メニュー

2022.02.11

DHA・EPAで血流改善!脳卒中予防に。レンチンだけでできる魚のカレーマヨ弁当

kencom公式:管理栄養士・前田 量子

まだまだ寒い季節が続きます。
ところで冬は「脳卒中」が起こりやすいと言われているのをご存知でしょうか。

脳卒中は日本人には深刻な問題。日本人の死因順位および、介護が必要になった原因で上位に上がってくるほどです。
予防・改善のキーワードの一つが「血管」。動脈硬化などで血管が狭くなり、血流が悪くなったり、血栓が詰まったりすると脳卒中を引き起こすことがあります。
特に冬場は気温が低いため血管が収縮しやすく、血圧が上がった結果、脳卒中を引き起こしやすいと言われています。

血管をやわらかく保つのが大切

このように、血流を健やかに保つことが鍵となりますが、この血液の流れを滞りやすくしてしまうことで知られるのが「動脈硬化」。血管が硬くなってしまった状態のことです。

動脈硬化の改善・予防のためには、「食事」「運動」「ストレス対策」といった生活習慣の改善が良いとされています。
その中から食事改善として、動脈硬化予防に良い食材を使ったお弁当をご紹介します。

カジキマグロのレンチンカレーマヨ弁当

記事画像

材料(1人分)

記事画像

カジキマグロ 100g(小2切れ)
低カロリーマヨネーズ 大さじ1と1/3
カレー粉 少々
かたくり粉 適量

<副菜>
ほうれん草 80g
ぶなしめじ 40g
醤油 小さじ1
かつおぶし 少々

ごはん 200g

主な栄養素

エネルギー 542kcal
タンパク質 29.8g
ビタミンA 351μg
ビタミンC 49mg
食物繊維 7.2g
食塩相当量 1.9g

作り方

記事画像

1.カジキマグロのドリップをよくふき取り、塩胡椒(分量外)を両面に軽くする。

記事画像

2.かたくり粉をまぶし、マヨネーズとカレーを混ぜ合わせたものを裏面少々、表面にしっかりと塗る。耐熱皿に並べてふんわりとラップをする。
※ラップをしていないと、飛び散るので気を付けてください。

記事画像

3.電子レンジ600Wで1分40秒かける。取り出してしっかり冷ます。

副菜:ほうれん草ときのこの和え物

記事画像

4.ぶなしめじは石突きをとって食べやすい大きさにほぐし、ラップをふわりとして電子レンジ600Wで1分加熱する。

記事画像

5.ほうれん草はよく洗い、水気を軽くとってからラップをして電子レンジ600Wで1分40秒加熱する。

記事画像

6.取り出したら冷水をはったボウルに入れ、流水にかけながらラップを外して1分ほど冷やす。水気をしっかりとしぼってから3~4cmの長さに切っておく。

記事画像

7.ぶなしめじがしっかり冷め、水気がもしあるようだったら水気を切ってからほうれん草と醤油、かつおぶしと合わせる。
8.すべてしっかり冷ましてからお弁当に詰める。お好みで、大葉を添えると殺菌効果も期待できる。

このお弁当のポイントを解説!

1.魚を積極的に取り入れる

魚はタンパク質を豊富に含みますが、今回特に注目すべき栄養素はDHA・EPAです。

DHA・EPAは魚の脂質に含まれるもので、人間の体内で合成できないため外からとる必要があります。
DHA・EPAは血をサラサラにし、コレステロールの値を下げ、善玉コレステロールを増やしてくれる効果があると言われています。
また、血栓予防や中性脂肪を減らす働きも期待できます。

DHA・EPAは特にイワシやさんまなどの青魚に豊富に含まれるのですが、今回はお弁当という性質上、くさみが少ないカジキマグロを使っています。気にならないようだったら青魚を使っても良いでしょう。

2.食物繊維を多く取り入れる

食物繊維は血糖値上昇の抑制、血液中のコレステロール濃度の低下など、現代人の多くの悩みを解決してくれる頼もしい存在です。

動脈硬化の予防には、上記すべての役割が当てはまりますから、もちろん効果も期待できるでしょう。
現代人は食物繊維が4~7g不足していると言われています。このお弁当で摂れる食物繊維は7.2gとたっぷり含まれています。

3.減塩する

高血圧は血管に負担をかけてしまう結果、動脈硬化を促進させてしまいます。

高血圧予防に効果があるのはやはり減塩。今回のお弁当はカジキマグロにマヨネーズとカレー粉を合わせたり、和え物にかつおぶしを和えたり、塩が少なくても美味しく感じる工夫がなされています。

そのかわり、塩分が低いと雑菌が繁殖しやすくなりますので、しっかり冷ます、お弁当箱や詰めるお箸は衛生的にする。など食中毒予防はしっかりとしましょう。

4.旬の野菜を意識してとりいれる

野菜、特に緑黄色野菜に含まれるビタミンA、Cなどの抗酸化ビタミンは、動脈硬化を起こしやすくする過酸化物質を作り出すのを防ぐ効果があるとされています。
ほうれん草にはどちらもたっぷり含まれ、今回のお弁当で成人1日当たりの約半分がとれます。

また、旬の野菜には栄養素が多くなる傾向があります。ほうれん草に至っては、夏と比べ、冬のほうれん草はビタミンCが3倍含まれます。旬の野菜を意識して取り入れましょう。

5.カロリーは控えめに

肥満も動脈硬化を起こしやすくするリスクファクターです。

今回のお弁当はごはんが200gとたっぷりなのに542kcalと低カロリーです。自分の適正な量を知り、カロリー控えめを心がけましょう。

6.栄養素を逃さない工夫を

今回の調理は全て電子レンジを使いました。

電子レンジは栄養素が抜けにくい調理法と言われています。カジキマグロではかたくり粉をまぶしてから電子レンジにかけているので、魚油が失われにくいような工夫をしています。

ほうれん草もたっぷりのお湯で茹でると水溶性の栄養素が失われますが、電子レンジならその量も少なくなります。アクを抜くために水にさらす工程は避けられませんが、なるべく短時間にとどめてください。

魚はお刺身も◎毎日コツコツ取り入れて

今回はお弁当なので魚を加熱しましたが、DHA・EPAを効率よくとるのに一番いいのは新鮮なお刺身です。

お刺身は調理も簡単で取り入れやすいのも良いところです。魚をとるのは難しい、と思われがちですがそんなことはありません。こまめにコツコツが将来の健康を守ります。是非手軽に取り入れてくださいね。

▼過去の記事もあわせてチェック!

前田 量子(まえだ・りょうこ)

記事画像

管理栄養士 野菜ソムリエ ロジカル調理研究家。
著書『ロジカル調理』『ロジカル和食』『考えないお弁当』をはじめ、電子レンジの加熱時間や法則を書いた「ロジカル電子レンジ調理」が2022年2月に発売。調理科学で普段のもやもや悩みをすっきり解決 。スーパーの食材で本当に美味しく&家族が楽しみにしてくれる定番家庭料理を作れるようになる料理教室主宰。

この記事に関連するキーワード