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2023.12.25

【帰省にモヤる人必読】親とのケンカがヒートアップしてしまう-不必要に傷つけあわないためには?

マイナビニュース

毒親や親ガチャなど、親がもたらす子への影響の大きさが注目されています。毒親というほどではないけど、なんだか親がしんどい……という人も少なくないのではないでしょうか? 帰省を前にモヤモヤしている人、親とのコミュニケーションに悩んでいる人、そのモヤモヤを解きほぐしてみませんか。SNSやブログで話題の心理カウンセラー・寝子さん初の著書『「親がしんどい」を解きほぐす』(KADOKAWA)より、一部をご紹介します。

親との関わりで大きなストレスになることの1つに、 「ケンカになってしまう」 「酷いことを言ってしまう」という他人との間には生じない激しい衝突があります。

酷い言葉を投げつけてしまったり、あちらから怒りをぶつけられてしまったり、決して他人には言わないような言葉や態度が出てしまいます。

親子ならではの激しい衝突は、良い意味でも根本的に「甘え」があるからでしょう。家族以外に出さないのは、他人に同じ言動をしたら許されないからで、相手が親、あるいは子どもであれば、許してもらえるとどこかで感じているからだと思います。

その意味では、酷い言動のすべてがネガティブなわけではなく、親子ならではの「甘え」と「信頼」 「絆」があるからこそかもしれないという側面も意識していけたら、負の感情の軽減の一助になるかもしれません。しかしながら、酷い言動は、言われた側は親も子も関係なく傷つきます。言った側もスッキリしたと思えることはほとんどなく、かえって後味が悪く、何日も引きずってしまうほどの自己嫌悪感や不快感となってしまいますよね。さらに、自分でも「どうして言いたくないことを言ってしまうのか」わからず、わからないからまた繰り返してしまいます。このように不必要に傷つけあうことを防ぐために、言動がエスカレートししまう理由を整理していきます。

お互いに “わかってほしい”

親側も子ども側も言い合いになってケンカをしてしまう場合は、まずお互いが相手を理解しようと思う気持ちよりも、“自分の主張をわかってほしい”という気持ちのほうが勝っている状態のときに生じます。これは親子ゲンカに限らず、夫婦間など特に近しい間柄で認められます。

お互いに“自分のことをわかってほしい”と強く相手に求めていて、相手の言い分を聞く心境ではありません。そのため、お互いに「わかってくれない」思いを強めて、お互いが不満を募らせ、 「なんとか相手にわからせないと」とヒートアップしていってしまうのです。

さらに、親子関係に焦点を当てると、子ども側は親に対して「親なのだからわかってくれるはず」という期待を抱き、親側は子どもに対して「もう大きくなったんだから親の気持ちをわかってくれてもいいでしょ」という期待を抱いています。

つまり、お互いに「こう対応してほしい」と、自分の中での相手がとるべき「正解」を暗に求めてしまっているところがあるように感じます。だからこそ、相手の対応が自分の納得するものではなかったときのガッカリ感は深くなり、 「できるはずなのに」と怒りになってしまうのかもしれません。

相手の存在が大きいほど、 期待も大きくなる

“わかってほしい”が強くなる理由は、それだけ相手の存在が自分の心の状態に影響するからでしょう。お互いの存在によって心のバランスが保たれたり乱れたりしていて、関係性が近過ぎているのかもしれません。だから「わかってくれたら好きでいられるのに」 「あなたさえわかってくれたら、私は癒されるのに」と強い思いになるのだと思います。

この思いが悪いわけでは決してありません。ただ、ケンカが頻発してしまうのであれば、お互いに相手の感情や言動に反応し過ぎてしまっているのかもしれません。

ヒートアップを防ぐことが重要

このような場合、わかり合おうとする前に、ケンカをヒートアップさせないことがまず大切になることが多いように感じます。

「自分も相手もわかってほしい気持ちが強いのかも」と考えてみるだけで、ケンカになったときに冷静さを取り戻せる確率が上がります。言い合いになっても、エスカレートしてしまう理由を知っていれば、それだけでさらに傷つけ合ってしまうことの歯止めになります。

加えて、 「 “自分をわかって”と思っているから衝突してしまうのだ」と思い当たったら、お互いに落ち着いた状態のときに、この心境を相手である親とも共有するとさらに効果的です。お互いに自分の心境に気づく関わりを共有できると、激しい衝突は防げるようになり、双方の理解が深まることで関係性が良い方向に向かうように思います。

そうはいっても、冷静な話し合いは親に期待できないことも多いですし、言い合いはそれぞれの大切な気持ちがあるからこそ生じるものです。そのため、初めから「こちらが折れよう」と決めるのではなく、 「親には伝わらないかもしれない」ことも踏まえたうえで、改めて自分の行動を検討する段階が必要になります。

激しい言い合いになることも覚悟で言い続けるか、徒労を避けて穏やかな関わりを優先するか、感情は込めずに淡々と言うことを試してみるか……。自分はどう思っていて、相手と今後どうなりたいかによって行動を選択できれば、結果的に以前と同じ行動になったとしても、納得感はまるで変わってきます。

▼ ケンカするのは、お互いに“わかってほしい”と思うから。

▼ ケンカをエスカレートさせない気づきが大切。

▼ 自分の気持ちや思いを知って、親への行動を改めて選択する。

『「親がしんどい」を解きほぐす』(KADOKAWA)

著者:寝子

自分がどんなに疲れていても、親の頼みを断れない。親子喧嘩でひどい言葉を言ったり言われたりする。「私がやってあげなきゃ」というプレッシャーがある――こうした親に対するしんどさは、自分にとって大切な“気持ちの宝庫”。大人になったあなたは、親への関わり方をもう自分で選んでいいんです。心理カウンセラーの寝子さんが、子どものころの心理から解きほぐし、“大人になった今の心の状態”の理解まで深め、気持ちの抱え方も含めた具体的な対処法につなげる一冊。Amazonで好評発売中です。

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