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2021.08.25

捨てないで!とうもろこしのひげがお茶に変身。コーン茶&ひげ茶の話【ちょっと茶話#11】

kencom公式:料理研究家・りんひろこ

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韓国料理店などでよく提供されている「コーン茶」。とうもろこしの香ばしい香りとほんのり甘みがあり、ノンカフェインなので子どもでも飲みやすいお茶です。スーパーや輸入食品店でも商品が並び、すっかりお馴染みのお茶の1つとなりました。

今回の茶話では、コーン茶とひげ茶についてご紹介します。

コーン茶・ひげ茶とは

コーン茶とは、とうもろこしの実を乾燥させてから炒ってお茶にしたもので、韓国でよく飲まれています。

また、とうもろこしのヒゲを乾燥させて炒ってお茶にした「ひげ茶」もあります。とうもろこしのひげは「南蛮毛」といい、昔から中国で漢方薬として使われていました。
もともと中国では、南蛮毛は身体にたまった毒素を出す目的で使われてきました。腎臓の機能を活発にして利尿を促進したり、肝臓の解毒機能を促進したり、汚れた血液をきれいにする効果があると考えられています。現在でも漢方として、利尿薬などの他、腎臓病、肝炎、脚気、糖尿病などの治療薬として使われることがあります。

コーン茶・ひげ茶の栄養

とうもろこしは水溶性の食物繊維を多く含んでいるので、「コーン茶」や「ひげ茶」にも水溶性食物繊維が溶けだしています。食物繊維は腸内環境を整えるのに大切な役目を果たすので、便秘解消だけでなく、腸内免疫を整えるのにも役立ちます。

意外に感じるかもしれませんが、実はとうもろこしは鉄分も多く含んでおり、生のとうもろこしはほうれん草と同じくらいの鉄分が含まれています。そして、このとうもろこしが乾燥した穀物になると、100gあたりの鉄分含有量は1.9mg(生の約2倍)になり、干しふどうと同じ程度になります。コーンフレークなどの栄養成分表をみると、鉄分含有量がかなり多いのは、こうした理由からなのです。

鉄分は水にも溶けだすので、「コーン茶」や「ひげ茶」にも鉄分が溶け出ています。貧血が気になる女性や高齢者には、コーヒーや紅茶など鉄分吸収を阻害するカフェインを含んだ飲み物よりも、コーン茶を積極的に飲むとよいでしょう。

また、「コーン茶」や「ひげ茶」はカリウムも多く含みます。カリウムは利尿作用があるので、むくみ防止にもなります。

ひげ茶の作り方

コーン茶はとうもろこしの実を乾燥させなければいけないので時間がかかりますが、ひげ茶なら乾燥させやすく、ご家庭でも作れます。

材料

とうもろこしのひげ お好きな分量でOK(1本分約5〜7g程度で、2〜4杯分)
※黒くなっている部分は取り除く

作り方

1.とうもろこしのひげをザルなどにのせて2日間乾燥させる。
2.ハサミでひげを3cm程度に切り、フライパンに入れて弱火でこんがり濃い目のきつね色になるまで煎る。
3.お茶パックに入れて熱湯を注ぎ、3〜4分ほど抽出する。

りんひろこ

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料理研究家、フードコーディネーター
京都で学んだ懐石料理や、アーユルヴェーダや薬膳などの東洋の食養生の考えをもとにした美味しく簡単にできる料理を、TVや雑誌などで提案。著書に『作りおきで毎日おいしい! NYスタイルのジャーサラダレシピ』『ジャースチームレシピ』(世界文化社)がある。

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