メニュー

2021.02.05

オリーブ油とごま油、抗炎症成分が含まれているのはどっち?【管理栄養士がジャッジ Vol.29】

kencom公式:管理栄養士・長有里子

記事画像

風味豊かなオイルとして人気の高い「オリーブ油」と「ごま油」。

近年、このどちらかに頭痛薬の成分とよく似た成分が含まれていることがわかりました。さて、どちらの油でしょうか?

オリーブ油とごま油、抗炎症成分が含まれているのはどっち?

正解は、オリーブ油

オリーブ油の中でもエクストラバージンオリーブ油は、パンにつけたりサラダのドレッシングにしたりと、そのままいただくことでより豊かな風味を感じることができます。

ただ、このエクストラバージンオリーブ油を口にしたとき、ピリッとした刺激を感じたことはありませんか?このピリッと感は「オレオカンタール」という成分によるものです。

炎症を鎮める薬に「イブプロフェン」というものがあります。頭痛や生理痛のときに飲む薬に入っていることがあるので、ご存知な方も多いでしょう。

実はオレオカンタールは、このイブプロフェンと非常に似た抗炎症作用を持つことが近年わかりました。もちろん薬のような作用はありませんが、オレオカンタールは脳の炎症を抑え、認知症の予防になるかもしれないということもいわれ始めています。

またオリーブ油には、一番絞りのエクストラバージン油と精製されたピュアオリーブ油がありますが、オレオカンタールが多く含まれているのはエクストラバージン油です。選ぶ際に参考にしてみてください。

ごまパワーで長寿に!?

さて、ごま油の特長は何でしょうか。ごまは、中国最古の薬物書「神農本草経」で”不老不死の妙薬”として扱われてたほか、美の象徴とされたクレオパトラも愛用していたといわれるなど、優れた抗酸化物質を含んでいます。

この物質が「ゴマリグナン」です。ごまに含まれる身体に良い成分というと、「セサミン」が有名ですよね。ごまにはセサミンの他に、セサミノールやセサモリンなどの抗酸化物質があり、ゴマリグナンはその総称になります。

ゴマリグナンには、老化や生活習慣病の原因となる活性酸素を取り除く作用があります。ごま油がほかの食用油より酸化されにくいのは、このゴマリグナンの抗酸化作用によるものです。

オリーブ油とごま油は「減塩」に役立つ!

オリーブ油もごま油も豊かな風味を持っているため、上手に使えば減塩に役立ちます。たとえば料理の仕上げに回しかけることで、料理自体が薄味でも、油の香りで味の薄さを感じにくくすることができます。

もしご家庭で取り入れるなら、冷や奴やシラスおろしがおすすめです。

豆腐にオリーブ油かごま油をかけ、少量の塩を。オイルの風味で、塩はほんの少量でもおいしくいただけますし、シラスおろしなら、醤油をかけずともごま油だけでもおいしくいただけますよ。ぜひお試しください。

▼参考文献

栄養成分バイブル(中村丁次監修/主婦と生活社)

過去の『管理栄養士がジャッジ』はこちらから

著者プロフィール

記事画像

■長 有里子(おさ・ゆりこ)
管理栄養士/sazukaru代表。
人気サイト「服部幸應先生の1週間ダイエットレシピ」の監修経歴、食と健康の総合ポータルサイト「イートスマート」立ち上げメンバー。サイトや書籍の栄養監修多数。現在はプレコンセプションケアにも力を入れている。

この記事に関連するキーワード