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2023.12.21

身体の中からぽっかぽか。寒い日に食べたい鶏肉とかぼちゃのミルクスープ【電子レンジ活用レシピ】

kencom公式:管理栄養士・前田量子

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調理科学に基づいたロジカルレシピが人気の料理家・前田量子さんによる、電子レンジ大活用レシピ。今回は身体が冷える季節に身体をあたためてくれる栄養満点のスープです。

鶏肉とかぼちゃのぽかぽかミルクスープ

寒い季節の食事は、美味しいのはもちろん身体が温まるメニューも重宝します。手間をかけずに身も心もほっこりしたい時におすすめなのが、面倒な下準備不要の冷凍かぼちゃとミルクを使って電子レンジで簡単に作れるスープ。鶏肉を入れるので、たんぱく質もたっぷり摂れて栄養満点です。

材料(1人分)

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鶏ささみ肉 100g
玉ねぎ 100g
冷凍かぼちゃ 100g
低脂肪乳 150mL
コンソメ 小さじ1
片栗粉 小さじ1
塩、こしょう 適量

主な栄養価(1人分)

エネルギー 284kcal
たんぱく質 32.9g
食物繊維 5.7gg
カリウム 1281mg
カルシウム 242mg
ビタミンA 335μg
ビタミンB6 1.02mg
ビタミンC 44mg

作り方

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1. 鶏肉はそぎ切りにして塩、こしょうを振る。

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2. 玉ねぎ薄切りとかぼちゃを耐熱ボウルに入れ、水にくぐらせて軽く水気を切る。

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3.野菜の間に鶏肉を入れてふんわりラップをかけ、電子レンジ600wで7分半電子レンジにかける。

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4. 加熱が終わったら取り出して牛乳とコンソメを加え、さらに電子レンジ600wで2分15秒加熱する。

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5. 2度目の加熱が終わって取り出したものに大さじ1の水で溶いた片栗粉を加え、素早く全体を混ぜる。

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6. さらに電子レンジ600wで1分加熱すれば出来上がり。

このレシピのポイント

①耐熱容器は少し大きめを選ぼう

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牛乳を沸騰させる時、電子レンジの機種によっては加熱のパワーが強くて噴いてしまうことがあります。

安全のため、容器は材料がちょうど入るものよりも、少し大きめのものを選びましょう。今回は1.2リットルほど入るどんぶりを使用しています。

②肉は野菜の間に入れよう

電子レンジ調理は、ほったらかしにできるのが長所ですが、途中でこまめに混ぜることができません。たんぱく質は、食材がくっついたまま加熱すると、かたまってしまう特徴があります。

せっかくのたんぱく質を逃してはもったいないので、肉がかたまらないように、野菜の間に肉を入れてましょう。

③個体は100g2分半、液体は100g1分半で加熱

電子レンジ調理は時短になり、調理器具も汚れにくいなど、メリットがたくさん!しかし、電子レンジだとどのくらい加熱されているかわからず、加熱時間で悩んでしまって困ることがあります。

時間を割り出すには重さを計ることがとても重要になります。電子レンジは水分などに直接作用して発熱するメカニズムで、重量に正比例する特徴を持っています。例えば100gの食材が1分で火が入るというものだったら200gなら2分、300gなら3分といった具合です。

今回のレシピでは、最初にかぼちゃを中心とした具材を加熱します。この時は100gあたり電子レンジ600Wで2分30秒くらいが目安です。今回は全部で300gなので、3×2.5(分)=7.5(分)となります。かぼちゃの次に牛乳を加えて加熱します。牛乳のような液体は600Wで1分30秒を目安にしてください。1.5×1.5(分)=2.25(分)で、2分15秒が牛乳の加熱時間となります。最後にとろみをつけるために水溶き片栗粉を加えてさらに1分。水溶き片栗粉を加えたあとはしっかり加熱したほうが良いので長めにしてあります。この公式さえわかっていれば、レシピがなくても調理可能です。

※加熱時間は、電子レンジの機種や使用状況により変わることがありますので気をつけてください。

このレシピの栄養ポイント

たんぱく質で身体が温まる

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今回のレシピでは、鶏肉の中でも一番たんぱく質が豊富なささみを選びました。ささみには100gあたり23.9gものたんぱく質が含まれており、これはもも肉16.6gの1.4倍以上です!

