メニュー

2020.12.01

その症状「冬バテ」かも!?夏だけじゃない、身体がバテる原因と対策を知る

kencom公式ライター:森下千佳

記事画像

本格的な冬が近づき、なんとなく「疲れている」「やる気が出ない」「イライラする」……、そんな症状はありませんか?
実はこれ、多くの人がこの季節にかかる「冬バテ」が原因かもしれません。「夏バテ」とは違ってあまり聞きなれない言葉ですが、「冬バテ」とは一体どんなものなのでしょうか。
その症状や予防法などについて、健康アドバイザーとして活動する医師の福田千晶先生にお話を聞きました。

福田 千晶(ふくだ・ちあき)先生

記事画像

医学博士・健康科学アドバイザー
医師として診療、産業医業務を行うとともに健康科学アドバイザーとして講演や執筆活動も行う。日本医師会認定産業医、日本医師会健康スポーツ医、日本リハビリテーション医学会専門医、日本人間ドック学会専門医、日本東洋医学会漢方専門医。著書・監修書は多数。

冬に起こりがちな体調不良「冬バテ」とは?

晩秋から春先ごろに起こる肉体的な不調に加え、「気分が落ち込む」「やる気が出ない」などの精神的な不調も全部含めて「冬バテ」と言います。
「夏バテ」と同じく、これらは西洋医学的には病名としての診断はつきませんが、代表的な症状として次のようなものがあります。

記事画像

「冬バテ」による症状は、自分の身体の一番弱いところに出てくることが多いので、例えば、アトピー性皮膚炎のある方はアトピーが悪くなったり、血圧が高い人はより高くなるなど、様々な不調につながることが考えられます。

「冬バテ」の原因は5つの要素にあり

では、なぜ冬バテが起こるのかというと、主な原因は冬という季節に起こりやすい5つの要素にあります。これらが自律神経の乱れを引き起こし、冬バテを招くのです。

①寒さによるストレス

12~2月の極寒期は、人間にとって「寒さ」という環境ストレスが最もかかっている時期。外界の寒さに対して、身体はなんとか体温や血圧を一定に保とうとするため、筋肉や自律神経などの様々な防御機能がフル活動することになります。

例えば、寒いとガタガタ震えますよね?
筋肉が収縮して熱を作り出す現象ですが、これは長時間小さな筋力トレーニングを続けているようなもの。気がつかないうちに体力を使っていて疲れてしまうのです。

また、コートやジャケットなど衣服を重ねることによる重みも、身体に負担をかけます。こういった寒さに対して対処する事の全般が、冬バテの要因となります。

②温度差

暖房が効いている暖かい室内と、寒い屋外との温度差も原因の一つです。
それぞれの温度に合わせなくてはいけないことが身体にとっては大きな負担となり、疲れに繋がります。

③日照時間の減少

冬は日照時間が短くなることに加え、地域によっては晴れの日が少なくなったり、雪が降ってしまったりなど、外で活動できる時間が少なくなって、どうしても運動不足になりがちです。
すると、日光を浴びることと、適度な運動を行うことで活性化される「幸せホルモン=セロトニン」の分泌が減ってしまい、気分の低下が起こったり、夜にぐっすり眠れないなどの不調が起こりやすくなるのです。

④生活リズムの乱れ

冬はクリスマスやお正月、年末年始の休みなどイベントごとが多いため、結果的に仕事が忙しくなるケースが多い季節でもあります。イベントの準備や、忘年会、大掃除、年賀状作りなど、やらなくてはいけないことが増えると生活リズムが乱れやすくなるもの。
結果、ストレスがたまりやすくなって免疫力が下がるうえ、普段以上の体力を使ってしまい冬バテにつながってしまうのです。

⑤新型コロナウイルスによる疲れ

今年は特に新型コロナウイルスへの感染対策による活動の制限によって、不調を訴えている人が増えています。
運動ができない、マスクをしなくてはいけないなどの物理的なストレスに加え、自由に人と会えない、外出できない事による精神的なストレスが積み重なって、例年以上に気分が落ち込んでしまう環境になっています。

「冬バテ」の放置が大きな病気を招くことも

冬バテによる不調の一つ一つは小さいものでも、放置してしまうと治りにくくなったり、大きなダメージとなってしまったりすることがあります。

例えば、うつ病をはじめとするメンタル疾患や、睡眠障害、ひどい腰痛、慢性疲労症候群。また、女性の場合は、生理痛がひどくなったり、生理不順、更年期障害に繋がることもあります。

また、この時期は感染症へのリスクが上がることも考えられます。
冬バテにより免疫機能が低下すると、風邪や、インフルエンザ、新型コロナウイルスなどの感染症にもかかりやすく、重症化する可能性もあります。

お疲れ具合を診断!「冬バテ」チェック!

記事画像

この1ヵ月を振り返って、思い当たる項目にチェックをつけてみましょう。
当てはまった項目が、3つ以上ある方は要注意。今すでに冬バテになっているかもしれません。

「冬バテ」解消&予防法は、後編でチェック!

あなたの冬バテチェックはいかがでしたか?
改めてチェックしてみると、自分自身の不調に気がついた方も多いかと思います。

冬バテを防いで年末年始を元気に過ごすために、どのようなことを心がければよいのでしょうか?
後編では、今日から出来る8つの習慣をお伝えします。

■こんな簡単でOK --冬バテ後編はこちら--

著者プロフィール

■森下千佳(もりした・ちか)
フリーエディター。お茶の水女子大学理学部卒。テレビ局に入社し、報道部記者として事件・事故を取材。女性ならではの目線で、取材先の言葉や見過ごされがちな出来事を引き出す事を得意とする。退社後、ニューヨークに移住。当時、日本ではなかなか手に入らなかったオーガニック商品を日本に届けるベンチャー企業の立ち上げに関わる。帰国後、子宮頸がん検診の啓発活動を手がける一般社団法人の理事を経て現職。一児の母。

この記事に関連するキーワード