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2021.01.09

冬の玉手箱「カニ」の栄養素って何?

kencom公式:管理栄養士・磯村優貴恵

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寒くなると温かい食べ物が恋しくなりますね。
そして冬場、特に年末年始になると高級食材を目にする機会も増えてきますが、中でも「ごちそう」の代名詞のひとつが「カニ」ではないでしょうか。
甘みとうま味を併せ持つカニ。実は栄養もしっかりと含まれています!
特別な日だからこそ贅沢に味わいたい「カニ」の魅力についてお話します。

今が旬!冬のカニは栄養素もすごかった

そもそもカニってどれくらい種類がいる?

「○○ガニ」というと皆さんはいくつ思い浮かびますか?
カニと呼ばれるものには本当にたくさんの種類があるのですが、日本食品成分表に記載があり、私たちもよく目にするものは大きく分けて4種類です。

①がざみ(ワタリガニ)

甲羅の色がオリーブ色~青に近い色をしているのが特徴です。
晩秋~春に旬を迎えますが、内子をたっぷり味わいたいなら冬がオススメです。
カニならではのうま味と香りが特徴です。

②毛ガニ

全体が細かい毛で覆われており、北海道や岩手県を代表するカニとしても有名です。
身がおいしいのはもちろんですが、カニ味噌を味わいたい方は毛ガニがオススメです。
旬が特に限定されておらず、1年を通してどこかのエリアで水揚げされているため、カニ好きにとっては嬉しい存在ですね。

③ズワイガニ

ズワイガニの中でもさらにいくつかに分けられますがいくつかはブランドガニとして親しまれています。水揚げされた場所によって名前が変わるというのも面白いですね。
カニの身もたくさん食べたいけどカニ味噌も楽しみたい!という方はズワイガニがオススメです。
ブランドガニとして有名なものをいくつか挙げると以下のようなものがあります。

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ズワイガニの中でも加熱しなくても赤いカニがいますが、それは「ベニズワイガニ」という種類になります。

④タラバガニ

タラバガニは大きくて存在感のあるカニですが、分類上はヤドカリの仲間で実は足が1対少ないという特徴があります。
また生息地が「鱈(たら)」の漁場と重なることからこの名前がついたといわれています。
ヤドカリの仲間ということもあり、身体の構造上、タラバガニのカニ味噌はあまりおいしくないとも言われます。
ただ、脚が太く身がぎっしりと詰まっているので、カニの身をたっぷり楽しみたい方にはタラバガニがオススメです。

高タンパク低エネルギー!カニの栄養素

生のカニの身は100gあたり65kcal前後とエネルギーが低いにもかかわらず、タンパク質は14g前後、炭水化物は0.2g前後、脂質は0.5g前後ととてもヘルシーな食材です。
これならダイエット中の方や筋トレ中の方でも嬉しいですね。

そのほかの栄養素としてむくみ予防に役立つカリウムや若返りのビタミンとも呼ばれるビタミンE、効率の良いエネルギー作りやアルコールの分解、心の不調を助ける役割のあるナイアシン、貧血の予防にも役立つビタミンB12も含まれています。

また、アミノ酸の一種で肝臓の機能を助ける働きのある「タウリン」も含まれます。

さらにカニのきれいな赤色の色素成分はアスタキサンチンといいます。
アスタキサンチンは美容効果が期待される化粧品にも多く使われている成分で、抗酸化作用があります。

カニの身は柔らかくほぐれるため、アレルギーがなければ老若男女問わず食べやすいというのも嬉しいところです。

冬の食卓を彩るカニのオススメ食べ方

カニの食べ方は鮮度の良いものであれば刺身も可能ですが、普通は加熱調理することが多いです。
焼きガニ、茹でガニ、カニ鍋、みそ汁などシンプルな調理で美味しいのが嬉しいですね。

ただ、カニのうま味や栄養は水に溶けるものが多いので、できれば汁ごと味わえる鍋は手軽でオススメです。
鍋のベースを昆布のみのシンプルなものにしておくと、締めも色々な味付けで楽しめますよ。
締めにはカニのうま味がたっぷりと含まれているカニ雑炊なんていかがでしょう。

その他にも鍋で食べきれなかったカニはほぐして酢の物にする、カニチャーハンのように炒める、トマトクリームパスタにする、甲羅を活かしてカニの甲羅グラタンなどもよいですね。

疲れやすい年末年始にはカニを楽しもう!

何よりカニを食べる時は家族や仲間と一緒に楽しく過ごす時間だと思います。
身体の栄養と心の栄養を一緒に満たしてくれるカニはこの時期にぴったりですね。

少しお値段の張る食材ではありますが、1年の疲れを癒す、そしてこれからの1年を元気に乗り切るためにもカニを味わってみてはいかがでしょう。

磯村 優貴恵(いそむら・ゆきえ)

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大学卒業後、大手痩身専門のサロンにて管理栄養士としてお客様の身体をサポート。その際に具体的な料理提案の必要性を感じ、飲食店の厨房にて約3年間の料理修行を行う。
その後、特定保健指導を経て独立。現在は、茶道教室にて茶事講座や茶事での茶懐石の献立提案~調理を行うほか、子供から大人まで家族みんながおいしく食べられて健康になれるよう、レシピ・商品開発や執筆など幅広く活動中。

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