めという方が多いのではないでしょうか。新年は体調万全でスタートしたいもの。栄養面では「ビタミンD」という成分が免疫にかかわる栄養素のひとつになります。ビタミンDは、体内に侵入してくる細菌やウイルスを排除する免疫細胞を活性化させる働きがあります。

そんなビタミンDを少量で効率よく摂れるのが、イクラです。ちなみにウニは、ビタミンDを含みません。

イクラには大さじ1強(大さじ1と1/4で20g)で男女ともに1日分のビタミンDを摂れるほど豊富に含まれています。これはイクラの軍艦巻きでいえばたった2貫です。少量で効率良くビタミンDが摂れるのは魅力的ですね。

※ビタミンDは日光浴からも体内で合成されます。日常生活において可能な範囲内での適度な日光浴を心がけましょう。

ウニとイクラ、低カロリーなのはどっち?

一方、イクラには含まれずウニに含まれる栄養素としては、骨の健康などにかかわる「ビタミンK」があります。

また、ウニはクリーミーな味わいなのでカロリーが高いと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、脂質はイクラが11.7gに対してウニが2.5gとウニのほうが低脂質なのが特徴です。カロリーもイクラが252kcalのところ、ウニは109kcalと1/2以下になります(脂質もカロリーも100g中)。

ちなみに軍艦巻き1貫であれば、ウニが38kcal、イクラが52kcalです。

ウニとイクラ、食べるときに気を付けたいことは?

イクラもウニも頻繁に食べることは少ないとは思いますが、これらを食べるときにアルコールやご飯の量が多くなったり、醤油などの調味料を使いすぎてしまうことがあります。「たまにだからいいのでは?」と思われるかもしれませんが、なるべく気をつけましょう。

またコレステロールでいうと、イクラのほうが多く含まれています。

反対にプリン体は、ウニには100g中137.3mgほど含まれます。50~100mgが少ないとされているため、決して多いわけではありません。

健康状態が良好な方であれば、たとえば寿司を数貫召し上がっても問題はありませんが、脂質異常症や高尿酸血症、痛風といった方は、日々の食事からコレステロールやプリン体を削減する必要があるため、かかりつけ医に相談するようにしましょう。

そしてプリン体やコレステロールは他のメニューにも含まれていることがあるため、これらの食材だけを意識すればよいというわけではありません。また、ビタミンDを大量に摂取したからといって急に免疫力が高まるわけでもありません。

おいしく健康的に食事を楽しみためにも、“バランスよく”を心がけてくださいね。

▼参考文献

過去の『管理栄養士がジャッジ』はこちらから

著者プロフィール

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■長 有里子(おさ・ゆりこ)
管理栄養士/sazukaru代表。
人気サイト「服部幸應先生の1週間ダイエットレシピ」の監修経歴、食と健康の総合ポータルサイト「イートスマート」立ち上げメンバー。サイトや書籍の栄養監修多数。現在はプレコンセプションケアにも力を入れている。

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