2022.07.15
アーモンドとピスタチオ、"老化抑制ビタミン"が多いのはどっち?【管理栄養士がジャッジ Vol.62】
以前はナッツというと、おつまみとして食べられることが多いイメージでした。しかし今では、健康意識が高まり、間食にナッツを食べる習慣が定着しました。そんな健康食品のひとつとして、存在感を増しているナッツを今回はピックアップ!
定番のアーモンドとブームが続くピスタチオで比べてみましょう。
アーモンドとピスタチオ、"老化抑制ビタミン"が多いのはどっち?
正解は、アーモンド
強い抗酸化力をもち、その効力から”老化抑制ビタミン”とも呼ばれているビタミンが「ビタミンE」です。ビタミンEが持つ抗酸化作用で脂質の酸化が抑えられるため、体内にできる過酸化脂質の発生が抑制され、老化の予防につながるのです。
このビタミンEがナッツの中で含有量1位なのが、アーモンドです。
アーモンド(※)には100g中に29mgものビタミンEが含まれます。一方、ピスタチオは1.4mg。その他のナッツと比べても、アーモンドにはダントツに多く含まれています。
(※)炒り・無塩のアーモンドの成分値
美肌にピスタチオ?
ここ数年、スイーツやパンなど、いたるところでピスタチオを使った商品を目にするようになりました。いつのまにか私たちの食生活で身近になったピスタチオには、どのような栄養素が多いのでしょうか?
ピスタチオには、皮膚炎の予防から発見されたビタミンB6がナッツの中で一番多く含まれています。ビタミンB6はたんぱく質の分解、合成に不可欠なビタミンです。また、余分な塩分を排出してくれるカリウムはナッツの中でトップクラスの含有量でもあります。
ピスタチオはきれいなグリーンの見た目だけでなく、栄養もしっかりと含まれています。
ナッツ類は1日にどのくらい食べてもいい?
ナッツというとカロリーが気になるという方がいらっしゃると思います。たしかに、アーモンドもピスタチオもカロリーの8割は脂質が占めています。そのためカロリーは高めですが、その大半は悪玉コレステロールを下げる働きのある不飽和脂肪酸なので、食べ過ぎなければ問題はありません。
1日の目安量に決まりはありませんが、約28gのナッツを週に5回食べる習慣的な摂取は、心血管疾患のリスクを大きく減少させることと関連するという研究もあります。
アーモンドもピスタチオも28gは約170kcalです。1日の間食の目安は200kcalなので、間食として取り入れるのも良いでしょう。
ただし、近年ナッツ(木の実類)で食物アレルギーを起こす人が増えています。日本人の食物アレルギーの3大原因は長らく鶏卵、牛乳、小麦だったのが、最新の調査では木の実類が小麦を抜きました。中でもクルミが最も多く過半数を占めますが、ナッツを食べて気になる症状が出るようであれば、食べるのを控え、アレルギー検査を受けましょう。
身体に良いからといって極端に摂取せず、日々の食生活に少しずつ摂り入れてくださいね。
▼参考文献
過去の『管理栄養士がジャッジ』はこちらから
著者プロフィール
■長 有里子(おさ・ゆりこ)
管理栄養士/sazukaru代表。
人気サイト「服部幸應先生の1週間ダイエットレシピ」の監修経歴、食と健康の総合ポータルサイト「イートスマート」立ち上げメンバー。サイトや書籍の栄養監修多数。現在はプレコンセプションケアにも力を入れている。