テレワークで増える頭痛の悩みを解決！１分で読める医師Q＆A

新型コロナウイルスの影響でテレワークが広まる中、生活リズムの乱れや運動不足による頭痛を抱える人が増えています。辛い頭痛にまつわるお悩みを、山王クリニック品川院長・山王直子先生に伺いました。

A．頭痛の誘因の多くはストレスによるものです。ようやく学校も再開し始めましたが、第二波への警戒もあり、お子さんにも少なからずストレスがかかり、それが頭痛という形で出てきてしまっているんだと思います。親御さんが不安そうにしていると、それが子どもにも伝わって心が不安定になってしまいます。

なるべく、お父さんお母さんがストレスをためないようにリラックスを心がけ、子供の話をよく聞いてあげてください。筋肉の緊張からくる頭痛の場合は、お散歩などの運動や、湯船につかることで緩和することがあります。

また、片頭痛は遺伝することが多いので、お母さんが頭痛持ちだと、お子さんも頭痛持ちになりやすい傾向があります。子供の場合でも、頭痛薬を処方することができますので、是非病院に相談しにきてください。

A．コーヒーや紅茶などに含まれる「カフェイン」は、拡張しすぎた血管を少し収縮させる作用があるので、頭痛を和らげると言われています。

特に、片頭痛は血管が拡張すること起こると言われているので、コーヒーなどを飲むと少し楽になると感じる方がいらっしゃいます。ただし、カフェインが切れるとまた頭痛が始まるので、飲み過ぎには注意しましょう。 コーヒーは1日２杯までを心がけてください。

A．寝不足でも寝過ぎても、頭痛につながります。特に、寝過ぎた場合は「片頭痛」が起きやすいです。人は熟睡している時間が長く続くと身体が「省エネモード」になり、呼吸が浅くなり、心拍数が下がります。

すると、 脳の血管の中に二酸化炭素が増えて血管が拡張し、血管を取り巻いている三叉神経が引っ張られて、朝方に頭痛が起こります。一方、寝不足の場合は、脳の神経が過敏になるので痛みを感じやすくなります。頭痛を起こさないためには、睡眠のリズムを整えることが大切です。

また、緊張型頭痛の場合は、枕が身体にあっていなかったり、寝ている間の姿勢が悪いことで、肩や首に負担がかかり翌朝の頭痛につながる場合があります。

起床時の強い頭痛が長期間続く場合、また日中でも長時間頭痛が続く場合は、脳腫瘍の初期症状の可能性もあります。一度病院で検査をすることをお勧めします。

A．酸化防止薬が入っているワインは、頭痛につながる事があります。出来るだけ、酸化防止剤が入っていないビオワインなどを選ぶと良いと思います。赤ワインに入っている抗酸化物質（ポリフェノール）は 血管拡張作用が強いので、赤ワインか、白ワインかを迷ったら、白ワインを選ぶようにしましょう。

また、あまり安価のワインは添加物等が多く含まれる事があるので、お勧めしません。
その他、インスタント食品、スナック菓子に使われている、うまみ調味料(グルタミン酸ナトリウム）が多い食べ物や、ノンカロリー飲料に添加されるアスパルテームなども、頭痛の元になりますので、摂りすぎには注意しましょう。

山王クリニック品川院長・医学博士

【プロフィール】
横浜市立大学医学部を卒業後、米国メイヨークリニック留学 博士号取得（脳下垂体の研究）、日本医科大学脳神経外科学講師、日本医科大学付属多摩永山病院勤務（脳外科部長）を経て、山王クリニック品川開設。日本内分泌学会研究奨励賞受賞他、数々の受賞歴あり

■森下千佳（もりした・ちか）
フリーエディター。お茶の水女子大学理学部卒。テレビ局に入社し、報道部記者として事件・事故を取材。女性ならではの目線で、取材先の言葉や見過ごされがちな出来事を引き出す事を得意とする。退社後、ニューヨークに移住。当時、日本ではなかなか手に入らなかったオーガニック商品を日本に届けるベンチャー企業の立ち上げに関わる。帰国後、子宮頸がん検診の啓発活動を手がける一般社団法人の理事を経て現職。一児の母。