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2021.03.05

ほうれん草と小松菜、牛乳よりもカルシウムが多いのはどっち?【管理栄養士がジャッジ Vol.31】

kencom公式:管理栄養士・長有里子

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葉物野菜の定番「ほうれん草」と「小松菜」は、見た目も非常に似ています。しかし栄養価が高いともてはやされるのは、ほうれん草が多い印象です。では、小松菜はどうなのでしょうか?

今回は、ほうれん草と小松菜を比べてみましょう。

ほうれん草と小松菜、牛乳よりもカルシウムが多いのはどっち?

正解は、小松菜

ほうれん草と小松菜は、どちらも緑黄色野菜です。ただ、ほうれん草は「緑黄色野菜の王様」ともいわれ、なにかと栄養の豊富さが注目されますよね。実は小松菜も負けてはいません!

王様と言われるほうれん草は小松菜よりも栄養価が高い成分が多々ありますが、たとえばカルシウムや鉄分、ビタミンCは小松菜の方が上です。

特にカルシウムは小松菜が170mgに対して、ほうれん草は49mg(100g中)。なんと小松菜の方が3倍以上も多く含まれています。カルシウム食品として代表的なのは牛乳ですが、これは牛乳100mlに含まれるカルシウム量110mgよりも多くなります。

ほうれん草に含まれる「葉酸」にも注目!

ほうれん草から発見された成分に「葉酸」というビタミンがあります。葉酸は、妊婦さんにとって大変重要な成分で、妊娠初期に葉酸が不足していると、胎児の障害のリスクが高まるとされています。

そして近年では胎児の障害予防だけでなく、脳梗塞や心筋梗塞予防、認知症予防にも有効だとして注目を集めている成分です。実際、埼玉県坂戸市では、葉酸の摂取をすすめる“坂戸市葉酸プロジェクト”という試みも実施されています。

ほうれん草は、この葉酸を豊富に含む代表食材。100g中ほうれん草には210μgに対し小松菜には110μgと、約2倍の葉酸が含まれています。

小松菜は「肉炒め」、ほうれん草は「ゴマ和え」で!

小松菜に多く含まれるカルシウムを活かすには、たんぱく質が豊富な「肉」と組み合わせると、美味しい&骨にも良いメニューになります。

骨はカルシウムとコラーゲンでできています。コラーゲンはたんぱく質とビタミンC、鉄分で作られますが、小松菜にはビタミンCと鉄分も含まれているため「小松菜の肉炒め」は、骨を強くするおかずとしておすすめです。

また、ほうれん草の定番料理にはお浸しやゴマ和えがありますが、葉酸を効率よくとるなら「ゴマ和え」のほうがおすすめ。ゴマも葉酸食材なので、葉酸が多い食材をダブルで摂取できる料理になります。ぜひごはん作りの参考にしてみてくださいね。

▼参考文献

旬の野菜の栄養事典(女子栄養大学名誉教授 吉田企世子監修/X-Knowledge)

過去の『管理栄養士がジャッジ』はこちらから

著者プロフィール

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■長 有里子(おさ・ゆりこ)
管理栄養士/sazukaru代表。
人気サイト「服部幸應先生の1週間ダイエットレシピ」の監修経歴、食と健康の総合ポータルサイト「イートスマート」立ち上げメンバー。サイトや書籍の栄養監修多数。現在はプレコンセプションケアにも力を入れている。

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