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2020.12.18

しゃぶしゃぶとタラちり、脂肪を燃焼させやすい鍋はどっち?【管理栄養士がジャッジ Vol.26】

kencom公式:管理栄養士・長有里子

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この冬は「一人鍋」や個々に食べる「個鍋」への注目が集まっています。皆でお鍋を囲むことは難しくても、やはり鍋は冬の醍醐味を味わえるもの。

様々な味わいの鍋がある中で、定番の「しゃぶしゃぶ」と「タラちり」を比べた時、脂肪燃焼を期待できるのはどちらの鍋でしょうか?

しゃぶしゃぶとタラちり、脂肪を燃焼させやすい鍋はどっち?

正解は、しゃぶしゃぶ

しゃぶしゃぶは肉の脂が落ちるからヘルシー、タラは低脂肪だからヘルシーというイメージがあると思います。そのイメージはどちらも正解ですが、“脂肪燃焼”の面からみると牛肉を使ったしゃぶしゃぶに軍配が上がります。

その理由は、牛肉には「L-カルニチン」という脂肪の燃焼をスムーズに行うために必要な成分が多く含まれているからです。ただしこのL-カルニチンは、肉の骨格筋部分に多く含まれるので、肩ロースやサーロインなど脂身が多い部位よりも、もも肉などの赤身肉をメインにするとよいでしょう。

また、しゃぶしゃぶには豚肉バージョンもありますが、豚肉よりも牛肉のほうがL-カルニチンの量は多くなります。また豚肉についても、バラ肉より赤身部分が多いもも肉のほうが含有量は多くなります。

ご馳走続きなら、タラちり鍋がおすすめ

一方、タラは低脂肪高たんぱく食材。脂質の量は100gで0.2gと、魚介類の中でもトップクラスの脂質の少なさです。もちろん、タラちり鍋もダイエット向きですが、脂が少ないということは胃もたれしにくいということでもあります。

そのため、ご馳走が続きがちな師走には、ダイエットかつ胃のケアをかねてタラちりというのもよいでしょう。

しゃぶしゃぶとタラちり、ワンランクアップの食べ方

今年は家での食事で贅沢をする人が増えているとのことで「年の瀬は、豪華に黒毛和牛のしゃぶしゃぶ!」という方がいるかもしれません。

牛肉は、交雑種(比較的安価で販売されている国産牛)より黒毛和牛のほうがL-カルニチン含有量が多いという報告があるため、味はもちろん、栄養面からも黒毛和牛はおすすめです。

また、タラちりをいただく際は、タレのポン酢にひと工夫をしてみましょう。

タラちりはタラを筆頭に、野菜やきのこなど低脂肪の具材が多いですよね。もちろんダイエットにおすすめの具材ですが、そのまま食べるよりもごま油をプラスするのがおすすめです。それは、タラや野菜に含まれる脂溶性のビタミンは、油をプラスすることで吸収されやすくなるからです。

また、脂溶性ビタミンは風邪予防に効果的です。油によって食材の栄養を余すことなくいただくことができます。しゃぶしゃぶやタラちりを含め、鍋料理は簡単に栄養バランスが整うメニューなので、寒い時期におすすめですよ。

▼参考文献

過去の『管理栄養士がジャッジ』はこちらから

著者プロフィール

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■長 有里子(おさ・ゆりこ)
管理栄養士/sazukaru代表。
人気サイト「服部幸應先生の1週間ダイエットレシピ」の監修経歴、食と健康の総合ポータルサイト「イートスマート」立ち上げメンバー。サイトや書籍の栄養監修多数。現在はプレコンセプションケアにも力を入れている。

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