メニュー

2022.12.09

ニラと水菜、牛乳の2倍カルシウムが摂れるのはどっち?【管理栄養士がジャッジ Vol.71】

kencom公式:管理栄養士・長有里子

記事画像

気温がグッと下がりはじめ、本格的な冬がやってきました。寒い日に食べたいものの1つといえば、やはり鍋料理ですね。

鍋具材の定番野菜といえば、白菜やネギがありますが、今回は脇役的ながらもキラリと光る栄養を持つ、ニラと水菜をピックアップ。実は両者とも、かなりの実力派野菜なんですよ。

ニラと水菜、牛乳の2倍カルシウムが摂れるのはどっち?

正解は、水菜

水菜は優しい緑色の葉と、白く細長い茎が特徴。そのため「栄養が少ないのでは?」と思われがちですが、実は栄養満点の野菜です。

淡白な見た目に反し、β-カロテンやビタミンC、ビタミンEなどのビタミンが豊富。さらにミネラルの含有量も高く、高血圧を予防するカリウム、骨の健康に大切なカルシウム、貧血予防に働く鉄などが揃って多く含まれています。

中でも水菜のカルシウムの量は、100gあたり210mg。牛乳は100gあたり110mgなので、水菜には牛乳の約2倍ものカルシウムが含まれているということになります。ちなみにニラのカルシウムは、100gあたり48mgです。

ニラには豚肉を組み合わせよう!

一方のニラも、ビタミン類を豊富に含む優秀野菜です。特に抗酸化作用のある、β-カロテンを多く含んでいるのが特徴です。またニラの匂い成分であるアリシンは、ビタミンB1の吸収を助け、疲労回復やスタミナ強化に役立ちます。

そのため、鍋料理にニラを使う際は、ビタミンB1の多い豚肉を組み合わせるのがおすすめ。疲労回復などが期待できるでしょう。

なお、ニラを使ったスタミナ料理にレバニラ炒めがありますが、豚レバーにもビタミンB1が豊富に含まれており、ニラのアリシンとの相乗効果で相性バツグンというわけです。

水菜は生で、ニラはごま油で栄養アップ

水菜には、水に溶ける水溶性のビタミンCが多く含まれます。そのため鍋の具材として加えた場合、スープに成分が流れ出てしまいます。スープまで飲み干す、締めを雑炊にするなど意識すると、ビタミンCを摂りやすくなります。

またビタミンCを生かすなら、生のままサラダにするのもよいでしょう。サラダのドレッシングの油分で、脂溶性のβ-カロテンの吸収も上がります。

そしてニラは、水菜よりもβ-カロテンを多く含みます。鍋料理やレバニラなどの炒め物以外では、スープやお浸しなどで食べることが多いですが、その際は仕上げに、ごま油などの油をひとかけしましょう。先述の通り、油と組み合わせることでβ-カロテンの吸収が上がります。

水菜もニラも冬野菜で今がおいしい時期です。ぜひ鍋料理をはじめ、サラダや炒め物など、このふたつの野菜を上手に取り入れ、栄養アップな食事を味わってくださいね。

記事情報

参考文献

『旬の野菜の栄養事典』(女子栄養大学名誉教授 吉田企世子監修/X-Knowledge)

著者プロフィール

記事画像

長 有里子(おさ・ゆりこ)
管理栄養士/sazukaru代表。
人気サイト「服部幸應先生の1週間ダイエットレシピ」の監修経歴、食と健康の総合ポータルサイト「イートスマート」立ち上げメンバー。サイトや書籍の栄養監修多数。現在はプレコンセプションケアにも力を入れている。

制作

文:長 有里子
イラスト:フクロウ

あわせて読みたい

この記事に関連するキーワード