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2022.06.17

ラーメンとパン、塩分が高いのはどっち?【管理栄養士がジャッジ Vol.60】

kencom公式:管理栄養士・長有里子

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国民食である「ラーメン」には、塩分が多いというイメージを誰もがお持ちだと思います。ラーメンのスープを飲み干したい気持ちをグッと我慢している方も多いことでしょう。では、同じく皆に好まれる「パン」ではどうでしょうか?意外と塩分が含まれていることは盲点かもしれません。

今回は、手軽に食べられるこれらの塩分量を比べてみましょう。

ラーメンとパン、塩分が高いのはどっち?

正解は、ラーメン

皆さんのイメージ通り、ラーメンは塩分の多いメニューの代表です。ただ、多いといっても実際にはどのくらいの塩分が含まれているのかご存知ですか?

1日の塩分の目標量は、成人男性なら7.5g未満、成人女性なら6.5g未満。ラーメン一杯に含まれる塩分量は6g前後なので、それだけで1日の塩分をほぼ摂ってしまうことになります。

ただしこの塩分量は、スープをすべて飲んだ場合です。

ラーメンのスープがおいしいのはよくわかります。そして、スープはラーメン屋さんにとって大切な味の要素です。そんなこだわりのスープを残すというのは申し訳ない気持ちになりますが、塩分過多にならないよう、スープは残すのが賢明です。

ラーメンを健康的に食べるコツは?

ラーメンは塩分が高いとはいえ、やはり食べたくなるもの。そんなとき意識してもらいたいことがあります。それはトッピング食材。ワカメやほうれん草、ネギのトッピングがあればぜひプラスしましょう!

野菜や海藻には、余分な塩分を排出してくれる働きのある「カリウム」という成分が多く含まれます。ベーシックなラーメンだと具材の量が多くないため、何か1つでも野菜や海藻をトッピングできると健康的になります。

実はパンも塩分が高い!?

ラーメンに塩分が多いというのは予想通りだったはず。では、パンはどうでしょう。一回に食べる目安量で塩分を見てみましょう。

・食パン1枚(60g)0.7g
・ロールパン2個(60g)0.7g
・フランスパン2切れ(60g)1g

パンを作る上で、塩は発酵状態を整えたりコシを出したりするために必要です。そして、ラーメンと比べるとはるかに少ない量ですが、意外と使用量は多いのです。またパンを食べるときにバターを塗ったり、ハムやチーズをのせたりと、トッピングや一緒に食べる料理によっても塩分量は増えます。

実際、ある調査によると、食事での総塩分量に対して寄与率の高い食品群は、1番目が調味料、2番目が魚介類、3番目は男性がめん類、女性がパン類だったという結果もあるほど。つまりこの調査では、男性はめん類から塩分を摂りやすく、女性はパンから塩分を摂りやすい食生活になっていることがわかりました。

そしてパンを食べるときもラーメン同様、サラダや野菜スープなどを組み合わせられるとカリウムを摂りやすくなります。ご自身が取り入れやすい工夫をして、お好きなものを健康的に食べられるといいですね。

▼参考文献

過去の『管理栄養士がジャッジ』はこちらから

著者プロフィール

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■長 有里子(おさ・ゆりこ)
管理栄養士/sazukaru代表。
人気サイト「服部幸應先生の1週間ダイエットレシピ」の監修経歴、食と健康の総合ポータルサイト「イートスマート」立ち上げメンバー。サイトや書籍の栄養監修多数。現在はプレコンセプションケアにも力を入れている。

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