2020.08.21
ゴーヤチャンプルとレバニラ炒め、ビタミンCが多いのはどっち?【管理栄養士がジャッジ Vol.18】
今年の夏は梅雨が長かったうえに、明けたら猛暑。さらには状況的に旅行や帰省をするにも気を遣う部分があり、知らず知らずのうちにストレスがたまっているかもしれません。
ストレス軽減に役立つ栄養素のひとつが「ビタミンC」。ビタミンCは、ストレスから体を守る抗ストレスホルモン(副腎皮質ホルモン)の合成に使われます。
では、ビタミンCが豊富な夏料理は何でしょうか?
ゴーヤチャンプルとレバニラ炒め、ビタミンCが多いのはどっち?
正解は、ゴーヤチャンプル
ゴーヤチャンプルといえば、料理名の通りゴーヤが主役の炒め物。このゴーヤは、夏野菜の中でもビタミンCが多いのが特徴です。
例えばトマトのビタミンC量は15mg、ナスは4mgですが、ゴーヤは76mg(100g中)。たとえばゴーヤを1/2本食べると、一日のビタミンC推奨量である100mgの約7割がとれるという含有量の多さです。
またビタミンCは熱に弱いという性質がありますが、ゴーヤに含まれるビタミンCは加熱に強いという特長があるため、ゴーヤチャンプルでもしっかり摂ることができます。
ゴーヤチャンプル一人前のビタミンC量は約50mg。一方レバニラ炒めのビタミンC量は約20mgなので、その差は2倍以上。1食で一日のビタミンC量の半分がとれるということになります。
夏バテ予防ならレバニラ炒め
夏のスタミナ料理として外せないのがレバニラ炒めでしょう。
夏バテの原因のひとつに、麺類や甘く冷たい飲み物をとりすぎることによるビタミン類の不足があげられます。ビタミン類が不足すると、炭水化物の糖質をエネルギーに変えることができず夏バテになりやすいのです。
レバニラ炒めは、夏バテ予防の法則である「ビタミンB1+アリシン」の組み合わせであることもポイント。
レバーに多く含まれるビタミンB1が糖質をすばやくエネルギーに変えるサポートをし、ニラに含まれる臭い成分アリシンがビタミンB1の吸収を高めてくれます。
つまり、レバーとニラを一緒にとるとエネルギーを作り出しやすくなり、夏バテしにくくなるというワケです。
ゴーヤもレバーも苦手だったら何を食べればいい?
ゴーヤチャンプルもレバニラ炒めも定番料理ではありますが、どちらも多少クセがあります。ゴーヤの苦みが苦手だったりレバーが苦手な方もいらっしゃるでしょう。
ではそういう場合どうしたらよいでしょうか。
まずビタミンCをとるなら、ゴーヤの代わりに「パプリカ」がおすすめ。夏野菜の中でゴーヤよりもビタミンCを多く含むのが、赤や黄色のパプリカです。
パプリカのビタミンCも熱に強いので、チンジャオロース風に肉と炒めたり、ラタトゥイユといったメニューもおすすめです。
またレバーが苦手な方は、レバーを「豚肉」に変えて豚ニラ炒めで食べてもOK。豚レバーもそうですが、豚肉にはビタミンB1が多く含まれています。
厳しい暑さが続く今…この夏のストレスも夏バテも、食事の力をかりて乗り切りましょう!
▼参考文献
栄養成分バイブル(中村丁次監修/主婦と生活社)
過去の『管理栄養士がジャッジ』はこちらから
著者プロフィール
■長 有里子(おさ・ゆりこ)
管理栄養士/sazukaru代表。
人気サイト「服部幸應先生の1週間ダイエットレシピ」の監修経歴、食と健康の総合ポータルサイト「イートスマート」立ち上げメンバー。サイトや書籍の栄養監修多数。現在はプレコンセプションケアにも力を入れている。