メニュー

2019.04.01

飽きっぽい自分を変える簡単なこと【ココロノセンタク#7】

KenCoM公式:臨床心理士・小室愛枝

記事画像

こんにちは。臨床心理士の小室愛枝です。
春はなんだか新しいことを始めたくなる季節ですね。前から興味あったこと、最近気になっていること……新しい一歩を踏み出してみたくなります。
その一歩を踏み出したあと、一度始めたことは長く続けるタイプの方と、趣味もバイトもいつだって長く続かないタイプの方とあるようです。
なぜ長続きしないのか。そこを一緒に考えていきましょう。

自分が飽きっぽいかを目で見える形にして対策しよう

あんまり長続きしない方は『飽きっぽい』と言われますが、いろいろなことに興味を持つので、実は広く浅くでも『経験が豊か』になったりします。あちこちでいろいろな人に出会い、『友人』にまでは深まらなくても『知人』はたくさんできるかもしれません。そういう人生の楽しみ方もありかなと、個人的には思ってもいます。

でも、続けないのに高額な道具を買いそろえたり、せっかく知り合った人たちと関係が続かなかったりするのはもったいないなぁ、なんとかしたいなぁと思う方もいるかもしれません。
そこで、まずはご自分が飽きっぽいタイプかどうかを知るとよさそうです。

これまでの趣味やサークル、アルバイトなどをリストに書きだして、それぞれのところでどのくらいの期間続いたのかを目で見えるようにしましょう。
こうした作業を『視覚化』といいます。『視覚化』はあいまいなものをしっかりと認識したいときに役立ちます。

絶対的な基準はありませんが、どこも半年以上続かない、1年以上続いたものがひとつもない、などは『飽きっぽい』サインかもしれません。

3ヵ月ごとの目標と振り返りが有効

『飽きっぽい』タイプの方は、まず最初に3ヵ月くらいで達成できるような目標を立てましょう。そして、3ヵ月ごとにご自分の目標の達成具合をふり返るとよいと思います。
目標を立てるときには、初回で書いた『スモールステップ』を思い出してくださいね。いきなり師匠やベテランさんのようにはいきませんから、先生や周りの人と相談して、無理のない、必ず達成できる目標を立てましょう。

6ヵ月後にふり返ったとき、それまでのご自分の成長をしっかりと感じとり、その先の具体的な目標を考えてみるのも大事です。
「続けることがとってもイヤ!」というわけでなければ、最初の頃の情熱が少しなくなってきていても続けてみるといいかもしれません。
そこから初めて見える世界があるかもしれないですね。

一気に熱を上げないようにするのもコツ

始めるときは気合いが入っていますから、「なんでもよいものをそろえたくなる!」という人もいるかもしれません。しかし、『必要な道具は半年以上続けてから購入する』など、ご自分の中で一定のルールを決めておくのもよいでしょう。

一度始めても「やっぱりこれは自分には合わないなぁ」と思うこともあるかもしれません。
それはまたひとつ自分を知ることにつながり、今後の豊かな人生につながっていきますので、その発見もきっと無駄にはならないと思いますよ。

焦らず進めていきましょう

飽きやすい人は、熱が一気に上がりやすいのかもしれませんね。そんな時には一度深呼吸してから3ヵ月後のゆるい目標を立てるところから考えてみましょう。
考えていくうちに心も落ち着いて、焦らずに進められるかもしれませんよ。

■過去の記事はこちらから

著者プロフィール

■小室愛枝(こむろ・よしえ) 
臨床心理士・特別支援教育士。早稲田大学で心理学を学んだのち渡米。ボストンでカウンセリングの修士号を取得後、帰国。学生相談室・心療内科等での勤務を経て、現在は乳幼児の発達相談、小学校の巡回相談心理士、NPO法人らんふぁんぷらざ(発達に偏りを持つ子どもと家族のための支援機関)にて乳幼児から大人まで幅広い層の臨床を行っている。共翻訳著に『虐待・DV・トラウマにさらされた親子への支援――子どもー親心理療法――』(日本評論社)がある。

(文/小室愛枝)