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2020.10.31

肩こりの原因は栄養不足かも!?どんな栄養素が重要なの?

kencom公式:管理栄養士・磯村優貴恵

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秋もだんだんと深まり、過ごしやすい季節になりましたね。

今年は自宅で作業する方も増えているのではないでしょうか。通勤時間の短縮や身支度の簡略化などメリットもたくさんあると思いますが、一方で外出を控えた分、運動不足やPC・スマホなどを使用する時間が増えて疲れやすくなった、という方もいらっしゃるでしょう。
今回はそんな普段の生活の中でのお悩みに多い、「肩こり」の改善に役立つ栄養についてお話しします。

その肩こり栄養不足が原因かも

肩こりはなぜ起こる?

肩こりになる原因はさまざまですが、その中のひとつに肩周りの血流が滞ってしまうことが挙げられます。
デスクワークでずっと座って作業していると、肩周りの可動域が狭くなります。その結果、筋肉が緊張したり、疲れたりして血流が悪くなります。

また、目を酷使することも肩こりの原因のひとつ。パソコンやスマホなどの液晶画面の狭い範囲をずっと見ていると、同じく目の周りの筋肉が凝り固まり血流が悪くなります。

私たちの身体は血液がきちんと巡ることによって、隅々まで酸素や栄養が運ばれていきます。血流が悪くなると、肩こりのみならず首や目の不調や痛みもひきおこしかねません。
まずは生活習慣を見直し、肩こりの原因となる行動を見つけていきましょう。

肩こり改善の助けになる栄養素たち

「これを食べれば肩こりに効く!!」、という魔法のような食べ物や栄養素は残念ながらありません。

しかし、原因をしっかりと把握し、改善につながる栄養素を摂ることは有効です。肩こりの改善や悪化防止のお助けアイテムとしてここで紹介する栄養素を意識してみましょう!

①タンパク質

タンパク質は筋肉の土台となる大切な栄養素のひとつで、エネルギー源にもなります。
テレワークで動かないからと、エネルギーの少ない食品ばかり選んでいませんか?
土台を丈夫にするためにもタンパク質はしっかりと摂りましょう。

②ビタミンE

ビタミンEは強力な抗酸化作用や血流をスムーズにする働きがあることから、「若返りのビタミン」とも呼ばれています。
脂溶性のビタミンなので、そのまま摂るよりも油と一緒に摂ることで吸収がよくなります。

③ビタミンB群

タンパク質や糖質が身体の中できちんと活用されるために必要となるのがビタミンB群です。群というだけあって様々な種類のビタミンBが存在しています。
特に肩こりに関しては、タンパク質を代謝する際に役立つビタミンB6、糖質をエネルギーとして使う際に役立つビタミンB1、神経の働きをサポートするビタミンB12などが不足しないように気を付けましょう。

また、ビタミンB群はチームで助け合って働く栄養素ですので、単体でとるのではなく、様々な食材から摂るようにするとよいでしょう。

栄養素を食事に取り入れる実践法はこれだ

普段の食事に意識して入れてみよう

肩こりの改善に役立つ栄養素を実際の食事に取り入れるにはどのようにすればよいのでしょうか。それぞれ見ていきましょう。

①タンパク質

タンパク質は肉や魚、豆類に多く含まれる栄養素です。

朝から肉は無理……という方は豆腐や納豆、油揚げなどであれば取り入れやすいでしょう。

また、身体が冷えないように温かい料理を意識することも大切です。みそ汁は多めに作っておくとその都度作る手間も省け、必要に応じて具材を足して変化を楽しめるので便利ですよ。

②ビタミンE

あまり何に入っているか想像しにくいビタミンのひとつかもしれませんが、身近な食材ではゴマやかぼちゃ、ナッツ類、アボカドに多く含まれます。

ゴマ和え、かぼちゃのスープ、アボカドのサラダにナッツを加えるなどはいかがでしょうか。
これからは鍋物が美味しい季節になりますので、ぽん酢などのつけダレに煎り胡麻や練り胡麻を多めに入れる、というのも手軽な方法です。

③ビタミンB群

ビタミンB1、B6、B12は、それぞれ含まれる食材が違います。

ビタミンB1は米のヌカ部分や豚肉、豆類に多く含まれます。
玄米そのままは苦手という方は、いつもの白米に玄米や胚芽米を少し混ぜたり、ビタミンB1が添加されているビタバァレーという麦をプラスするのも手です。
おうち時間を活用できるなら、ぬか漬けをご自宅で作るのもおすすめ。野菜プラスビタミンB1を手軽に摂ることができますよ。

ビタミンB6はマグロやカツオ、レバー、バナナなどに多く含まれます。
魚料理が苦手な方でもマグロであれば刺身のパック、カツオであればすでにたたきにしてあるものを選ぶと、家で調理をする手間が省けます。
また朝食や間食としてバナナを取り入れるのも良いでしょう。

ビタミンB12は牡蠣やアサリ、サンマ、レバーなどに多く含まれます。
牡蠣のチャウダー、サンマの塩焼き、定番のレバニラなど、寒い時期に栄養をたっぷりと摂ることができるメニューがおすすめです。

牡蠣は海のミルクともいわれるほどクリーミーで栄養価が高く、亜鉛などのミネラルを多く含むのが特徴です。
また、レバーは言わずと知れた鉄の給源。吸収率の高いヘム鉄が多く含まれていますので、女性で貧血持ちの方には特におすすめです。

栄養だけでなく生活習慣全体も見直して身体をいたわりましょう

残念ながら、肩こりは食事だけ完璧にしていれば改善する!というわけにはいきません。
これからの季節は気温が下がり、寒さで知らず知らずのうちに肩をぎゅっと縮めるような動作も増えるでしょう。そうすると肩の筋肉の緊張は増します。まずは下記のようなことから気をつけていきましょう。

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特に、寝る直前まで液晶画面を見るのはNG。脳が興奮状態になり、目にも負担がかかるため、質の良い睡眠を妨げる恐れがあります。
このように、食生活だけでなく生活習慣全体を見直し、毎日頑張る身体をいたわってあげると、自然と肩こりも和らいでいきますよ。

磯村 優貴恵(いそむら・ゆきえ)

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大学卒業後、大手痩身専門のサロンにて管理栄養士としてお客様の身体をサポート。その際に具体的な料理提案の必要性を感じ、飲食店の厨房にて約3年間の料理修行を行う。
その後、特定保健指導を経て独立。現在は、茶道教室にて茶事講座や茶事での茶懐石の献立提案~調理を行うほか、子供から大人まで家族みんながおいしく食べられて健康になれるよう、レシピ・商品開発や執筆など幅広く活動中。

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