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2022.02.18

アイスクリームとゼリー、風邪の時におすすめなのはどっち?【管理栄養士がジャッジ Vol.52】

kencom公式:管理栄養士・長有里子

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まだまだ寒さが身にしみる2月は、体調管理に気を付けたいですね。しかし風邪などで体調を崩し、「食欲はないが甘いものなら食べられる…」といった場合、どのようなものが良いでしょうか?

今回はアイスクリームとゼリーで比べてみましょう。

アイスクリームとゼリー、風邪の時におすすめなのはどっち?

正解は、ゼリー

風邪をひいて食欲がないときには、お粥が良いとよく言われますよね。

体調不良で胃腸の働きが弱っている時は、油脂分や食物繊維の多いものを食べると消化に時間がかかり、胃腸への負担が大きくなります。そのため風邪のときには、カロリーを摂りつつも油脂分や食物繊維の少ない食べ物がおすすめ。お粥であれば、油脂分や食物繊維が少ないうえに水分も摂れるので、体にやさしいといえます。

ではゼリーとアイスクリームではどうでしょう。

どちらも食物繊維をほとんど含んでいません。油脂分で見るとゼリーの方が少ないため、アイスクリームよりもおすすめといえます。ただし、冷たい食べ物は体を冷やしかねないため、温かいお茶などを組み合わせて食べるようにしましょう。

アイスクリームも乳製品や卵などの栄養が摂れるという面で悪いことはありませんが、食欲がないときにはゼリーの方が体への負担が少ないといえます。

アイスクリームとゼリーのカロリーは?

ゼリーは油脂分が少ないため、カロリーも低いのが特徴です。

例えばオレンジゼリーであれば100g中79kcal。それに対してアイスクリーム(普通脂肪)は178kcal、アイスクリーム(高脂肪)は205kcalと格段にカロリーが高くなります。

逆に、アイスクリームには乳製品が使われているため、ゼリーよりもカルシウムが多く含まれています。オレンジゼリーには100g中9mgのところ、アイスクリーム(普通脂肪)には140mg、アイスクリーム(高脂肪)には130mg含まれ、その量は牛乳よりも多くなります。

アイスクリームには3つの種類がある

コンビニやスーパーなどでアイスクリームをついつい買ってしまうという方は多いでしょう。ただ、”アイス”と呼ばれるものは3つの種類があることをご存知ですか?

乳固形分が3.0%以上あるものが「アイスクリーム類」とされていますが、乳固形分と乳脂肪分の割合によって「アイスクリーム」「アイスミルク」「ラクトアイス」に分けられています。

・アイスクリーム…乳固形分 15.0%以上、うち乳脂肪分 8.0%以上のもの
・アイスミルク…乳固形分 10.0%以上、うち乳脂肪分 3.0%以上
・ラクトアイス…乳固形分 3.0%以上、乳脂肪分の基準はなし

この種類の違いは、パッケージの食品表示の種類別の部分に記載があります。

アイスミルクやラクトアイスは乳脂肪分の占める割合が少ないので、低カロリーのようなイメージを持たれるかもしれませんが、乳脂肪の代わりに植物性脂肪を使用しているケースがあり、意外とカロリーがあるものもあります。

例えば100gで比較した場合、ラクトアイス(普通脂肪)は217kcalに対し、アイスクリーム(高脂肪)は205kcalになるため、カロリーが気になる方は確認を。

以上のことから、風邪をひいてしまった時は水分不足にならないよう注意し、消化の良いものから食べはじめ、少しずつ栄養を摂れるようにしましょう!

▼参考文献

過去の『管理栄養士がジャッジ』はこちらから

著者プロフィール

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■長 有里子(おさ・ゆりこ)
管理栄養士/sazukaru代表。
人気サイト「服部幸應先生の1週間ダイエットレシピ」の監修経歴、食と健康の総合ポータルサイト「イートスマート」立ち上げメンバー。サイトや書籍の栄養監修多数。現在はプレコンセプションケアにも力を入れている。

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