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2019.12.03

毎日の食事から考えるスキンケアのコツ

kencom公式:管理栄養士・圓尾和紀

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「スキンケア」というと、真っ先に浮かんでくるのが、化粧水や美容液などを使う”外からのケア”という方が多いと思いますが、健やかで美しい肌の維持にはきちんと栄養を摂る”内側からのケア”も欠かすことができません。今回はそんな肌と栄養の関係について解説していきます。

お肌と食事はどんな関係がある?

肌の細胞は日々新陳代謝を繰り返しており、古いものが垢となって剥がれ落ち、内側から新しい細胞が作られています。肌を健康的に美しく保つためにはその肌の細胞を作る材料と、代謝を回す上で必要な成分を不足せずにとることが重要です。

また、肌の細胞の代謝を邪魔するような要因も排除する必要があります。とくに「肌は内臓の鏡」といわれるように、腸内環境が悪いと肌トラブルにつながるということも分かっています。最近流行りの「腸活」は「肌活」でもあるのです。他にも考えるべき要因がありますので、詳しくは後ほど触れていきます。

意識して摂ったほうがいい栄養素は?

まずは肌の細胞の材料であるたんぱく質をしっかり摂ることです。特にダイエットなどで意識して野菜を食べるようにしているという方など、たんぱく質が不足していることもあります。たんぱく質は肉や卵、乳製品に偏ることなく、不足しがちな魚や大豆製品でもしっかり補いたいところです。大豆に含まれるイソフラボンには女性ホルモンの減少により失われがちな肌の弾力やシワの増加を抑えるという効果も報告されています。

身体をつくる栄養素をしっかり摂るだけでなく、肌の細胞や肌の維持に関わるコラーゲンなどの成分に作り変える上でビタミンやミネラルも必要となります。特に重要になってくるのがビタミンA、B2、B6、Cといったあたりです。具体的な摂り方を次にご紹介します。

どんな食材調理法・メニューがおすすめ?

緑黄色野菜でバランスよく

野菜不足になりがちな人はただ野菜を食べるのではなく、色味を考えて増やしましょう。ビタミンの種類によって含まれる食材は異なりますが、バランスを整える上で特におすすめなのが緑黄色野菜です。特に秋冬は旬のかぼちゃ、にんじん、ほうれん草などは取り入れやすい食材です。

海藻やきのこでビタミンB2を摂る

また、海藻やきのこもビタミンB2が豊富なのと食物繊維も多いので腸にも良いです。さらにはナッツ類もB2、B6が多く、間食にもおすすめ。イチオシは納豆で、発酵によりビタミンB2が増え、B6も多く入っていますし、たんぱく質も補えて腸内環境にも良いです。

ビタミンCは果物や芋類で

ビタミンCは果物や芋類にも多く含まれています。以上を踏まえると、野菜や海藻、きのこ、いもが入った味噌汁は定番のようですが、スキンケアとしても良い料理だと言えますね。野菜をどう食べるかは生で摂るのも加熱するのも双方利点があるので、バランス良くとるのが一番良いでしょう。

ただ、オーブンで焼いたり油で揚げたりする調理法は老化の原因とされるAGEsの生成を促進させると言われています。

肌をいたわる食事のコツ

肉は食べすぎると腸内環境を悪化させ、腸内細菌の悪玉菌が作り出す物質によって肌トラブルにつながります。肉をまったく控える必要はありませんが、肉より魚、大豆製品をぜひ心がけてください。

また、過度の糖質制限でお米やいもを控えているという方は食物繊維不足により便秘になり、これも腸内環境を悪化させる要因になります。適量をしっかり食べるようにしましょう。同じ糖質でもスイーツや甘い飲み物に含まれる大量の砂糖は良くありません。糖分過多の状態でいると身体の老化を促進されると言われていることに加え、糖尿病リスクなど健康の面からもあまりオススメはできません。間食はできるだけナッツや果物(ドライフルーツでも)、干し芋などに置き換えられると良いですよ。

もしお肌のケアを毎日がんばっているのであれば、グッズだけでなく食事への意識も向けてみてくださいね。

著者プロフィール

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■圓尾和紀(まるお かずき)
株式会社ふること代表。“伝統食の良いところを現代に取り入れる”をコンセプトに活動する管理栄養士。テレビ、雑誌、ラジオなどのメディアへの出演やYoutube「カラダヨロコブチャンネル」でも情報発信を行っている。著書に『地味だけど「ほっとする」食べ方』がある。

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