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2021.10.18

歯ぎしりが睡眠不足を引き起こす?【眠りの秘めたる力#24】

kencom公式:睡眠改善インストラクター・西谷綾子

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朝晩、肌寒いくらいの季節となり、夏と比べて眠りやすくなりましたね。
でも、しっかり眠っているはずなのになんだか熟睡感がなく、昼間眠いという方いらっしゃいませんか?もしかするとその原因は「歯ぎしり」 かもしれません。

就寝中に歯が削れている?

一人で眠っている場合は、歯ぎしりをしているかどうかわかりにくいですが、歯医者さんから「歯がすり減っていますね」と言われて気づく方や、起きた時あごが筋肉痛のようにだるくなっていたりする方がいます。

私は、歯医者さんから言われて、寝ている間に歯ぎしりをしていることを知りビックリしました。

睡眠中に歯ぎしりをすると、ごく短い覚醒状態が頻繁に発生し、脳波上では睡眠が途切れています。自覚的には眠っているので夜中に目が覚めるほどではないのですが、これでは浅い睡眠になってしまいますね。

睡眠中の歯ぎしりは、日中思い切り食いしばった時の約2〜10倍の力がかかると言われています。

以前、歯ぎしりについて歯医者さんと対談したことがありますが、その時「歯ぎしりが続くと奥歯がアンバランスにすり減って噛み合わせが悪くなります。すると、前歯に負担がかかって前歯まで弱くなってしまいます」と、おっしゃっていました。

カフェインの摂りすぎで歯ぎしりが増えることも

まだ歯ぎしりの原因は解明されていませんが、カフェインの摂取によって増える傾向があります。「なんとなくコーヒー」や「疲れたら栄養ドリンク」を飲んでいたら要注意です。カフェインの摂り過ぎは、歯ぎしりを促し、睡眠を浅くしてしまいます。その結果、日中眠くなり、眠気覚ましにカフェインが入った飲料を飲むという悪循環に陥ります。

そこでカフェインを摂取する習慣を見直してみましょう。

カフェインは午前中までとして、午後はノンカフェインにしてみたり。思い切って1週間程度、飲み物をノンカフェインにしてみるのも一手です。朝の目覚めが良かったり、頭がスッキリして昼間の居眠りが減ったとしたら、日中の眠気はカフェインによる睡眠の悪循環になっていたということになります。

忙しい時こそリラックスする時間を作って

夜間の交感神経活動が低下していないことも要因の1つです。

睡眠中は自律神経の交感神経が低下し、副交感神経が優位になるため、血圧や心拍数、呼吸数が低下します。しかし、交感神経が優位のまま眠ってしまうと、充分な睡眠時間をとっても疲れはとれず、また睡眠中に歯ぎしりをすることがあります。

仕事が忙しい時期や、残業で就寝時間近くまで仕事をしていたりすると脳が興奮がしていることもあるでしょう。眠る前は副交感神経が優位になるよう、部屋の明かりを暗くしたり、ストレッチなどを取り入れて、歯ぎしりをしないよう準備をすると質のよい睡眠につながります。

また、昼間に歩きながら手を握り締めていたり、パソコン作業をしていると同じ姿勢が続き肩や首に力が入ってしまいます。これもまた歯ぎしりの原因にも繋がりますので、日中も隙間時間にストレッチを意識しましょう!

身体と向き合って、コンディションを整える習慣づくりを

人は忙しいと、ついつい自分の身体と向き合う時間が疎かになってしまいます。その時は大丈夫かもしれませんが、シワ寄せは後になってやってくるものです。思わぬ心身の不調や病気などにならないためにも、自身のちょっとした変化に気づき、なにか問題があれば対応できる知識を身につけておきましょう。

睡眠は健康づくりの基本です。

自分の生活スタイルに合わせて積極的に質の良い睡眠を作り、コンディションを整え、日中の充実度やパフォーマンスを上げていきましょう。

「眠りの秘めたる力」24回目を迎える今回が最後となりました。1年間、ご愛読頂き本当にありがとうございました!

西谷 綾子(にしたに・あやこ)

睡眠改善インストラクター。
眠りのエキスパートとして、ワークショップや講演会などで活動中。自身のYouTubeチャンネル『あや吉チャンネル』では快眠のためのワンポイントアドバイスも行っている。
ランニングにも注力し、フルマラソンのベストタイムは3時間1分。〈Body & Soul Running Club〉を主宰し、初心者教育も行う。

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