2022.08.26
ツナ缶とサバ缶、中性脂肪を下げる成分が多いのはどっち?【管理栄養士がジャッジ Vol.64】
保存性の高さが魅力の缶詰は、調理いらずで手軽に食べることができるのはもちろん、防災備蓄品としてストックできるのがメリットです。缶詰めの種類は、肉や魚、野菜やフルーツなど様々ですが、数年前に魚介缶詰界で不動の王者だったツナ缶の販売額をサバ缶が追い抜いたというのが大きなニュースになりました。
今回は、その後も高い人気を誇る「サバ缶」と、そして安定感バツグンの「ツナ缶」の栄養を比べてみましょう。
ツナ缶とサバ缶、中性脂肪を下げる成分が多いのはどっち?
正解は、サバ缶
コロナ禍でおうち時間が増えたことにより”コロナ太り”というワードが世間を賑わせました。そのとき、ダイエット効果が期待できると、サバ缶が注目されたのをご存知ですか?
その理由のひとつが、サバ缶に多く含まれるDHAやEPAといった「オメガ3脂肪酸」です。オメガ3脂肪酸は、いわゆる油なのですが、中性脂肪を下げる働きがあります。
その量(※)はツナ缶よりも格段に多く、DHAは20倍、EPAは60倍以上!(※サバ缶は水煮、ツナ缶はオイル漬けの値です)またオメガ3脂肪酸は、悪玉コレステロールを減らして善玉コレステロールを増やしたり、血液をサラサラにしたりと健康効果が高い脂質になります。
サバ缶には水煮や味噌煮、味付け缶など種類がありますが、そのどれもがオメガ3脂肪酸を豊富に含んでいます。また、オメガ3脂肪酸は脂ののった青魚に多いので、サバ缶以外ならイワシ缶やサンマ缶なども多く含まれています。
ツナマヨならぬ、サバマヨもおいしい!
おにぎりやサンドイッチなど、ツナマヨは定番中の定番ですが、サバの水煮缶にマヨネーズを混ぜた「サバマヨ」も、ツナマヨに並ぶ美味しさなのをご存知ですか?作り方は、サバの水煮缶1缶に、マヨネーズを大さじ2程度、ケチャップを少々(小さじ1/3)混ぜれば完成です。
サンドイッチの具材はもちろん、ご飯にのせて丼スタイルにしたり、うどんやパスタのトッピングなど、ぜひ色々とアレンジして味わってみてくださいね。
ツナ缶は、水煮とオイル漬けでカロリーはどう違う?
一方のツナ缶には、水煮とオイル漬けの2種類がありますが、この2つは大きくカロリーが違います。
水煮は100g中70kcalに対して、オイル漬けは100g中265kcal。オイル漬けは約4倍もカロリーが高いのです。
原料はどちらもキハダマグロが主に使われていますので、やはり差は油の量になります。たんぱく質量はほとんど変わらないので、ダイエットでカロリーオフをしたいなら、水煮タイプを選ぶと良いでしょう。
普段は肉中心の食生活になりがちな方も、魚や大豆製品、卵など、色々な食材をたんぱく源にしたほうが栄養のバランスは良くなります。魚の調理は億劫など、魚を食べる頻度が少ない方は、ツナ缶やサバ缶などの魚の缶詰を利用することでも魚の栄養摂取に役立ちますよ。
▼参考文献
栄養成分バイブル(中村丁次/主婦と生活社)
過去の『管理栄養士がジャッジ』はこちらから
著者プロフィール
■長 有里子(おさ・ゆりこ)
管理栄養士/sazukaru代表。
人気サイト「服部幸應先生の1週間ダイエットレシピ」の監修経歴、食と健康の総合ポータルサイト「イートスマート」立ち上げメンバー。サイトや書籍の栄養監修多数。現在はプレコンセプションケアにも力を入れている。