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2020.12.01

「冬バテ」を撃退!今日から出来る8つの習慣

kencom公式ライター:森下千佳

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冬に起こりがちな心身の不調である冬バテ。前編の冬バテチェックをやってみるとわかりますが、意外なほど該当する方が多いものです。この年末年始を元気に乗り越えるため、冬バテを改善&予防する8つの習慣を伺いました。
お話いただいたのは、前回に引き続き、医師で健康科学アドバイザーの福田千晶先生です。

■冬の不調「冬バテ」はなぜなる?原因を紹介した前編はこちら

生活習慣の改善が「冬バテ」解消&予防につながる!

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できることなら冬の不調を感じずに、元気に過ごしたいものです。そこでここでは冬バテを招く生活習慣の改善法として上記の8つをご紹介します。
12月に入り、さらに忙しなくなる前に出来る限り整えて、自分自身の健康管理をしっかりと行うようにしましょう。

①上手な衣服の調節で「寒さ」「暑さ」を我慢しない

周りの温度に合わせて、衣類を脱いだり着たり快適な温度が保てるように、上手に重ね着をしましょう。
使い捨てカイロなどの温熱グッズや、マフラー、手袋なども効果的です。

時々、「ちょっとそこまで行くだけ」と、寒さを我慢して薄着のまま外出をしたり、「面倒だから」と暖かい室内でも厚いセーターのままで過ごしている方がいます。しかし、これらは身体に負担をかける行為。
寒さ暑さにもっと敏感になって環境に合わせた格好をする事が、自分の身体を疲れさせないコツです。

②一日の終わりは湯船で身体を温め、リラックス

冬はシャワーで済ませずに、なるべく温かいお湯に浸かって1日の疲れを流してほしいと思います。40〜41℃くらいの、ややぬるめのお湯に長めに浸かると、上がった後も長時間温かい状態を保てるのでおすすめです。
熱すぎるお湯に入ると、湯船から出た途端に身体が熱を逃がそうとして汗をかき、逆に冷えてしまうので注意してください。

バスタイムのリラックス効果を高めるために、お好きな入浴剤を使うのも良いでしょう。
お好きな香りのバスソルトや、高濃度の炭酸の入ったものなども血行促進にも効果的です。楽しみながら取り入れて欲しいと思います。

③適度な運動で身体を温める&ほぐす

日照時間が短いために、冬はどうしても運動不足になりがちです。突然ハードなスポーツを始める必要はありませんが、意識して階段を使ったり、少し遠いスーパーまで買い物に出かけたりなどの、ちょっとした工夫をしてみましょう。
筋肉を鍛える事で、疲れにくく、冷えにくい身体になっていきます。

特に、コロナ太りしてしまった方は、身体を動かして早めに体重を戻すことを心がけましょう。体重が増えたということは、同じ重さの荷物を常に背負っていることと同義で、バテやすさの原因になります。
また、仕事で身体を使っている人は、よく使う筋肉だけに負担がかかっている可能性があります。全身をくまなく動かせるラジオ体操や、ヨガ、ストレッチなど全身をほぐすような運動を取り入れると、疲労回復に繋がります。
無理せず続けられる事を見つけてみましょう。

④胃腸に優しい食事を心がけ、お酒は控えめに

食事を楽しく美味しく食べる事は、冬バテ解消の基本です。
どうしても、この時期は忘年会などで外食が多くなり、食べ過ぎたり、お肉などの脂っこい食事が増えて胃腸が弱りがち。せめて家庭では消化が良く、身体に優しいメニューを心がけましょう。
煮野菜がたくさん取れて栄養バランスの良い、お鍋や雑炊、おじやがおすすめです。

お酒の飲みすぎにも十分に注意しましょう。過度なアルコールは内臓を疲れさせ、冬バテに繋がる恐れがあります。嗜む程度に留めておきましょう。

⑤忙しい年末年始は、「枕元メモ」で乗り切ろう!

