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2016.11.29

長友選手も実践!健康を支える体幹トレーニングとは?【コスパ筋トレ術③】

KenCoM公式ライター:真田雅人

体幹ってどこのことを言うの?

サッカーの長友佑都選手が行っていることで有名になった体幹トレーニング。体幹とはいったいなんでしょうか? 体幹とは頭、腕、脚を除く、胴体まわりにある筋肉の総称のことを言います。これらをまとめて体幹と言うのです。

体の表の筋肉でいうと大胸筋、腹直筋、腹斜筋、また背面の筋肉で言うと僧帽筋、広背筋、脊柱起立筋、そしてこれらの筋肉の奥にあるインナーマッスルなどが体幹に含まれます。

体幹は、生活する上でもスポーツをする上でも非常に重要な筋肉群になります。体幹が弱い方は、私生活でも姿勢が悪い、歩き方が悪いといった傾向にあるようです。

スポーツにおいては、体軸が崩れやすくバランスが悪い、ぶつかり合うような接触プレイに弱い、スタミナの消耗が激しいといったデメリットがあります。

体幹が弱いと健康にも影響が・・・

また体幹が弱いと内臓を支える筋肉が弱いことにもなります。

インテル・ミラノの長友佑都選手のスポーツトレーナーで知られる木場克己さんの著書『1週間で腹を凹ます体幹力トレーニング』によると、

――「おなか周辺の筋肉のベルトがゆるんでいるから、太っているわけじゃないのに、下腹がぽっこりでてしまうのだ。そうなれば周辺の動脈が圧迫されて、血行不良に陥っていく。すると、腸の働きが悪くなって便秘しやすくなる、冷え性になる、代謝が悪くなって太りやすくなるなど、悪循環がとまらなくなってしまう。」――とあります。

体幹を鍛えることは、健康的な生活を営むうえでも、スポーツをするうえでも欠かせません。そこで、今回は自宅で出来る体幹トレーニングをご紹介致します。体幹を鍛えることで生活の質が向上しますよ!

1.プランク(腹直筋、脊柱起立筋)

上腕とつま先を視点にしてうつ伏せになるトレーニングがプランクです。プランクはお腹の中心にある縦に長い筋肉、腹直筋をメインに鍛えます。

腹直筋は大胸筋の下部からヘソの下約10センチまどまである縦に長い筋肉です。通常、私たちが腹筋と呼んでいる筋肉がこの腹直筋になります。

腹直筋以外にも、背中の筋肉で姿勢を支えるので脊柱起立筋のトレーニングにもなります。プランクは体幹を鍛える代表的なトレーニングです。

苦しくなって腰を下に反らすと腰を痛める原因になります。また腰を浮かすと負荷は逃げてしまいトレーニングになりません。体が直線のまま最後までしっかりと維持してください。

初心者は30秒から始め、徐々に時間を伸ばしていきましょう。30秒からスタートし、3から5セット行なってください。1分以上できるようなったらかなり体幹が強くなっています。

2.片手片足プランク

プランクが、1分以上出来るようになった方は、手足のどちらか1つを浮かせて行うプランクを行なってみましょう。体を支える支点が1つ減る分、腹直筋と脊柱起立筋への負荷が増します。脚を浮かせた場合、大臀筋に強い負荷がかかり、お尻を引き締める効果があります。

それも1分以上難なく出来るようでしたら、片手と片足を浮かせてプランクを行なってみてください。右手を浮かせたら、左足を浮かす。左手を浮かせたら、右足を浮かすといったように行うとバランスが保ち安いです。

この3つのプランクを行うだけでもかなり体幹を鍛えることが出来ます。

3.サイドプランク(腹斜筋、脊柱起立筋)

プランクがうつぶせの状態になるのに対し、サイドプランクは肘と踵を始点に横を向きます。このトレーニングでは、脇腹の筋肉である腹斜筋をメインに脊柱起立筋も鍛えることが出来ます。脇腹を引き締めるのに最適なトレーニングです。

サイドプランクはプランク同様肘と足を支点にして体を支えます。このトレーニングは見た目以上にきついトレーニングですので、初心者の方は最初は姿勢をキープすることが出来ないかもしれません。

そのときは脚を曲げ膝や太ももをつけてください。その姿勢から始めてみましょう。徐々に時間を伸ばしていき、1分以上できるようになったら、通常のサイドプランクを行ってください。

こちらも20秒から30秒で始め、徐々に時間を伸ばしていきます。3セット行ってください。

4.プッシュアップ(大胸筋、腹直筋、脊柱起立筋)

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腕立て伏せは、大胸筋のトレーニングだけでなく、腹直筋や脊柱起立筋を使って姿勢を保つため、これらの筋肉も鍛えることが出来ます。

