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2021.02.21

洋食に加えたい栄養は〇〇!より良い栄養バランスを実現するには?

kencom公式:トレーナー・河村玲子

現代の日本人の食事は脂質の割合が増えており、活動量の不足と相まって生活習慣病が深刻な問題となっています。

この大きな原因はファストフード含む洋食がより身近になり、それらを食べる機会が増えたことです。

そこで今回は、洋食メニューでも栄養バランスをとるために、意識したいことと、加えたい一皿についてお話します。

文明開化後に急速に広まった洋食文化

洋食は明治時代から広まった

洋食とは西洋料理のほか、それらをベースに日本で独自に発展してできた料理をいいます。例えばカレーライス、コロッケ、エビフライ、オムライスなどは、西洋の料理ではなく、日本風の洋食です。

洋食が日本で広まったのは、鎖国が終わった明治時代からです。とはいえ、バターや肉など高価な食品を使う洋食は、主食であるご飯たっぷりに魚や野菜のおかずを少量とるという質素な和食を食べていた庶民にとって、身近なものとは程遠い存在でした。
現代のように身近に洋食を食べるようになったのは、高度経済成長の後からです。この頃に戦後の絶対的な食料不足の状態から、食料が有り余る「飽食」の時代へと変化を遂げ、洋食をよく食べるようになりました。

洋食の特徴

素材の味を生かし、「煮る」「焼く」「蒸す」の調理法がメインの和食と比べ、洋食はメインの食材に獣鳥類を使い、調理に大量の油脂を使用します。そして主食にもバターやオリーブオイルを合わせます。
そのため、脂質(とくに飽和脂肪酸)が多くなる傾向があります。

また、大豆製品や海草類を多用する和食と比べて食物繊維が不足しがちです。

一方で洋食には動物性のタンパク質の量が多いというメリットもあります。
吸収率についていえば、植物性のタンパク質が84%に対し、動物性のものは97%と吸収率が高いです。加えて必須アミノ酸を多く含むため、体内で効率よく筋肉や免疫に関わる物質などを作ることができます。

タンパク質は、昨年改定された「食事摂取基準2020」でも、0.65から男女共全年齢区分で同一の0.66に引き上げられるなど、筋力低下を防止し自立した生活を送るために重要とされています。
外食と違い、家で洋食を作る場合には、油の使用量や食材の部位が調節可能です。洋食を敬遠するのではなく、洋食を作るときに使用する油を控え、お肉は脂肪の少ない部位を使うなどの工夫をするとよいですね!

洋食に加えたい一皿

洋食に加えたい一皿は、食物繊維が取れるものになります。
食物繊維は脂肪や糖の吸収を緩やかにすることで生活習慣病を予防したり、腸内で発酵することで腸内環境を改善して免疫機能の正常化、便秘抑制などに働きます。

白米を玄米やオートミールに、パンを全粒粉のパンに代えるなど、主食を工夫するのも食物繊維を増やす一つのコツです。
主食以外の食べ物だと、「海草・キノコ・豆・野菜」などに食物繊維は多く含まれています。

これらの中で洋食のメニューに合い、かつ脂質を使わずに作れるものでおすすめなのが「野菜のコンソメ煮(ポトフ)」です。生野菜は水分が多いため、たくさん食べたつもりでもかさは少なくなります。食物繊維たっぷりの根菜を中心に、野菜に火を通して作る野菜のコンソメ煮は食物繊維補給にもってこいです。
冷蔵庫で3~4日保存可能ですので、作り置きして1品に加えられるようにしてはいかがでしょうか?

栄養たっぷり!野菜のコンソメ煮

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<材料:作りやすい分量>

キャベツ 1/4玉
人参 1本
玉ねぎ 1個
ブロッコリー 1/4株
ミニトマト 6個


コンソメ 適量
ニンニク(つぶす) 2個
ローリエ 2枚

<作り方>

1.キャベツは櫛切り、人参は棒状、玉ねぎは四つ切りにする。ブロッコリーは小房に分け、茎も柔らかい部分は使う。
2.鍋にキャベツ、人参、玉ねぎを入れ、野菜に被るくらいの水とAの調味料を入れて火にかける。
3.沸騰したら弱火にし、蓋をして野菜に火が通るまで煮る。
4.火を止める1分前に、ミニトマトとブロッコリーを入れる。

食物繊維をプラスして健康的に洋食を楽しもう!

タンパク質が豊富な洋食は、栄養不足になりがちなお年寄りを始め、多くの方にすすめられる料理です。
今回御紹介した料理のように、野菜をたくさんとれるように工夫することで、より長く楽しめるようになります。

栄養バランスを整えられるプラス1品を自分なりに生み出していくのも面白いですよ。

河村玲子(かわむら・れいこ)

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食事と運動の両面からボディーメイクをサポートする、管理栄養士×パーソナルトレーナー。
トレーナーとしては、全国展開のフィットネスジムで5年連続、女性No.1指名をキープ。ダイエットはもとより、姿勢や骨格調整のトレーニングを得意とする。管理栄養士としては『Tarzan』や『anan』のレシピ作成や監修、商品のプロモーションなど。運動、栄養両面のプロフェッショナルとして幅広く活躍している。(株)SAWAKI GYM栄養アドバイザー。(株)HandYスポーツセクションメンタル&フィジカルサポートスーパーバイザー。

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