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2020.07.24

スイカとマンゴー、血管を拡げて血流を改善する成分があるのはどっち?

kencom公式:管理栄養士・長有里子

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夏の果物の代表、スイカとマンゴー。美味しさと見た目の鮮やかさで私たちを元気にしてくれるフルーツですが、実はカラダにうれしい成分を含んでいるってご存じですか?

そこで今回は、スイカとマンゴーの成分が持つ”血管をしなやかに保つ力”についてみていきましょう!

スイカとマンゴー、血管を拡げて血流を改善する成分があるのはどっち?

正解は、スイカ

中高年になると気になってくる症状に、高血圧がありますよね。血圧が高くなる原因のひとつには、加齢により血管が硬くなることがあげられます。

では、血管を拡げて血流を改善するためにはどうしたらよいのでしょう。

諸説ありますが、その中のひとつに「NO(エヌオー/一酸化窒素)を増やす」ことが挙げられます。聞きなれない言葉ですが「NO」とは血管の健康に欠かせない物質。血管を拡げて、血流をスムーズにする働きをしています。

そしてこの「NO」の産生に関わっているのが、スイカから発見されたアミノ酸の“シトルリン”です。

シトルリンは血管を拡げて血流をよくするといわれ、疲労回復や新陳代謝の促進も期待されている成分。ウリ科の植物に多く含まれていますが、とくにスイカに多量に含まれているのが特長です。

一方マンゴーは?黄色い色素が血管力をアップする!?

一方マンゴーにも血管の健康にかかわる嬉しい成分を含んでいます。

それはマンゴーのあの黄色い色素成分「エリオシトリン」というポリフェノールです。エリオシトリンは、血管にたまって酸化した悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を減らす効果が期待できます。

抗酸化作用によって血管力を高めることが期待できる…それがマンゴーというわけです。

スイカもマンゴーも ”捨てる部分に福” がある!

スイカは皮も食べよう!

スイカに含まれるシトルリンは果肉と白皮部分に含まれますが、より含有量が多いのは白皮になります。そのため皮を捨ててしまうのはもったいない! 

白い皮の部分は浅漬けやピクルスなどに活用できます。この他、スイカも冬瓜も同じウリ科なので、冬瓜と同じく煮込み料理にも合いますよ。

マンゴーはカレーの隠し味にぴったり!

マンゴーを切るときは、魚を3枚におろす要領でナイフを入れて種を外します。すると、種周りに果肉が残ってしまうのですが、それをきれいにそぎ落とすのはなかなか難しいもの…。

そんなときは、そぎ落としてボロボロになってしまった果肉をカレーに入れて煮込んでみましょう。

カレーの隠し味に使われるマンゴーチャツネ(マンゴーなど煮詰めて作るペースト状の調味料)の代わりになり、コクや甘みがアップします。

また、マンゴーで肉を揉みこめば、マンゴーに含まれるたんぱく質分解酵素によってお肉が軟らかく仕上がりますよ。

スイカもマンゴーもふだん何気なく召し上がっているかと思いますが、ともに血管の健康にかかわる成分を持っています。この夏スイカやマンゴーを食べる際には、ぜひご紹介した栄養効果を思い出して味わってみてくださいね。

▼参考文献

旬の野菜の栄養事典(女子栄養大学名誉教授 吉田企世子監修/エクスナレッジ)

過去の『管理栄養士がジャッジ』はこちらから

著者プロフィール

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■長 有里子(おさ・ゆりこ)
管理栄養士/sazukaru代表。
人気サイト「服部幸應先生の1週間ダイエットレシピ」の監修経歴、食と健康の総合ポータルサイト「イートスマート」立ち上げメンバー。サイトや書籍の栄養監修多数。現在はプレコンセプションケアにも力を入れている。

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