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2020.06.12

牛乳と豆乳、カルシウムが多いのはどっち?

kencom公式:管理栄養士・長有里子

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牛乳と豆乳は見た目がそっくりですよね。では見た目と同様、栄養も似ているのでしょうか?今回は牛乳と豆乳の栄養についてご紹介します。

牛乳と豆乳、カルシウムが多いのはどっち?

正解は牛乳

牛乳に骨を強くするカルシウムが多いということはあまりにも有名ですよね。
ただ、私が栄養指導をしていると「豆乳を飲んでいるので、カルシウムはとれています」や「牛乳は苦手なので、豆乳からカルシウムをとっています」とおっしゃる方がいらっしゃいます。同じ白い色なので、カルシウムも多いと思われているよう。しかし、豆乳にはあまりカルシウムは含まれていません。

100gで比べると、牛乳はカルシウムが110㎎に対して豆乳は15㎎と、圧倒的に牛乳の勝ち!

1日のカルシウムの推奨量は男性が約750㎎、女性は650㎎なので、牛乳コップ一杯(200ml)で一日の1/3ほどを摂ることができます。やはり牛乳は、効率の良いカルシウム源なのです。

補足:1日のカルシウムの推奨量は、男性18-29歳は800㎎、30-74歳は750㎎、女性18-74歳は650㎎です。

鉄分対決なら豆乳の勝利!

一方、豆乳に多い成分には鉄分があります。豆乳には100g中1.2㎎の鉄分が含まれるのに対し、牛乳はわずか0.02㎎と豆乳の圧勝!

また、鉄分の多い食材といえば、ほうれん草やレバーが有名ですよね。例えばほうれん草には、100g中2.0㎎、鶏レバーは9.0㎎の鉄分が含まれています。豆乳はこれらに及ばないものの、豆乳をはじめとする大豆や納豆、油揚げといった大豆製品にも豊富に含まれています。

とくに女性は鉄分が不足しがちな傾向にあるため、鉄分が気になる人は、コップ1杯の豆乳から飲んでみては?コップ1杯(200ml)で、男性なら1日の約1/3、女性なら約1/4の鉄分を摂ることができます。

補足:1日の鉄分の推奨量は、男性18-74歳は7.5㎎、女性18-49歳(月経がある方)は10.5㎎です。

牛乳と豆乳、選ぶ際のポインントは?

牛乳の脂肪分が気になるなら「低脂肪牛乳」を!

「牛乳を飲むと太る」や「豆乳のほうがヘルシー」…このイメージのひとつに脂質が多いことがあげられるでしょう。

たしかに牛乳と豆乳を比べると、牛乳の方が脂質は約2倍含まれます。また豆乳はコレステロールがゼロですが、牛乳にはコレステロールが含まれます。

ただし低脂肪の牛乳であれば、豆乳よりも脂肪分は少なくカルシウム量も変わりません。また低脂肪の牛乳は普通の牛乳に比べ、脂に溶けるビタミンは多少少なくはなりますが、コレステロール量も半分になります。そのため体脂肪が気になる方やダイエット中の方は、低脂肪の牛乳を選ぶとよいでしょう。

ヘルシーさで選ぶなら「無調整豆乳」を!

また、ヘルシーなイメージのある豆乳ですが、豆乳には3つの種類があり、それぞれ違いがあります。

・無調整豆乳…豆乳に水以外のものを加えていないもの。
・調製豆乳…豆乳に砂糖や塩、油脂、香料などを加えて飲みやすくしたもの。普通の牛乳とカロリーや脂質、糖質はほぼ同じ。
・豆乳飲料…調整豆乳に果汁やコーヒーなどを加えたもの。鉄分はほとんど含まれない。

「無調整豆乳」は、この3つの中で一番高たんぱく・低脂質ですが、大豆の風味が強く、人によっては飲みにくさを感じることも。

「調製豆乳」「豆乳飲料」は砂糖などが入っているので飲みやすい反面、糖質が高くなります。鉄分やたんぱく質をとりながらも脂肪分を抑えたいなら「無調整豆乳」がおすすめです。

もし、低脂肪牛乳はコクが少なく物足りない、無調整豆乳は大豆風味が強くて飲みにくいと感じたら、低脂肪牛乳と無調整豆乳を1:1で混ぜて飲むと、お互いのデメリットが打ち消され、おいしくいただけますよ。ぜひお試しくださいね。

▼参考文献

過去の『管理栄養士がジャッジ』はこちらからどうぞ

著者プロフィール

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■長 有里子(おさ・ゆりこ)
管理栄養士/sazukaru代表。
人気サイト「服部幸應先生の1週間ダイエットレシピ」の監修経歴、食と健康の総合ポータルサイト「イートスマート」立ち上げメンバー。サイトや書籍の栄養監修多数。現在はプレコンセプションケアにも力を入れている。

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