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2020.07.09

毎日食べたい!納豆の免疫力アップ作用とは?

ILACY

栄養満点と広く知られている納豆。イソフラボンやナットウキナーゼ、植物性たんぱく質など、女性の体にとってメリットのある栄養素が多く含まれており、健康と美容をサポートしてくれる食材です。

また、最近では生活習慣病や感染症などの予防につながる、免疫力を高める食材としても注目を集めています。

今回は、株式会社アドバンスト・メディカル・ケアの管理栄養士・山田が、納豆が免疫力をアップさせることにつながり、女性が積極的に食べるべき理由を解説。さらに、フードコーディネーターの清水加奈子さんに、納豆に栄養価の高い食材を合わせた「免疫力アップが期待できるレシピ」を教えていただきました。

生きたまま腸に届いて免疫力を強化

人間の免疫細胞の、約7割が腸内にあるといわれています。そのため、免疫力を高めるには、腸内の善玉菌が悪玉菌よりも優位になっている状態、つまり腸内環境が整っていることが重要なのです。

腸を整えるのに食べるといいとされる発酵食品の中でも、特に納豆には高い作用があるそう。

「納豆を作るのに必要な納豆菌は、強い胃酸に負けずに腸まで届き、しっかり作用してくれます。免疫力の高い腸は、ビフィズス菌をはじめとする善玉菌が活発であることが重要なのですが、そのためには腸内が酸性に保たれていることが必要。納豆菌には腸内を酸性にする作用があるといわれているんです」

腸内環境が整っていると免疫力が高まるのはなぜなのでしょうか。仕組みは次のようなものだといいます。

「免疫力が働くためには、善玉菌が優位な腸内環境であることはもちろん、腸の上皮細胞が活性化していることも必要になってきます。

というのも、腸の上皮細胞の表面には粘液があって、この粘液には腸内に侵入してきた病原菌が体内に入らないよう、殺菌物質やウイルスを不活化させる物質が含まれているんです。

その腸の上皮細胞を活性化させるには、腸内環境が整っていることが必要不可欠なことから、腸内環境は免疫力と密接な関係があると考えられています」

便秘改善、エイジングケア...女性の味方になる成分も

納豆に含まれる栄養素の代表ともいえるイソフラボンは、女性ホルモン(エストロゲン)に似た働きをすることで有名です。

エストロゲンには、生理や妊娠・出産といったものをコントロールするほか、コラーゲンを増やして肌の潤いを保つ、髪にツヤやハリをもたらすといった作用がありますが、更年期を迎えてエストロゲンの分泌が減少すると、こうした働きも弱まってしまいます。

「イソフラボンをとることで、エストロゲンの減少によって低下した働きを補うことができます。美肌や美髪といった美容効果があるといわれているのもそのためです。

ほかにも、ホットフラッシュや倦怠感、骨粗しょう症といった更年期症状の改善も期待できますよ」

さらに、食物繊維やサポニン、レシチンという成分にも注目です!

「納豆には、食物繊維も豊富に含まれています。腸のぜん動運動(※)に関わる不溶性食物繊維、便をやわらかくする水溶性食物繊維の両方をとることができるので、女性が悩みやすい便秘対策には有効といえますね。

一方、サポニンには、コレステロールや中性脂肪、血圧を抑制することにつながるほか、レシチンにはコレステロール対策のほか、肝機能の向上や記憶力の低下を予防する効果があるといわれています」

※腸のぜん動運動...腸の収縮・弛緩を繰り返すことによって消化した食物を体外へ排出する動き。

そして、納豆は発酵食品であることも大きなポイント。

全般的に栄養価が高いとされる大豆製品には、納豆以外にも豆腐や豆乳などさまざまなものがありますが、未発酵の状態では消化作用を妨害し、大豆のたんぱく質や炭水化物の消化を妨げることもあるといいます。

そういった、マイナス面をクリアにしてくれるのが発酵の力。さらに、発酵によって大豆の栄養価も増すのだそうです。

「発酵によって、納豆のネバネバ成分であるポリグルタミン酸が増えます。これは旨味成分で、納豆のおいしさの決め手となる成分のひとつ。

また、ポリグルタミン酸にはたんぱく質分解酵素であるナットウキナーゼが含まれているので、体内に溜まった老廃物を排出するデトックス効果も期待できます。このナットウキナーゼには、血栓ができるのを防いでくれる働きもあると考えられており、血液をサラサラに保つのに有用な酵素です。

このほか、代謝を促すビタミンB2、細胞の生まれ変わりに不可欠なポリアミンも、発酵によって含有量が増えるので、ダイエットやエイジングケアにおすすめです」

毎日欠かさず食べる!納豆の栄養を損なわない食べ方とは?

