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2019.11.29

情報を一元化し、毎日レビューする【定時帰りのライフハック#5】

kencom公式:心理学ジャーナリスト・佐々木正悟

仕事をしている中で最も困ることが情報の分散です。
色々なツールを使用することが増えているため、気がつくとどこにデータがあるのかわからなくなるものです。
そこでデータの管理や業務にいかしやすいツールと、さらに仕事を効率化するための使い方についてご紹介します。

情報を一つにまとめる工夫とその使い方をマスターしよう

散ってしまいがちな情報は1つのツールにまとめる

日々の仕事で使用するアイテムは時に文章データであったり、画像データであったりと様々な形式に渡ることがあります。
それらを適当に保存していくと、どうしてもどこにあるのかわからなくなるものです。せっかく書いたり作ったりしたものを、毎回探し回っている方も多いでしょう。
そうならないためにも、1つのツールに情報を一元化するのは有効です。

どこにものがあるのかという不安や複数の場所を探し回る時間的ロスや心的ストレスを、1つにまとめるだけで解決できるわけですからとても有効と言えるでしょう。
さらにいうならば、そのツールはクラウドにデータをまとめられるものにしたほうが良いでしょう。
そうすることで、PCだけでなく、スマホやタブレット、出先のPCなど、色々な場所で同じデータを同じ様に取り扱うことができます。
これらの中で有名どころとしては以下の様なものがあります。
【クラウドストレージ】
・Google Drive
・Amazon Drive
・Dropbox
・OneDrive
【クラウドメモアプリ】
・Evernote
・OneNote
・Google Keep

これらは、それぞれ特色がありますので、それぞれ試してもらって自分に合ったものを使用してもらうのがいいでしょう。
ただ、一つオススメをと言われるならば、私としては『Evernote』をおします。

メモをクラウドで管理する良さ

理由は簡単で、「情報をいちばん一元化しやすい」と思うからです。なんだかんだといっても、OSを選ばないというのは大事です。
軽く上げられるだけでも、
・Evernoteアプリ
・Mac
・Android
・iPhone
・iPad
と、複数のOSにまたがって利用することが可能です。

面白い!と思う情報を、何で目にするかなど分かりませんしそれを気にしていられません。役に立つ!と思ったアイデアを、いつ思いつくか分かりません。それを何に書くかも人それぞれでしょう。
ありとあらゆるガジェット、OSに対応し、写真アプリ、メモアプリ各種に対応し、専用アプリも用意されていて、ウェブブラウザでも使うことができて、毎月利用できるクラウドスペースが有料といえどリセットされるというのは、他にそうはありません。

ただ導入したての時には、多くの方が「何に使ったらいいのか?」で悩むことが多い様です。
なんでも保存できるというのは、確かに便利ですが、迷う原因にもなります。

まずは毎日レビューしてみよう

そんな方に私は、「日次(毎日)レビューをしましょう」ととりあえず言いたいと思います。

いつでもどこでもどこからでも何からでも情報を取り込めるEvernoteは、油断しているとあっという間に大量の情報が集中しているだけの場となってしまい、そこでだれもが困惑するのでしょう。

私は、だからとりあえず全ての情報を1度は
『Inbox』
というノートブックに集中させ、それを毎日夕方に1度、空っぽにします。カテゴリーを分けたいくつかのノートブックに整理するのです。
整理先は大ざっぱに言うとこんな感じになります。

・カタログ(あとで買い物するときなどに見たい、参考にしたいと思う情報)
・タスク(あとで時間ができたときにやりたいと思うこと)
・ライフログ(食べたものやいったところの写真など)
 └・スペシャルログ(後で必ず見返したくなる記録)
・リファレンス(仕事や生活の特定のタイミングで読みたくなる情報。たとえばセミナー会場の住所など)
・控え(契約書など)

ざっとこのような感じです。
こうすることで、その日に得た情報がなんだったのか、何を作ったのかをレビューしつつ確かめることができます。
また、各カテゴリノートブックに溜まっていく情報を眺めることで、新たな気づきや進捗状況も簡単に確認できるオマケつきです。
これらは、他のクラウドサービスでもできるでしょうが、私の場合Evernoteが一番しっくり来ています。

コツはInboxが空になる爽快感を感じること

整理のコツとしては「Inboxが空になったら、よしとする」というルールを決めてしまうことです。
よく見返さないと意味がないとか、役に立たせるためにあれこれ考え始めると、妙に使いにくく感じられてきます。

そうではなく、とりあえず集めたものを、24時間以内に1度は読み直し、適度に仕分けするサイクルを作ってしまうのがいいのです。
そうするくせがつくと、あとで必要かもしれないと思う情報を1ヵ所に集約し、それを確実に2度は目にするという習慣がつきます。
また、空になったInboxが自分の成果を示すことにもなり満足度も高まっていきます。

忙しくてそんなことはやってられない、という人は少なくありませんが、真にそれほど忙しい人は、秘書に同じようなことをしてもらっているはずです。
そうではない場合、実は1度手にした情報を活用できてないから忙しくなっているかもしれません。

情報の一元化とレビューを合わせて行おう

昨今のクラウドストレージサービスを使用すれば、情報を1つにまとめるのは簡単です。
ですが、その中でまた情報が散らばってしまっては元も子もありません。

今回紹介したレビューの仕方を活用することで、情報を集め、整理する癖がついていくことでしょう。それがゆくゆくは仕事の効率化に繋がってくるはずです。
まだ導入されていない方は、ぜひこの方法を活用してみてください。

著者プロフィール

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■佐々木正悟(ささき・しょうご)
心理学ジャーナリスト。「ライフハック」の第一人者。専門は認知心理学。1997年獨協大学を卒業後、ドコモサービスに入社。2001年米アヴィラ大学心理学科に留学。04年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。05年帰国以来、「効率化」と「心理学」を掛け合わせた「ライフハック心理学」を探求し続けている。
著書にベストセラーとなった『ビジネスハックス』『スピードハックス』などのハックシリーズ(日本実業出版)のほか、『先送りせずにすぐやる人に変わる方法』(中経出版)、『やめられなくなる、小さな習慣』(ソーテック社)などがある。

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