睡眠不足が続くと健康な心身に大きな影響を及ぼします。年末年始は特に仕事もプライベートも忙しくなり、ストレスを溜めがちで「やらなくてはいけない事が気になって、眠れなくなってしまう」と相談にいらっしゃる方がたくさんいます。そんな時の対処法として、おすすめするのは「枕元メモ」です。

方法は簡単。
(1)枕元にメモ帳をおき、寝る前に、やらなくてはいけない事を全て書き出す。
(2)書き出したら、一旦全部忘れる。
というたった2つのルールだけです。
これを行う事で頭が整理され、気持ちが落ち着き、眠れるものです。メモは携帯電話などの電子機器にするのではなく、手書きの方がリラックス効果が高いようです。
効果絶大なので、ぜひ試してみてください。

⑥姿勢を良くして、ゆっくりとした呼吸を心がける

長時間のデスクワークや寒さで、どうしても身体が縮こまって猫背になり、気持ちまで沈みがちです。
こんな時期だからこそ、思い切って胸を開き、綺麗な空気の中で、ゆっくりと鼻から深呼吸をしてリラックスしてみてください。

急いでいる時には、呼吸が浅く、口呼吸になりがちです。仕事の合間や寝る前などに、数回深呼吸を行うだけでも気持ちに余裕が持てるようになりますよ。

⑦外に出て日光浴をしよう

冬はただでさえ日照不足になりやすいのですが、今年はリモートワークなどの影響で日を浴びる機会が減少している印象を受けます。
天気の良い日は、休憩時間に出来るだけ屋外や窓辺に出て、日光をしっかり浴びて体内時計の乱れを予防しましょう。

その際に、大きく腕を振って歩いたり、ストレッチを行うと全身の血の巡りがよくなり、さらに自律神経を整える効果が期待できます。

⑧ゆとりのあるスケジュール管理を

もともと身体への負担が大きい冬ですから、これ以上負担をかけないためにスケジュールはゆとりを持って考えていきましょう。
せめて慌ただしさだけでもなくなるように備えることが、大変大切です。

同じ事をするにも、慌ただしいとイライラしたりミスが起きたりと余計に時間がかかるもの。そういった悪循環を断ち切るためにもゆとりが必要となります。
日照時間も短くなって、使える時間が短い中でゆとりを持つというのは難しいかもしれませんが、ちょっと一工夫してみましょう。

最も簡単な方法は少し早めに準備をしたり、物事に計画的に取り組んでいくこと。これらが習慣づくと、意外なほど時間があるのを感じられるはずです。

「冬バテ」解消&予防8つの習慣で元気な新年を迎えよう

「冬バテ」を予防する8つの習慣いかがでしたか?
一つ一つは今日から始められる事ばかり。全部の習慣に共通するのは、自分の身体を大切なものとして扱ってあげるということ。

忙しい年末年始だからこそ、しっかりと自分を労って元気に新しい年に備えましょう!

福田 千晶(ふくだ・ちあき)先生

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医学博士・健康科学アドバイザー
医師として診療、産業医業務を行うとともに健康科学アドバイザーとして講演や執筆活動も行う。日本医師会認定産業医、日本医師会健康スポーツ医、日本リハビリテーション医学会専門医、日本人間ドック学会専門医、日本東洋医学会漢方専門医。著書・監修書は多数。

著者プロフィール

■森下千佳(もりした・ちか)
フリーエディター。お茶の水女子大学理学部卒。テレビ局に入社し、報道部記者として事件・事故を取材。女性ならではの目線で、取材先の言葉や見過ごされがちな出来事を引き出す事を得意とする。退社後、ニューヨークに移住。当時、日本ではなかなか手に入らなかったオーガニック商品を日本に届けるベンチャー企業の立ち上げに関わる。帰国後、子宮頸がん検診の啓発活動を手がける一般社団法人の理事を経て現職。一児の母。

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