最近では、さまざまな種類が売られている納豆ですが、何を選んでも納豆自体の栄養価が変わることはないとのこと。ただし、食べ方には気を付ける必要があります。

「納豆に含まれるナットウキナーゼは、70℃に達すると死滅してしまいます。そのため、できれば加熱せずにそのまま食べるのが理想です。

また、購入後も発酵は進んでいますので、賞味期限が近い物のほうが、栄養が増しているともいわれているんですよ。

また、体にいいからといって食べすぎるのも良くありません。イソフラボンのとりすぎは子宮内膜症や乳がんのリスクにつながるため、1日2パック程度にとどめるようにしましょう」

ちなみに、納豆は冷凍保存が可能。におい移りしないよう、容器のまま密封パックに入れて冷凍すれば、1ヵ月程度なら風味を損ないません。食べるときは加熱せず、自然解凍してくださいね。

そのままでも栄養満点の納豆ですが、食べるときにプラスすると相乗効果をもたらす食材もあります。

「特におすすめしたいのが、黒酢です。納豆と黒酢には、血液をサラサラにする働きがあることに加え、整腸作用も期待できます。

また、納豆には腸内の善玉菌の増殖を助ける働きがありますから、キムチと混ぜて食べたり、納豆のあとにヨーグルトを食べたりするなど、ほかの発酵食品と組み合わせるとより効果的だと思います」

そして、食べる時間帯によっても得られる効果が変わってくるのだとか。

「たんぱく質が不足しがちな朝に食べるのもいいのですが、腸内環境を整える意味では、夜のほうがおすすめです。なぜなら、ビフィズス菌などの善玉菌が増えるのは、寝ているあいだといわれているから。また、血栓ができやすいのが夜なので、その前にナットウキナーゼを摂取することで、その予防にも役立ちます。

そのため、免疫力を高めることを期待するのであれば、夜に食べるほうがベター。そして、腸内に取り入れた菌のパワーを持続させるためにも、毎日欠かさず食べることが大切です」

W発酵食品が◎!「納豆キムチの冷やしトマトおろしそば」

ここからはフードコーディネーターの清水加奈子さんに、納豆を使ったオリジナルレシピを教えていただきます。今回は、納豆とそのほかの発酵食品との合わせ技でさらに栄養価を高める、暑い季節にぴったりのメニュー!

<材料(2人分)>

そば(流水でほぐすだけでOKのタイプ)...2玉
納豆...2パック
キムチ...10g
トマト(中)...1個
水菜...1株
A
麺つゆ(3倍希釈)...大さじ4
水...大さじ2

<作り方>

1. トマトはヘタを取ってラップに包み、冷凍する。

2. そばを流水でさっとすすいで氷水にくぐらせ、ザルにあけて水気を切る。水菜は3cmに切る。納豆はタレを加えてよく混ぜる。Aを混ぜて冷蔵庫で冷やしておく。

3. 冷凍したトマトを室温に5分置く。トマトの表面が少し溶けてきたら、皮をつまんで優しくむき、すりおろす。

4. 器にそばを盛り、納豆、キムチ、水菜をのせ、「3」と麺つゆをかける。

「トマトを冷凍してすりおろすと、トマトの細胞が壊れ、含まれているグルタミン酸の旨味がよく感じられるほか、麺つゆの味にもコクが出ますよ」と清水さん。

山田もおすすめしていたキムチとのコンビでさらに栄養価アップ!1食で1パック分の納豆を使用するので満足感が高く、腹持ちもするので、平日のランチなどにおすすめですよ。

流水でほぐすだけのそばを使えば加熱も必要ないので、調理の手間はかなり減ります。ぜひお試しください!

<レシピ監修>

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フードコーディネーター 清水加奈子(しみず かなこ)

管理栄養士でもあり、調理師、中医薬膳師の資格も持つフードコーディネーター。アイディアレシピやダイエットレシピの提案からフードスタイリングまで幅広くこなし、食関連の企業サイトや雑誌などで活躍中。

<記事監修>

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管理栄養士 山田

(株)アドバンスト・メディカル・ケア所属。家族が高血圧気味だったため、食事改善をおこなったところ、数値が良くなったことをきっかけに管理栄養士を目指す。短大卒業後、医療施設で病院食の栄養管理や、保育園で子供たちへ提供する給食作りに携わる。2017年より東京ミッドタウンクリニックに併設するサプリメントショップ「ヘルスケアショップTMMC Plus」に勤務。健康・美容・ダイエットなど、幅広い相談を管理栄養士の立場からサポートしている。

<ヘルスケアショップTMMC Plus>

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