たんぱく質を摂ると、熱産生という身体の中で熱を作る作用が起こります。たんぱく質の熱産生は炭水化物や脂質に比べても高く、食べるだけでも体を温める効果があります。

また、血液やリンパ液などの体液、体の機能を調節するホルモン、食べ物の消化・吸収をはじめ体内の化学反応に不可欠な酵素、光や味、匂いなどの刺激を受け取るレセプターと呼ばれる受容体にもたんぱく質は働きかけます。冷えない、代謝のよい身体づくりのためにもたんぱく質をしっかり摂ることが大切なのです。

たんぱく質と相性の良いビタミンB6も豊富

ビタミンB群はエネルギー代謝の補酵素として重要なビタミンです。なかでもビタミンB6は特にたんぱく質の分解を助けてくれるものです。たんぱく質が豊富な料理を食べるときには、ぜひビタミンB6もあわせて摂るとよいでしょう。さらに、B6は免疫機能の正常な働きをサポートしたり、皮膚の抵抗力アップ、赤血球のヘモグロビンの合成にも欠かせない、とてもに重要な栄養素です。

鶏肉はビタミンB6を豊富に含んでいる食材です。今回のレシピはビタミンB6の摂取に非常に優れており、1食あたり1.02mg含まれています。これは1日に摂取が推奨されている量のうち、女性は90%以上、男性は70%以上にあたります。

カルシウムをしっかり摂れる

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カルシウムは普段から不足しがちな栄養素です。カルシウムは体内への吸収率があまりよくない栄養素なうえに、日本の伝統的な和食には乳製品を使ったメニューが多くありません。しかも食の欧米化により、ちりめんじゃこやしらすなどの魚料理を食べる頻度が減ったことで、ますますカルシウム不足の原因が増えています。

今回のレシピでは、カルシウムの豊富な乳製品を使ったことで、224mgのカルシウムが摂取可能。この量は成人女性、成人男性が1日に必要なカルシウムの約30%にあたります。年齢を重ねるとカルシウム吸収率は低下します。牛乳をはじめとする乳製品はカルシウムの吸収率が高い食品ですから、日々の食事で意識して摂るように心がけましょう。

【電子レンジ調理の注意点】

電子レンジを正しく使えば、毎日の料理が時短で簡単。キッチンも汚しにくいため家事の心強いパートナーとなってくれます。
ただし使い方を誤ると事故につながることもあるため、以下の注意点に気をつけて活用してみてくださいね。

1. 電子レンジ対応のお皿を使う

電子レンジに使用できる器は、耐熱ガラス・耐熱陶器・ぺーパータオル・クッキングシート・ポリプロピレンなど、食品用の容器となります。ただし、この素材でも電子レンジ未対応の物があるので、必ず電子レンジ対応と書かれているものを使うようにしてください。

2. レシピの量と時間を守る

電子レンジを使う際は、まずレシピ通りの量や時間を守りましょう。食材によって加熱時間も多少変わるので、まずはレシピ通りに。その後、足りなければ再加熱するのがおすすめです。

記事情報

引用・参考文献

著者プロフィール

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前田量子(まえだ・りょうこ)
管理栄養士 野菜ソムリエ ロジカル調理研究家。
著書『ロジカル調理』『ロジカル和食』『考えないお弁当』をはじめ、電子レンジの加熱時間や法則を書いた『ロジカル電子レンジ調理』が2022年2月に発売。調理科学で普段のもやもや悩みをすっきり解決 。スーパーの食材で本当に美味しく&家族が楽しみにしてくれる定番家庭料理を作れるようになる料理教室主宰。

制作

文・レシピ・写真:前田量子

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