まず肩幅で手をつきます。脚は真っ直ぐに伸ばします。脇はあまり開かないようにしてください。そして息を吸いながら腕を曲げ体を下ろします。床につくギリギリのところまできたら、息を吐きながら腕を伸ばします。

これを20回から30回行ってください。疲れてきても体を反らしたり、腰を浮かしたりせず、真っ直ぐの姿勢をキープします。

可能な限り、腕立て伏せを行なったところで、腕を伸ばした姿勢で、これまた可能な限りその姿勢をキープしてください。腹直筋と脊柱起立筋をより追い込むことが出来ます。こちらを3セット行なってください。

5.クランチ(腹直筋)

腹直筋を鍛えるのに最適なのがこのクランチです。仰向けになり、脚を90度に曲げた状態で浮かせます。手を頭の後ろにやり、へそを見るようにして息を吐きながら体を丸めます。体が起きすぎないよう気をつけてください。脚を曲げて浮かせた状態がきつい人は、椅子の上に脚を乗せ90度の角度を作ってください。

クランチは体を起こすのではなく、体を丸めるようにして腹筋に強い圧力をかけるトレーニングです。動作は小さいですが強い負荷が腹筋にかかります。体を丸めるときは息を吐きます。息を吐くことで腹筋により圧がかかるので、息は止めずに行なってください。

反動を使わず、腹直筋への負荷を感じながらゆっくりと行うことが効かせるコツです。20回から30回の3セット行いましょう。

クランチはプランクやプッシュアップと併用して行うと、よりハードに腹筋を追い込むことが出来ます。プランク(プッシュアップ)の次にクランチといったように、合わせて1セットとカウントします。慣れてきたら、ぜひ試されてみてください。

7.プローン・バックエクステンション(広背筋、脊柱起立筋)

学生時代、体育の時間や部活動で背筋と呼ばれるトレーニングを行なったことは誰しもあるかと思います。その背筋運動がこのプローン・バックエクステンションです。

プローン・バックエクステンションは脊柱起立筋を鍛えるトレーニングになります。まずうつ伏せに寝ます。そして両手両足を浮かした状態で体を反らします。戻すときは、両手両足は床にはつけないでください。常に浮いた状態を維持し、負荷を筋肉にかけ続けます。

効かせるコツはクランチと同様で反動を使わないことです。反動を使うと効果が半減どころか、無いに等しいとも言えます。1回1回丁寧に行うことで筋肉は刺激されます。

20回から30回を3セット行いましょう。

8.ヒップリフト(脊柱起立筋、大臀筋)

脊柱起立筋の他、お尻の筋肉である大臀筋を鍛えるのがこのヒップリフトです。

仰向けに寝て両手を開きます。上体を安定させるため、腕は45度に開き床に着きます。そしてお尻を真っ直ぐ上へと突き上げてください。お尻を上げた際、背中から膝までが一直線になるようになるのが理想です。その一直線の状態を3秒キープします。

床に一度腰をつけたら、またすぐに腰を突き上げます。これを15回から20回の3セット行ないましょう。負荷が足りないと感じた場合には、片足だけで行うワンレッグヒップリフトを行なってみてください。

体幹トレーニングで体をメンテナンス!

体幹トレーニングは、自宅で出来る手軽なトレーニングです。

今回ご紹介したトレーニング法の中から、3つほど選んで実践されてみてください。毎日できなくても週に3回行えば効果を実感できると思います。所要時間は10分から20分程度です。

体幹を鍛えることによって、姿勢や腰痛が改善されます。快適な日常生活を送るため、健康寿命(健康上の問題がない状態で日常生活を送れる期間)を延ばすためには、体幹部分の筋肉を鍛える必要があります。

体幹トレーニングよって体のメンテナンスを行なっていると思ってください。日々のメンテナンスを怠らず、健康的な体を維持していきましょう!

参考文献

<著者プロフィール>

■真田雅人(さなだ・まさと):
山形県出身。フルコンタクト空手歴20数年、ウエイトトレーニング歴15年。幼少の頃は肥満でいじめられっ子。内向的な性格と肥満体型を克服するため、16歳のときにダイエットを始めると同時にフルコンタクト空手の道場に入門する。10ヶ月で30キロダイエットに成功。その後、上京し編集プロダクションに勤務。格闘技の書籍・ムックの企画編集に携わり、多くの武道家、格闘家を取材し交流を深める。多くの格闘家への取材を通して、彼らが心身の鍛錬としてウエイトトレーニングを行なっていることを知り、自身でも始めたところメンタルの安定・成長につながることに気がつく。「筋トレは最高のメンタルトレーニング」が持論である。

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